女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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男の友情

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 ジョンくんの圧が強い。本当はもっと冒険者したいのに、ランクがAになった途端世代交代させられて、下積みも無くサインを書く作業。しかも責任が重く伸し掛ると来たらストレスでやさぐれるのも分からなくも無い。
サブマスと秘書を複数人用意して、ジョンくんが居なくても仕事が回るようにする。準備等もあるだろうし、ダンジョンアタックが月に何度も出来る訳無いのでダンジョン専門の冒険者になる事を勧めてやると、成程成程と感心してた。
で、今肩を組まれて「俺とやらないか?」と聞く者を勘違いさせてしまいそうな発言をのたまわれている。
俺のランクが上がるまでにな、な配下を揃えたら潜ってやると返しておいた。

 変わって毒瓶の方だが、先に俺からの説明を聞いていたツルちゃんがドラゴンの特徴を説明し、ダークランドドラゴンである可能性が高いとジジババ共の見解が示された。

「ダークランドドラゴン…、やっぱドラゴンだよな!?ドラゴン倒してこその冒険者だよな!?」

横からの圧が強い。それと、殆どの冒険者は、トカゲを倒す所か戦うと死んでしまうと思います。

「カケル、ドラゴンの毒なんてどうやって抜いて来たんだよ?教えないとギルマスにすんぞ?」

呼び捨てだよ…、目がキラキラしてるよ…。

「ケブとかの討伐依頼の序にドラゴン狩りに行ったらな」

「居たのか!」

「居た。けど毒喰らって死に掛けてたから治してやったんだ」

「治したぁ?」

「倒しても毒じゃ食えないし、素材も安くなるからな」

「食うのか!」

「毒を外に出すとさっき言ったみたいに森や水に影響出るだろうから、持って来ざるを得なかったんだよ」

「何処に居るんだ!?」

「まだダメだ」

「分かってる。一から弱らせるのは戦術だが弱ってるのをやるのは卑怯モンだっ」

「分かってるなら良いんだ」

「あの、カケルさん。男の友情を温め合うのは良いのですが、此方もお願いします」

温め合うなら異性が良いです。威勢が良くても異性で頼む。
がっちり肩を組まれて居ると、《逃げる》でも逃げられない事が判って良かった。二度と捕まらんぞ。諦めて、仲良し二人組な状態で毒についての説明を受ける。
どうやら冒険者のやらかしでは無いみたい。魔法精製、天然問わず、ここまで強い物は未だ嘗て見た事が無い。滅多な毒では死なないドラゴンの中で、濃縮や強化された結果こんな物が出来てしまったのではなかろうか、とジジイ談。死に掛けを放置して、毒が地面に垂れ流されなくて良かったとの事。
当然の事ながら、人には扱えない代物で買取は不可、と言うか無理。作る事も持つ事もさせてはならんと言う訳で、俺が何とか処分する事になった。
まあ、出来ますよ?
瓶毎毒を《収納》し、重くて倉庫に仕舞えなかった鉄を中空の球体にした。そしてその中に《集結》して鉄球の中に入る程に纏めた毒の玉を《収納》した。

「鉄球の中に封入したよ。中も外も見せられなくて悪いが」

「んで、その鉄球をどーすんだ?」

「空に上げて星にする」

「「「星!?」」」

皆驚いてるが、こんなの魔法でも出来るだろ?否、無理か。風魔法では宇宙迄飛ばせない。勢いを付けたら溶けたり爆発しそうだもんな。
今日はもう遅くて寒い、と言う事で明日また集まって打ち上げする事となった。何となくだが、皆ウキウキしてる。ジョンくんはまあ解る、そう言う子だし。ジジババ共まで明日の予定をキャンセルするだとか今夜中に仕上げる等と張り切っていた。娯楽が無いから?

「貴方のトンデモスキルを見たいのですよ」

お茶汲み美人に言われてしまった。因みにこの方、サブマスさんでした。正確にはこの街の真のギルマスと言えよう。
今後とも、どうぞ宜しく。
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