女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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悲しくなっちゃった

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「そのお声はリュネ様ぁ!」

《阻害》を解いて姿を表すリュネに、アルネスは更に驚いた。そりゃあ驚くよな、デカいし。パァーっと光って何時もの姿に変わった。

「他の人達はまだ来てないみたいね」

「はい。まだ誰もいらしておりません。ご入浴の支度は済んでおりますので先に入られては如何でしょうか?」

「そうだな。ああ、アルネスにお土産だ」

《収納》に入ってる二頭の山羊っぽいのを解体し、肉の状態で出してやったのだが、一頭で三日四日肉尽くしでも余りそうな程の大きさだったので一頭だけ出すに留めた。遠近法で小さく見えたが、ここまで大きいとは思わなんだ。
皮が剥がれ、骨と血と臟が抜かれ、首と蹄と尻尾が切られて二足状態で浮いてる様はとてもとても不気味だ。後ろ足から切れてる首まで八ハーン。立ち姿ではカラクレナイよりデカい。あ、泣きそ。リュネはもう泣いてた。
一旦仕舞って精肉にしてから食べる分だけアルネスに渡し、メソメソしながらお風呂に向かった。

「今度は食べる分だけ出しましょうね?」

「そうだね」

体の汗と、心の汗を流し切り、客間に入るとテイカ達が来てた。サミイは調理場でお手伝い中で、テイカも少年隊を此処に置いたら直ぐ向かうんだって。

「一足遅かったようで残念です。お二人とも、何かありましたか?」

「俺のミスで悲しくなっちゃっただけだ。問題無い」

「カケルさんがお肉取ってくれました。有難く頂きましょう」

「「「わーい」」」

「お前等は何買って来たんだ?」

「野菜!」「服!」「などなど!」

買い物に連れ回されてたみたいだな。お前等も風呂に入っといで。行って五リットもしないうちにぽたぽた垂らしながら帰って来た小童共を《洗浄》するくらいなら初めから《洗浄》してしまえば良かったよ。カラスの行水と言うが、水洗いする鳥は皆行水が短い。弱点を晒す行為なのだから当たり前の話である。夕飯の支度が始まる頃になり、フラーラ達が戻って来た。

「遅くなりました」

メイド三人は島民のリクエストに応えてたようで、布製品と金属製品が特に多かった。《収納》して軽くしてやると、厨房に向かって行った。
 その後、カロに連れられたタマリーと、依頼から帰宅したシトンとアズが戻り賑やかなカロ邸がさらに賑やかになった。
俺、リュネ、サミイ、テイカ、シャリー、フラーラ、ノーノ、少年隊、カロ、アルネス、タマリー、シトン、アズ。十五人も居たら寝る場所が無いな。寝床用にUFOを出しておくか。地べたに置くとアルネスに怒られるので少しだけ浮かせとく。その代わりトイレの穴は開けさせてもらうぞ?内部には雑木絨毯を幾重にも敷き詰めてやった。

 夕飯が並び、皆席に着く。サイコロ状に焼かれ、タレを纏った山羊っぽい肉が山になり、とても目を引いた。スープには刻んだ肉が入ってて、野菜と共に煮込まれていた。んまい。
子供達は早々に客間に篭って夢の中。大人達はUFOに乗り込み、お茶を飲み飲み食休み。

「あの島と周りの森な、二千万ヤンで買ったぞ」

「やはりそのくらいでしたか」

「商業ギルドの老害が何か勘違いしててな。俺達が作って壊した家の残骸を遺跡だのダンジョンだのと思い込んでて売り渋ってたみたい」

シャリーがその値段に納得したので適正な価格なのだろう。やらかしたと思ってるメイド二人は納得してないみたい。

「不甲斐ない我等に仕置きしてくれ」

「じゃあ舐めてて」

「心得た」「お任せあれ」

エッチな事したいだけだったようだ。

「誤解が解けて良かったですね」

飲み干したカップを下げるアルネスはちょっぴり平和ボケさんだ。
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