女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
531 / 1,519

にょきにょき

しおりを挟む


 四龍と俺の合作、大型寸胴鍋の評判が良い。まだコトコト煮てる状態だが、それを見た兎達に同じのを五~六個強請られてしまった。龍五人、兎十九人、人八人。総勢三十二人のこの集落で、飯は食堂で一気に作る。鍋の数が足りないと思って沢山買って来たが、大きさも足りなかったのだな。食べ盛りのカラクレナイが元の姿に戻ったのだから尚更だ。今まで竈をやりくりし、増築までしてやって来たのだ。反省せざるを得無い。
…と言う訳で再びカラクレナイの巣の前で鍋と蓋を増産し、糖の実を煮てる横に煮物スペースを増築すると、早速スープを作り出した。

「皆、何度も手伝ってくれて助かったよ」

「ん。ねぎらって」

母屋のソファーで寛ぎながら、兎の持って来たお茶を啜る俺と龍達。ネーヴェが膝に乗ってるので頗る飲みにくいが撫で散らしてやろう。

「私は何も出来ませんでした」

リュネは残念そうだが今回は適材適所。他の所で役に立てば良いのだ。つか役立たなくても良い。隣でくっ付いてるだけでも充分なのだ。

「おっぱい」

「はぁい」

むんにゅりするだけで機嫌が直るリュネであった。

「我はもっと役に立ちたいぞ」

「リームは果樹園作ってくれたし、充分役に立ってるよ。ありがとな。ミーネは後で物を冷やすのを教えてくれ。冷たい飲み物を作りたいんだ」

「期待に添えて何よりだ」「任せておけ」

「「……」」

「何だ?」

「おっぱいは要らんのか?」「我のは必要無いのか」

「今は私の番ですー。ねー?」

「二人には後でたっぷり労ってやろう。リームの巣で、三人だけでな」

「ふむ、ならば此処は折れてやらんでもない」

「楽しみだ」

「あはーん、ずるぅ~い」

「私は後で良い」

今撫で散らしてるのは労いに入らないらしい。まあ、後でと言うならそれで良かろう。

 長女は昼寝に、次女は仕事と言って出て行った。リュネは俺にベッタリで、ネーヴェは俺の上で寝てるぜ。

「皆とエッチしたいけど、全然時間が足りやしない」

「人は少し食べないだけで窶れてしまいますものね」

「お肉の調達、いつもありがとな」

「出来の悪い姉にも言って上げてくださいね。今は野菜をにょきにょきしてますよ?」

「土の養分が枯れてしまわないか不安になるな」

「吸わせているのは魔力でしょうから、きっと大丈夫でしょう」

俺達が不在の間はリームが野菜をにょきにょきさせていたようだ。《感知》で見ると、見事に育った名も知らぬ野菜を《収納》しまくってるリームと目が合った。唇でチュッとされたよ。人の最高レベルであれが出来るのなら俺も頑張れば出来るのかな?って気持ちになる。

「んもう、私の番なのにぃ」

「じゃあ、リュネ、んちゅー」

「チュッチュッチュー」

「じーーー…」

声に出してじーーーっと見詰めるネーヴェに、流石のリュネも気不味くなったらしい。女児達のお世話だなんだと逃げ出してしまった。

「おはよう。起こしちゃったか」

「カケル、時間、欲しい?」

「聞こえてたのか」

「また、あの部屋みたいなの作る?」

あの部屋と言うと、主婦達と組んず解れつしたあのヤリ部屋の事か。確かに全員と満遍無くエッチするなら欲しいとは思うけど、あれ、絶対俺だけ歳取るよな。

「欲しいけど、俺だけ歳取りそうで怖い」

「そだね。時間、戻せるようにしないと、人はすぐ死んじゃう」

やっぱりかー。

「時間を戻すとなると、その間の俺の記憶はどうなっちゃうんだ?」

「若返るだけ。記憶は残る」

「それって死ななくなるって事だよな?」

「ん」

一文字で肯定されてしまった。お前百まで儂ゃ九十九まで、妻達の悲しむ顔等見たくない。けど龍は、長い長い時間悲しむ事になるんだよな…。

「ネーヴェ。俺は人並みに生きて、人並みに死にたい。人成らざる存在になり掛けてるけど」

「わかってる。だから人は尊い。カケルが好き。死んだら時の止まった部屋に寝かせたげる。その時までよく生きて」

「そうだな。死んでる俺にエッチな事するなよ?」

「…おなかすいた」

話を逸らしたな?
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...