女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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ヤバい

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 水の魔法をちょろりと出したグロッキー状態のテイカだったが、暫くしたらケロリと復帰して魔力を練り練り昼食の配膳をして御座す。俺が注入した魔力を絶対手放したく無いと言う思いがあのチョロチョロに込められていたようだ。自分の魔力なら湯水の如く使うのだろうな。
賢者ノーノに依ると、魔法を使わせたい者を貫通させるように魔法を使用する事で使い方を覚えさせるとか何とか。そして座学をたっぷりするのだと。神に会った俺より、座学も素質も無しに魔力を練ったり魔力を絞りに絞って放つテイカは異質なのだそうだ。これから少しずつ、魔法使い組に指導されるとの事。

「カケルさんが人の魔法を使えるようになった事ですし、そろそろ龍魔法を教えても良さそうですね」

「まだ使いこなして無いんだが…」

「《収納》の使い方なら覚えて損は無い筈だ。《収納》した状態の物を加工出来るのは家作りに役立つだろう?」

「遠くの物を《収納》したりも出来ますね」

龍の収納術はドン引きする程強いからなー。遠くに居る生物や熱量を《収納》したり、謎の切断をしたりヤバすぎる。加工してから外に出せるのもだいぶヤバいぞ。

「よろしくお願いします、ミーネ先生」

「カケルさん!私は!?」

「生き物を《収納》するのはまだ早いかなーって」

「そんなぁ」

シュンとしてしまった。

「魔法の手解きはよろしくお願いします、リュネ先生」

「カケルさぁん」

パァーっとしたな。面白い。新築作りと並行して《収納》を学ぶ事になった。

 午後は元々の予定だった材木を取りに行く。イゼッタが板を沢山作ってあるが、あれは良い物なのでまだ使わない。島に生えてる木では数が足りないので陸に上がる予定だ。急がないと夕飯に間に合わないので手早く装備を整えて、イゼッタを背負って手近な陸地へ飛び立った。
手近と言ってもそれなりの距離はあり、イゼッタが落っこちない速さで飛んでいるので速度が出ない。俺は一旦、速度を緩めた。

「どした?」

「もっと早く移動出来るように工夫する」

《収納》からタワーシールドを出して、《伸縮》で捏ね回し、ロケットのノーズコーンっぽいのを作った。イゼッタをコーンの内側に座らせて、俺は肩まで入って装備完了。自動的にイゼッタのお股に顔を埋められるおまけ付きである。

「材料的にこの大きさになっちゃったが、これで更に早くなれるぞ。熱くなるようなら教えてくれ」

「わかった」

急拵えの工作だったが、寒さと抵抗が軽減されたのでだいぶ早くなった。音速は出ないけど、出たら出たで多分死んでしまうからこれで問題無い。暫く飛んで、やって来たのは何時ものゴーラ狩場。

「伐採する?それともおが屑?」

「おが屑で頼む。おが屑を空に上げたら成長させてくれ」

「ん」

直径百ハーン程もあるデカいグラインダーがイゼッタの足元から地面に向かって降りて行くと、木はバリバリと音を立てておが屑に変わった。地面付近まで降りた風の円盤は、水平移動して木を切り倒し、触れる物をおが屑にして回る。周囲五百ハーン程禿げ散らしたら伐採終了。出来たおが屑を《集結》で丸く圧して空に上げ、その合間に森を回復してもらった。
樹皮も葉っぱも混ぜ込まれた雑木の塊だが、形を自在に変えられるし、圧して使えば普通の木より硬くなる。何よりゴミを出して素材をロスしなくて済むのが良い。

「これで作るの?」

「基礎の柱はこれで作る。壁や家具はイゼッタの良い板を使うがな」

丸い塊を《収納》し、コーンを装備し飛んで帰る。イゼッタの股枕でうつ伏せ寝してたらゆっくり帰りたくなったが、お腹空くとイゼッタが切なくなっちゃうし、ぐっと堪えて帰宅した。
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