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うっかりさん
しおりを挟むカロ邸に着いて、風呂に入って朝食を食べたら夜勤組は寝に入る。左にリュネが、右にはアズが陣取って微動だに出来無いし、ちゃっかり者のシトンは俺の股間できんた枕してやがる。此奴が臭うのって、いやまさかそんな!?…寝なきゃいけないので考えない事にしよう。
横になって目を瞑り、呼吸を整え睡魔を迎える準備は出来上がっていると言うのに色んな考えが頭を過り眠る事が出来無い。
この街に何で下水道があるのか?街の屎尿は肥料として使っているので一般家庭には下水道が通っていない。噴水と風呂屋、貴族の家と高い宿屋には風呂があり、その分の排水が出るにしても《感知》で見た排水路は広過ぎた。排水の流れてない場所さえある。かと言ってならず者が住んでる事も無く、ましてや悪の組織のアジトになりそうな広い空間も無い。虫とミズゲル、小動物が住んでるだけなのだ。
暗殺者と思しき十人のゴロツキは、あの後何処に向かおうとしていたのか?《洗脳》でも掛けて所属だけでも聞き出しておけば良かったかも知れないが、そこまでする程の興味は無い。知り合いも、死んで欲しくない人材も、戦争に出る連中の中には誰一人として居ないのだから。
興味があるのは専ら排水路の方だ。行き止まりになっている場所の上を一つ一つ確認して行くと、北側の一本が街の外に出た。地上では小さな山になっていて、山の中にも通路が走り、部屋と思しき空間もある。人もポツポツ歩いてるので、ここがアジトなのだろう。出入口と人物全てにマーキングをして、やっとお迎えが来た。おやすみなさい。
「クルルァ」
「…寝かせてよ」
胸の上に乗って来たマイエンジェルに睡魔は退散させられてしまった。目を瞑り脱力するも、顔をガジガジされるので痛くて寝られやしない。どうやら用事でもあって起きて欲しいらしいな。仕方無いのでそっと起き出し客間に赴いた。
「おはよう」
「考え事して寝られなかったよ。何か用でもあるのか?」
「カケル様、警備隊より呼び出しが掛かっております。先程アマルディなる女が見えましたがお休み中の旨を伝え退散しました。起こして向かうように、との事です」
「だれ?」
「新しい嫁ですか?」
「依頼先で組んだ小隊長だよ。呼ばれたのは俺だけか?」
「はい。そう申しておりました」
「で、何処に行けば良いんだ?」
「さあ?」
場所も告げずに来いとは中々のうっかりさん。それとも俺ならスキルで来れると踏んだのか?取り敢えず、お腹空いたし買い食いしながらアマルディの居場所に向かうかね。背中にへばり付いてるカラクレナイをサミイに託し、カロ邸を後にした。
串焼き買おうと思ったけど、露店無かったんだった。俺も大概うっかりさんだぜ。何時も露店の並んでいた噴水広場には荒くれ者やゴロツキが群れを成して歩いてる。皆それぞれの鄉に帰るのだろう。臭いので近寄りたくないが、此処を突っ切らないとギルドにもアマルディの居場所にも行けないのだ。そして何故かチラチラ見られる。隣にリュネが!?と振り返るも誰も居ない。キョドってると余計に見られそうだし路地裏に戻ると五…一人阻害系スキルを使ってるから六人、音も無く着いて来た。
「なんぞ?」
振り返り、陰に隠れてる奴等に誰何する。
「…お前、だいぶ出来るな」
「それなりにな。揉め事を起こすと俺まで捕まっちまうからすんなり出てってくれ。商売上がったりだぜ」
「へっ、よく言うぜ。モンスター並の魔力垂れ流してやがってよ」
「俺等を狙ってやがったな?国の暗殺者か!?」
ああ、それで見られてたのか…。俺が暗殺者なら相当なポンコツだな。
魔力を抑えたら六人に弱めの《威圧》を掛けて、怯んだ所をジャンプするように飛んで逃げた。《阻害》も掛けたので追っては来なかった。
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