女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ミネラルを豊富に含む豊かな味わい

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 バットに流し込まれた茶色い液体は、香りはともかく見た目は悪い。味噌を糞に喩える外国人は多いが、これもまたそれに近い色合いをしている。かりん糖を水に漬けて遊んだ事を思い出す…思い出すな!食べられなくなっちゃうだろうが!

「元はホルストの餌だから、人が口にしても問題無いと思う。味見して見ないと美味いかは分からんな」

「カケル様は味の冒険者ですね。後であたしも味見してください」

色黒のテイカはミネラルを豊富に含む豊かな味わいに違いない。楽しみは後に取っておき、目の前のバットをどう冷やそうか思案する。

「おっぱい吸いますか?」

無心で吸った。その場に居る者尽く吸い付いた。昼飯を作る兎達も交代で列を成し、カラクレナイの何処にあるか分からないおっぱい?もぺろぺろした。頭からベロンベロンされた。

「私に物の冷やし方を学ぶのではなかったか?旦那様よ」

ミーネが半ば呆れ顔で肉を食む昼飯時。確かにその考えは頭にはあったのだが、習ってる間に冷めそうだと思って保留にしたのだ。宙に上げて冷やすのも考えたが、零しそうだし、鳥とかに食べられちゃうかも知れないのでこれも保留した。今は雑木の蓋をして、煮えたであろう種と共に宙に浮いている。

「今直ぐ使うとは思って無かったんだよね。言ったろ?飲み物を冷やすのに使いたいって」

「あの四角いのを冷やせば良いのか?」

「凍らせない程度に頼むよ」

うむっと言った刹那、バットの浮いてる辺りが冷えた。冷気が降りて来てるのできっと冷えてる筈だ。食事が終わったら確認しよう。

 食事が終わって片付けて、何か食堂に人が多いな。皆コレ等に興味津々なのだろう。先に煮た種のチェックだ。数字の順で、一粒取り出し指で潰して食って行く。
粒の小ささにダメかと思っていたヒラバ類の種が思いの外美味い。アマグキ類はスープやサラダの具にすると良さそうだ。フサナリ二種はモチモチしてて、指で潰すと粘りが出たので餅や団子として使えると思う。大本命のサヤノクサは俺のイメージに一番近い食感だ。オオサヤノクサはプリプリだったのがねっとりした。茹でたピーナッツみたいで不味くはないけどプリプリに茹でて塩振って食べたいな。最後のマルサヤノクサはまだ少し芯が残ってた。粒が大きいので浸水時間が足りなかったのか、煮込みが足りなかったのかの何方かだろう。

「使う種はこの三種にするよ」

「ええと、ヒラバにタカダチヒラバ。これはサヤノクサ…ですね」

ここからは一緒に味付けしてしまおうって事で、煉瓦の鍋に水と水飴を入れて薄ら甘い汁を作り、火の鉄板で一煮立ち。熱い糖液に種を入れて今日はここまでとする。

「カケル、出来たの?」

「まだ全然。あと四日は掛かるかな」

「「「「えー…」」」」

イゼッタからの問いの答えを聞いて、お零れ狙いの兎達から落胆の声が上がる。だが、残念ながらこれは時間が掛かるのだ。

「カケル、時間かかるの?」

「種が甘さを吸うのに時間が掛かるんだ」

ネーヴェも少し残念そうだ。ちょっと考える様子を見せると皆の顔に希望が見えた。
ネーヴェに言われて雑木で蓋付きの箱を作ると、ネーヴェが箱を見詰めて何やら付与してる。多分付与だろ。見てるだけじゃ無い筈だもんな。

「カケル、中にそれ、入れてみて」

薄々予想はしていたが、時の流れが早くなる箱になった。一リットで一日にしてみた、とドヤ顔のネーヴェだ。撫でとこう。

「カケル、出来た?」

「まだだよ?後三日分」

種を取り出し水飴を少し足して一煮立ち。再び種を入れて一リット待つ。それを三回繰り返し、糖蜜に濡れた種が出来上がった。

「カケ「イゼッタ、乾かしてくれ」うん…」

出し入れを繰り返す度に出来たか聞いて来るので意趣返しだ。吹き飛ばさない程度の風が皿に取り出した種を乾かして行く。これは暫く掛かるので、アマグキの様子を見よう。
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