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私、死ぬのかしら?
しおりを挟むワーリンのお腹が鳴った。このままだとハークとアルアが食べられてしまうので軽い食事を出して頂く事になった。
「獣人さんはお腹空いてたの?」
「朝食を摂り損ねたのですよ」
「僕達食べられちゃう?」
「がるる~たーべちゃうぞー…で、良いのか?」
子供と女子がごっこ遊びしてる間に、此方は仕事の話し合い。ゴタゴタが落ち着く迄セカンドハウスに戻ってろ…、との父の命令で、ハークだけでなく来たばかりのアルアまで帰る事になってしまったそうだ。で、街に俺が居るのを知ったアルアは、俺に護衛依頼を出したいが、ハークも同じ考えで、二つに切って分裂出来無い俺をどうしてくれようかと協議した結果、二人でハーク邸に帰れば良いじゃないか、兄妹だもの。と言う話で纏まったそうだ。
ハーク邸の選考理由は距離。アルア邸迄だと十日掛かるとの事。行きに雇った有名Aランクパーティの冒険者はそのままお帰り頂いたそうな。前払いで滞在費が浮くなら喜んで帰るだろうな。
お帰り頂いた、と言う事は断らせないつもりで居たのか。きっと涙目うるうるさせて上目遣いでもするつもりだったのだろう。見たかったぞ…。
「皆様、軽食をご用意いたしました」
わーい、肉だー!全然軽くねぇ。立食形式で食べるから軽食なのか?それとも一口サイズだからなのか?一口サイズを五~六個口に放り込む肉食獣を見て喜んでる男児女児。近寄り過ぎると食べられちゃうぞ?
話も終わったので皆で軽食をつつきます。食料やゾーイ等、移動の準備は出来ているので何時でも行けるそうなのでお腹に溜まったら直ぐに出発しよう。
ゾーイ車八台に護衛八人。中々の規模になっている。南北通りを抜けて街を出て、今日は最終宿営地に泊まる事になる。近いけど、出発が遅くなるのでこの場所しかないのだとさ。街を出た時からそうだったが、先日の雪が積もったままでゾーイ車の足取りが鈍い。
「衛兵殿、街道の雪を散らしてから移動しないか?」
「どれだけ労力が掛かるか知らんのか?」
「待て、此方はそれが出来るお方等だ。ハーク様に伺うので双方暫し待たれよ」
アルア側の衛兵は雪中キャンプをして来たんだよな、知らなくて当然。ハーク側の衛兵は楽して来たので、俺の機嫌を損ねて雪中キャンプする羽目には遭いたくないので丁寧だ。
「「見たい!」」
鶴の二声で除雪決定。橇風呂を先頭に、客車である二号車がその後ろ着いて、キュルケス、君に決めた。
「私、死ぬのかしら?」
「魔力なら任せろ。正面だけで良いからドバーっとやっちまえ」
「がんばれー」
溜息一つ。ごにょごにょしてストームを放つと、キュルケスの掌から凄い風が吹き出した。普通なら後ろに吹っ飛ぶ所だが、俺が浮かせて止めてるので抜かりは無い。キュルケスの頭に手を置いて、魔力をどんどん流してく。
「魔力抑えてー!爆発するー!」
足りなくなったら追加する方向でお願いされた。
表面の軽い雪を吹っ飛ばし、どんどん前に進んでく。二オコンしない程の時間で最終宿営地に着く事が出来た。キュルケスお疲れ。
「こんなに、長い事…、使ったの、はじめて…」
「お疲れー」
「よく頑張ったな。飯まで休んでて良いぞ」
遠慮無く寝る、と雑木紙に包まってしまった。此処からは俺の仕事か。高く積もった宿営地の雪を全て《収納》し、直径三十ハーン、高さ十ハーンの煉瓦の壁を作る。ゾーイ車の入る入口を開けて中に入り、床を張って部屋を作る。トイレ二つに風呂二つ、俺達の部屋、ゾーイの部屋兼駐車場に炊事場。そして階段を付けた。二階の床を作って階段と合わせ、壁で貴族とメイドと護衛の部屋に仕切った。
「カケル様の魔法は物凄いのですね!」
アルアが褒めながら抱き着いて来る。因みにハークは中に入った時から肩車だ。誰かお止め申し上げろよ。
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