女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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殺してでも奪い取る

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 その日の昼食は、少し広く感じる食堂で食べる事になった。

「カケル、心配性」

「優しいカケル、好き」

「ドラゴンを心配する人、そうは居ないよね。オレ等より圧倒的に強いのに」

「強さや種族に拘らない。それがカケル様なのです」

「強者の余裕だな」

  「勇者様ですね」
「ノーノ、カケル様は勇者等ではありませんよ。物語の登場人物とは違うのです。そしてフラーラ、カケル様は強者でもないのですよ」

  「申し訳ございません」
「素の力では敵わない、とは聞いた覚えがあります」

「皆好き勝手言っているが、龍より強いのなんていくらでも居るし、Aランク冒険者の中には俺がスキル増し増しで相対しても逃げ切れなそうな奴も居るんだぞ?例えリュネに言われても、自分が強いなんて言えないよ」

「ああ、ジョンかー。今頃お前さんを探しまくってるんじゃない?」

「ジョン、なに?」

「俺の数少ない、男の友達さ。ダンジョン入れなくて帰って来ちゃったんだ」

「旦那さま、暇ならまた行って来たらどうですか?ランク上がって入れるようになったんですよね?」

「オレ等の事は良いよ?ジョンと同じペースで進めそうに無いし。あー、オレもダーニーガーや現地の妾達と一緒にバルタリンドで冒険者やるかなー」

「なら明日にでも参加してみるか?ネルトとタウトを送ったら、あの街…何だっけ?オーバーフローに襲われた街に寄って行こうと思う」

「カケル様、キャスーンの街です」

「テイカは行った事あるのか?」

「依頼で何度か。ダンジョンに入った事はありません」

「潜らないと儲からないんだっけ」

「女が入るにはそれなりの条件がありますから…」

「カケル、私も行く。道知ってる」

「ダンジョンのか?」

ネーヴェが一緒に来たいと言うが、何か狡くね?まあ、只だし荒稼ぎしなきゃOKか。北の大陸のダンジョンでは静かにしてもらえば良いし、了承した。

「あ、お前さん、なんか鎧持ってたら分けて欲しいんだけど、あるかな?」

雪国用の装備はこっちでは暑いらしい。何か無いかと《収納》から取り出した鎧はリアとメイドに阻止された。

  「魔装じゃないですか…」
「それを見せびらかすと国が動きますよ?」

「殺してでも奪い取る輩が出るぞ?」

「えー、安いのは全部売っちゃったんだったなー、すまんワーリン」

「いーって。金属より皮のが好きだし、街で探してみるよ」

「ワーリン、服買う?」

「ああ、オレは寒い国から来たんだ。装備も寒さに強くしてあるんだけど、こっちは暖かいから汗だくになっちまうんでさ」

「これ、着れ」

ネーヴェが《収納》から取り出した物は、鎧とも服とも違う物だった。

「なんだかペラッペラした服だね」

「ネーヴェよ、これ、タイツだろ」

  「分かりにくいですが魔装ですね」
「装備の下に着るなら気付かれ無い…かもな?」

「ネーヴェ様、ちょっと着てみても良いかい?」

「着れ着れ」

風呂場に駆け込んで着替えて来たワーリンは、真っ黒な全身タイツを着た面白キャラになっていた。

「ねえ、尻尾の穴が無いんだけどー?」

しかも天然さんだ。魔装に穴を開けるなんてとんでも無い!と言うメイドの言葉に押され、尻尾をお腹に巻き付けてた。

「魔力、吸収する」

「それオレ死んじゃわない?」

「外からの魔力」

試しに煉瓦…は痛そうなので水を玉にしてぶつけてみる。

「あうっ」

バシャッとして消えた。

「ん…、濡れてなーい。涼しくなって来たー」

「持ってけ、せんべつ」

「ありがとうネーヴェ様」

「貴重な物をありがとうな」

なでなでしとこう。なでなでなーでなでなで。

「褒めよたたえよー」

そんな訳で、明日はネーヴェとワーリン、ネルトとタウトを連れてセカンドハウスに行く事になった。
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