357 / 1,519
宿営地
しおりを挟む心を込めた謝罪は相手に受け入れられたようで、今は背中に乗ってゆっくり雪を踏み締めている。ブルランさんは側に付いて気が気じゃない様子だが、落ちる事はあるまい。飛べるしな。
そうこうしてる内に食事の用意が整い、ハークとブルランさんは二号車へ、他の者も時間差で食事を始める。俺達とメイド一人が先に食べ、その後で残りのメイドと護衛が食べるそうな。謎肉のたっぷり入ったぷりぷりマタルスープが心と体を温める。まさに空腹に勝る調味料無し、熱いがご馳走である。
食事を終えて、片付けも済んだら再び移動する。馭者と護衛は眠気を抑えるのに苦労している事だろう。宿営地まで頑張れ。俺は腹一杯で眠いので《感知》を掛けて寝る。
暫くしてゾーイ車が谷間に入ると日没が近くなり、出発から四オコンしない内に日は山に隠れてしまった。宿営地は直ぐ目と鼻の先で、今回も予定通りに移動出来たようだ。
宿営地に着くと護衛が率先して設営を始める。スコップで除雪してテントを建てるそうなので手伝う事にした。宿営地の雪を丸ごと《収納》するととても喜ばれたので、序に円形の壁と屋根を付けたら驚かれた。ゾーイ車が入る程の入口を開けて納車したら中に床を敷いて壁で仕切り、駐車場と馭者とゾーイ部屋、護衛、メイド、ハークとブルラン、俺達の部屋とトイレ。真ん中には厨房兼食堂となるスペースを確保した。
「凄い!カケルは土魔法の天才だね!」
「俺なんてまだまだ。凄い奴は煉瓦で無く白磁で作る。細工まで施してな」
「…それ、人のなせる技じゃ無いよね?」
確かに人じゃ無いな。ハークに見守られ、各々の部屋に雑木で簡易的なベッド等を作って居ると、メイドが食事の時間を告げに来た。残りは食事の後にして、ハークを担いで食堂に向かった。
寒い時期は生肉が保存出来て有難い。焼謎肉美味しいです。普通の護衛依頼だと、護衛は護衛、依頼者は依頼者と言う風に食事は分けて作るそうだ。俺もそうなんだろうと思って色々買って来たのだが、調味料も俺達のより良いのを使っているし、協力出来そうに無い。
「皆様、食事の後は清拭用のお湯をお配りいたします。護衛の方達はローテーションを組んでいらして下さい」
風呂は時間が掛かるから拭いて終わりで良いかなー。
「カケルさん?」
「何かな?」
「…ダメ?」
「ドア無いし、覗かれ放題だが…、それで良いか?」
「ドア作ってよ!」
キュルケスがごねるので仕方無く橇風呂を風呂にしてやる事にした。メイドとハークも入浴を許可したら大変お喜びでした。俺達の部屋に水受けの床を敷いたら橇風呂を出して《洗浄》し、水と鉄板を入れて適温になるまで待つ。その間に雑木で引き戸を作って各部屋に設置して行った。
「カケル様、浴槽のお湯が出来ました。どのように止めればよろしいのですか?」
「魔力がスイッチになってるんだ。魔力込められるか?」
「問題ありません」
一番風呂はハーク、次はメイドでワーリン達は後だ。込める間力次第で直ぐ沸くから湯を替えても平気だ。野郎共はその間真面目に護衛を行う。
「カケルと一緒に入りたかったなー」
浴室から愚痴が流れて来るが、こればかりはクライアントの要望に答えられない。ハークの前にそそり立つアイツを出してもメイドを無駄に喜ばせるだけだからな。
女達の入浴が終わり、やっと自室を整備出来る。《洗浄》したら片付けて、簡易ベッドを並べて完了だ。夜警は護衛、俺達、馭者の順で行うそうで、とっとと寝てしまおう。
ワーリンに、べろべろされて目が覚める。何処とは言わぬが、気持ち良く起きれた。ペニスケを装着して護衛と交代。お湯を沸かしてちびちびやりながら夜警を続けた。
0
あなたにおすすめの小説
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
狼になっちゃった!
家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで?
色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!?
……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう?
これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる