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猫は気まぐれ
しおりを挟む今直ぐ使うかどうかは置いといて、全員にトイレの使い方を教えた後は、部屋を宛てがい休んでもらう。一人一部屋は無理なので三部屋に纏まってもらった。家具なんて手元ライトしか無いし、雑木マットをこれでもかと敷いたので箱の中よりは快適だろう。
だがバジャイは部屋に入ろうとしない。群れるのは苦手なのか?
「バジャイは何処で寝たい?」
「木!」
樹上生活してたようだ。外に生えてる糖の木にでも営巣させてやるか…。バジャイを引き連れ外に出て近場の木に向かうと、スルスル登って行った。しかし枝に乗って寝ると落ちかねないので少し手を入れてやろう。
残り少ない雑木のストックを使い、木の幹に梁と筋交を組んで丸い床板を敷き、出入口の穴を開ける。屋根は十字に刺した軒桁に垂木を直付けして屋根も直張り。壁は無い。マットを敷いて出来上がりだ。
「これでどうだ?」
「?」
屋根を下り軒下を潜って飛び込んで来たバジャイは建物を見渡してる。
「お前の巣にして良いぞ」
「巣!ここに住む!」
気に入ってもらえたようなので家に戻ろうとすると足首を掴まれてコケそうになった。
「なんぞ?」
「どこ行くの?」
「家に戻るんだよ」
「あれ、カケルの巣?」
「そうだよ。俺も少し寝る」
「バジャイもカケルの巣に行くぞ!」
俺の努力は何だったのだろうか…。猫は気まぐれだ。家に戻って居間に向かうと、ネーヴェとリームが待っていた。
「夕飯?」
「ひいいい!」
俺の陰に隠れて長い尻尾を股に挟んでる。
「虐めちゃだめだよ。此奴はバジャイ。仲良くしてやってくれ」
「ぬぅ」
「主様に懐いてしまったようだな」
「どうだろうな?バジャイ、俺より強い二人だ。服従しとけ」
「何でもするから食べないでー!」
「カケルの役に立て」
「たつー!カケルの役にたつー!」
「様を付けろ。カケル様だ」
「カケルさまの役にたつー!」
しがみ付いて子鹿のように震えるバジャイを庇いながら寝室に連れてった。
「怖かったよ…あんなの森にいないよぉ」
くっ付いたままのバジャイを抱いて、マットに横たわった。とても肌触りが良い。
「バジャイは森に住んでたのか」
「…バジャイたち、人とは暮らせないから、みんなで森にすんでた」
「人はお前達を虐めてたのか?」
「捕まったら食われるって、大人が言ってた」
違う意味で食われてたのかも知れないな。ウラシュ島には殆ど森何て無いし、ヒズラーは獣人も普通に歩いてる。残された可能性はキネイアッセンか。
「みんなの所に帰りたいか?」
「帰っても、また捕まる」
「みんなが心配してるかも知れないぞ?」
「カケル…さまの、群れに入れて」
餌もやってしまったし、飼い主としての責任は果たすべきだろうな…。
「バジャイ、いっぱい子供産む!」
それは頑張らなくても良いぞ。
「バジャイには人の生き方をしてもらう。人と共に生きるんだ。出来るか?」
「やる!」
「俺が出掛けてる間、良い子で待ってられるか?」
「…………ぁぃ」
ゆっくり慣らしてやるしかないか。その後は夕飯の時間まで寝た。
「お楽しみはしなかったようだな」
「奴隷紋付けた女とするとテイカに怒られそうでな」
「テイカは大事。泣かしちゃダメ」
テイカは彼女等にとって性の先生なので結構大事にされている。長女と次女には殿付けで呼ばれてるしな。
夕飯も対岸には行かずこっちで食べる事にした。人数が多過ぎるのだ。一番艇に十九人。二番艇には二十人。三番艇には十五人の総勢五十四人の女達、内十四歳以下の子供が八人。この人数で押し掛けると、奥さん連中の作った飯が皆に行き渡らない事になる。
材料はあるので料理が得意と言う女達数人に手伝ってもらい、皆の分の飯を作った。だが焼肉は作れないので今回も茹で肉。そして茹で汁スープ。ソーサーが無いので野菜と肉を増し増しにした。
「あの…、私等の事なんだけど…」
食事も終わり、片付けをする女達の中で、三人の女が今後の身の振りを聞きに来た。
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