658 / 1,519
俺の負け
しおりを挟む「範囲魔法は狭めて使えよ?ガラスが割れたら寒くて寝られんからな」
「うん!行くよ!」
上段構えで飛んで来るハークを右に避けてフルスイング。見え見えなスイングなのでハークは回避していたが、一振りしかしてないのに既に汗だくだ。
「どうした?」
「カケルの事、こんなに怖いと思ったの、初めて…」
どう言う事だろう?
「カケル殿は武器に感情を、いえ、行動に一切の感情がありません。殺意の無い攻撃程怖い物は無いと言う事を坊っちゃまはお知りになったのでしょう」
「まあ、体が真っ二つになっても死んでなきゃ治せるしな」
「あーはーははーん、カケルに傷物にされちゃうよぉー」
あ、泣いた。俺の負けである。小手調べに全力で返した結果、俺の負け。解せぬ。抱き寄せ撫で付けあやし付ける。一緒にお風呂に入らないと許してくれないそうだ。困ったな。
ハーク邸の風呂は浅い。洗い場はある物の、旧王都にあるホテルニュー王都の風呂に近い。浴槽に胡座をかくと腹から上は湯に浸かれない。横になっても潜望鏡だけは外気に晒される事になる。
なんでこんなに浅いのかと言うと、浴室で飲食する為なのだと言うが、多分、それだけじゃないと思う。
腹這いになって出来るだけ全身を温めようとしていると、可愛らしいおちんちんをぷらぷらさせたハークがメイドを率いてやって来た。
「貴族は風呂にメイドを呼ぶのか」
「洗ったり拭いたりするでしょ?」
「自分一人でやってこそ一人前の男と呼べるんだぞ?」
「それより、カケルはなんで首だけ出してるの?」
「全身を温めてるんだよ。俺の使ってる風呂はもっと深いんだ。座って肩が出るくらいな」
「お湯が沢山必要だねそれ」
「魔法や属性魔石が無いと維持出来んな」
「カケル様。お飲み物は如何にしましょう?ハーク様は何時ものでよろしいですね?」
「それで良いよ」「俺は酒じゃなきゃ何でも。おすすめあるかな?」
「でしたら、黒糖水はいかがでしょう?最近この街に出回りだした黒糖なる甘い物を水で溶いて飲めるようにした物です」
「それ、俺が売ってんだ。けど黒糖水なんてのは初めてだな。それでよろしく」
「黒糖?何それ?」
俺の背に乗り質問して来るハークきゅんのおちんちんが当たってんのをメイドがアヘ顔して見てる。「完全に入ってる」入って無いから。
ハークのいつものは搾った果実に砂糖を添加した高級品。俺のは黒糖を水で薄めたの。
「カケルの、茶色いね…」
「黒糖水だからな。お茶とそう変わらん色だ」
「美味しいの?」
「ハークが退いてくれないから飲めないんだ」
背中から降りて、横に陣取るハークはメイドから受け取った高級ドリンクをゴクリと行った。
「やっぱりこれかなー」
俺はと言うと、体を逸らして黒糖水を受け取り、一口…。
少し薄いが飲めなくは無いな。甘味不足のシルケ人なら喜んで飲むだろう。
「ほんの少しだけ塩を入れてみろ。もっと甘く感じるぞ。指で摘んでパラパラってな」
「塩ですか?そう言えば安い塩が出回っているようですが…」
「ああ、それも俺が売り出してる」
「もしかして、焼いた種も?」
「煎りマメな。種って聞くと食べ辛いだろ」
「種?食べるの?」
「食べられる種もあるんだよ。スープに入れても良いし、甘く煮ても良い」
「カケルは凄いね!」
「まあな。所でハークに頼みたいんだが、貴族に買い占めさせないでくれるか?」
「なんでさ?」
「貴族には白糖があるだろ?平民には手が届かないから黒糖を作ったんだ。焼塩や乾燥野菜は品薄で、暖かくなるまで値上げされ続けてるそうだしな」
「そうなの?」
「はい。砂糖は黒糖の四倍程の値段となっております。塩等は値上げ前の値段で売られておりますね」
メイドが集めた情報を聞いて納得のハークきゅん。高級ドリンク一杯の値段で黒糖水が二十杯は飲めるんだぜ?
0
あなたにおすすめの小説
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。
この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。
ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。
少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。
更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。
そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。
少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。
どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。
少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。
冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。
すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く…
果たして、その可能性とは⁉
HOTランキングは、最高は2位でした。
皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°.
でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )
僕に仕えるメイドは世界最強の英雄です1~またクビになったけど、親代わりのメイドが慰めてくれるので悲しくなんてない!!~
あきくん☆ひろくん
ファンタジー
仕事を失い、居場所をなくした青年。
彼に仕えるのは――世界を救った英雄たちだった。
剣も魔法も得意ではない主人公は、
最強のメイドたちに守られながら生きている。
だが彼自身は、
「守られるだけの存在」でいることを良しとしなかった。
自分にできることは何か。
この世界で、どう生きていくべきか。
最強の力を持つ者たちと、
何者でもない一人の青年。
その主従関係は、やがて世界の歪みと過去へと繋がっていく。
本作は、
圧倒的な安心感のある日常パートと、
必要なときには本格的に描かれる戦い、
そして「守られる側の成長」を軸にした
完結済み長編ファンタジーです。
シリーズ作品の一編ですが、本作単体でもお楽しみいただけます。
最後まで安心して、一気読みしていただければ幸いです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる