414 / 1,519
私はいい子
しおりを挟む鱈腹食べて、おねむになったネーヴェを腹の上に乗せ、背泳ぎ状態で街まで飛んだ。少し離れた所で降りて横抱きで街に向かうと、門兵に物凄く疑われた。イラッとしたので脱糞十秒前の刑に処し、足を《威圧》の塊で固定した。
「謝っても許してやらん。糞でもひり出せ」
門兵共の泣き言を無視してギルドに入る。皆こちらを見ているが、気にしても仕方無い。一番近い受付けに向かった。
「南西の街のオーバーフローの報告でギルマスと話をしなきゃならん。繋いでくれるか?」
「報告ですか?これから第一陣が出発するのですよ?」
「これから?遅くね?もう門から見える位置に居るんだぞ?やる気あんのか?」
「私に言われましても私が戦う訳じゃありませんので…」
「そりゃあそうだな。変な事言って済まなかった。とにかく繋ぎを付けてくれ、カケルが帰って来たと言えば何かしら反応するだろ」
近くに居た職員と交代して階段を上がって行くのを見送り、俺はネーヴェを抱えたまま壁際にでも行ってよう。
「カケル、ここどこ?」
「新しい人の街だよ。この近くに家を作ってるんだ」
「いえ?」
「ご飯を作ったり、ゆっくり寝たりする建物だ」
「ご飯、食べる」
ご飯と言う言葉に釣られてしまったのだろう、お腹が空いてしまったようだ。此処で肉を焼く訳にもいかないのでトカゲの魔石をちゅぱって貰おう。《収納》から取り出して、床に降りたネーヴェに渡すと抱き着くように抱えてちゅぱれろしだした。周りで見ていた者は驚きで目を向いてるよ。なんせ一個四百万程もするトカゲモドキの魔石だ。それを尻尾やら角のある女の子がペロってる。見ない筈が無い。
「美味しいやつはもう少し待っててね」
「私はいい子。待ってる」
撫でざるを得ない。撫でられてアヘアヘしながら魔石をれろれろする様はちょっとエロいな。
「カケル様!」
階段を駆け下りて来たのはカロ。アヘレロしてる少女を見て直ぐに察したようで、平伏して自己紹介してた。察せない奴は居ないだろうがな。何とも丁寧な対応でギルマスの部屋へ迎えられ、お茶と果物が出された。
「其奴は何だ?珍しい獣人だな」
「フェルーゲン、命が惜しくば言葉と態度を弁えなさい。この方は龍です」
「り、龍…だと?」
「この街には妻も妾も、妻の家族も居るんだ。マジでちゃんとしないと俺は知らんぞ?」
「わ、わかっ…、心得ましてございます…」
ギルマスが貴族の振る舞いを思い出した所でオーバーフローの状況等を説明した。
「…と言う訳だ。割を食ったりはしてないと思うぞ」
「レッサードラゴンや大型のドロップを独り占めしてよくおっしゃりますな」
「魔力、食われてみるか?干からびるぞ?それに、モンスターから出た武具なんて使えるのか?刺さってたりしたモンだろ?」
「カケル様、見せて頂いてもよろしいですか?」
ほれ、と一つ出してカロに手渡す。見事な装飾がなされた鞘に収まる細身の剣だ。こう言うのを振り回して、初めて、自分は冒険者だ!とドヤ顔出来そうな一振りである。
「魔剣じゃねーか」「魔剣ですね」
振ったら魔法が出たりするそうで、装飾からコレクション的な価値もあるらしい。冒険者が王宮に送って地位や権力を得るのに使われるそうな。
「やっぱり割を食わせたじゃねーですか」
「一般人に被害が出るより良いだろ?」
「しかしなぁ…」
「マスター、諦めて下さい。それに、カケル様は魔剣の存在すら知らなかったのですよ?」
「分かった。その代わり、売れるモンは買取りに置いて行けよ。割り食った奴等への補填にするから」
ギルドへの報告が終わり、一階に降りたら買取りカウンターで細かい物を売っぱらう。魔剣や魔装具等の魔具と呼ばれる物は買い手が付かないとカロに言われて保留したが、魔石やら買い手が付きそうな魔道具や武具は出せるだけ出したよ。ギルド証に振り込んだ額で補填に充てると言ってたが、土地買った額以上になったよ。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる