女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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久しぶりの再開

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 リュネの奴、龍に戻る必要無いだろ。カラクレナイ以外のオーラが強い。

「なっ!?三…匹」

「匹なんて、動物みたいな数え方はしない方が良いぞ?」

「どう見ても騎龍の大きさじゃねえ…」

「そう言う事もあるさ。因みに敬称は様だぞ?死にたくなきゃな」

龍の巣に降りて、雑木の椅子とデカい丸テーブルを出してやる。飲み物は要らんかな。

「まあ座りたまえよ。飲み物は無いがトイレも無いから勘弁な」

「何とも…、生きた心地がせん場所じゃ…」

椅子にドカリと座ったマシュエルと、静かに座る兵士達。普通逆だろ。

「龍が居た頃はどうしてたんだよ」

「そんなの街が出来る前の頃じゃ。街を興してから一度だけ飛来したがな、その時は直ぐに去ってくれたから昨日みたいに避難してやり過ごしたわい。儂があんた程の歳の頃よ」

「そこで産んでればミーネには会えなかったのか」

「そうだな」

「え!?」

「紹介が遅れたな。赤いのがミネストパーレ、赤くて小さくて可愛いのがカラクレナイ。彼女の子だ。白っぽいのはグリューネワルター。三頭ともレッサーじゃないから言葉遣いには気を付けろよ?」

「ほ、本物のドラゴン…だと…」「初めて見た…」

兵士達が響く中、マシュエルは呆けてしまった。

「以前この島に来たのはミネストパーレだ。久しぶりの再開を喜ぶが良いよ」

「あ…、あんた等、何が目的じゃ…」

「冒険者やって金の工面は出来るようになったから、街でもこさえてのんびりしようかとな。んで、のんびりするにはやはり金を稼がにゃならんっつー訳で、それなりに価値のあるモンを売って生活の足しにしようと思った次第だ」

「買える値段なら良いがな…。で、何を売ると言うんじゃ。あんたさんは知らんと思うが、この島は両隣の大陸に荒らされ放題じゃった。そんな場所で売り買いが出来るもんかの?」

「出来るさ。先ずはインフラ整備。壊れた家と畑を直す。したいけど出来ないって感じだろ?」

「また襲われたら馬鹿みたいじゃからの」

「軍隊は来ないよ。停戦に向けて頑張ってるのは西の国の宰相だからな」

「口から出任せを…」

「来た所で何か出来ると思うか?」

指を空に向けると、カラクレナイが首を伸ばす。後で構ってあげるから大人しくしててね。

「インフラ整備と同時に食料も売るぞ?食っても良いし、畑で増やすのも自由だ。魚ばっかじゃ飽きるだろ」

「耳に聞こえが良過ぎるのう」

「冒険者で稼げてるからな。それに、この次からが本題だ。俺は魔道具を作れる」

「確かに其方が本命か」

「便利だぞ?これなんて既に二つの街で売ってるが品切れ待った無しだぜ」

水の棒と光の棒を出してやる。コップを出して水を注ぐ姿に注目が集まった。皆にコップを配り、魔力で水を注がせると、魔法の素質の無い全員が水を注ぐ事が出来て驚いていた。

「材料を渡すので作ってくれたら一本百ヤンで売ってやるよ」

「な!?これの価値はそんな物じゃ無い筈じゃ!」

「井戸掘って塩っぱい水を飲まなくて済むからな」

「そんな事、何時調べたんじゃ…」

「否、街見たらすぐ分かるだろ。守りは強そうだが海抜低過ぎなんだよ。しかも木も生えてない荒野じゃ尚更だ」

「昔は森じゃったが、焼かれてこの態よ」

「でな、俺は、俺が快適に過ごす為に、こんな棒より良い物を作りたいんだ。だが世に出すと俺が忙しくなる。魔道具に加工するから素材を作ってくれ。箱とかな」

「それで、売上を跳ねる訳か」

「加工した魔石の代金と組み立て方の情報料、でも良いぞ」

「物は言いようじゃの。此方の利益が多過ぎて不安でならんよ」

「そんな事は無いだろ。そんな便利な街、直ぐに戦争起こして奪いに来ると思うぞ?死に物狂いで守れよな?」

「ドラゴン様には頼れんのか」

「居ない時とか寝てるとか、隙は何処にでもあるだろ?」

マシュエルは押し黙り、考えを巡らせているようだ。
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