女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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一日に倍程増えてる

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 リュネに誘われ新居の居間へ連れて来られた。ミーネとリームも居る。二人の対面側のソファーに腰掛けると、リュネが隣にくっ付いた。

「話を聞こうか」

「では私からしよう」

俺の声に応えたのはミーネ。内容はキネイアッセンのあの国の整備が終わった報告だった。
壁の無い集落が幾つか見落とされていたのを何とかしたり、整備不良の場所の整備に、指示内容の改変。そして、帰って来た略奪部隊の粛清を行って、国境と街道に壁を設置したそうだ。

「お疲れ様。本当は俺も居なきゃいけなかったのに、任せっきりにしてすまなかった」

「主様に頼られて、我は嬉しいぞ?」

「私もだ」

「ご褒美くださぁい。んちゅ…」

俺にとってもご褒美である。

「あの国は女の支配する国となった。魔王が復活するまではな」

「魔王が男とは限らないだろ?」

「確かにな。だが復活したら何方にしても敵となる事を覚えておいてくれ」

「女とは敵対したく無いけどな。ミーネが言うならそれもやむ無しか」

「それが懸命だな。少なくとも我や雄程度では殺れん程の相手となるであろう」

リームが怖い事を言う。俺も勝てるか分からんな。仲良くなれれば良いのだが、女子供に悪さするなら容赦は出来んよな。

「明日か、それとも百年後か。必ず復活すると言うのは決定事項だ」

「私は、カケルさん達が守れればそれで良いと思っていました。ですが、守りたいモノが増えちゃいましたからね」

「俺もだよ。龍を守る、なんて驕ってるかも知れないが、俺はリュネ達と出来るだけ長く生きて居たい」

「来世はお互い人として出会いたいものだ」

「その時は、我を番にしてくれ」

「正妻は私ですよ?」

「ゆっくり待つとするよ」


「次は我から」

ミーネは小島と対岸の街の整備や収穫等をしてくれたそうだ。移民や商隊が流入しようとしているのだが、人攫いの可能性の方が高く、街に入れたくないと言う住民の総意で、濠の対岸に居住区が出来ているみたいだ。外周居住区に住み付いた者は、街の入口で食料や水を金で買ったり物々交換をして生活していると言う。

「其奴等に働き口があるのか?金なんて減る一方だろ」

「島に居たタマゲルを数匹放ったら予想以上に増えたのだ。それを狩って、ゲル版の材料として買い取っている」

一日に倍程増えてるらしい。残飯がトカゲだったからだろうか?

「ゲル版への加工は?」

「工場を作って、今は街の中だけで消費している。その内何処かへ売りに行くかも知れんな。そして街の住民は金を報酬として得る事が多くなった」

「貯蓄出来るようになったか。素晴らしいな」

海からの防衛も対策したそうだが、キネイアッセンの国が平定されて、今は唯の景観になっていると言う。そう言えば気付かなかったな。

「今度は私です」

リュネはキネイアッセンの制定と同時にウラシュ島の手伝いもしてたそうで、ウラシュ島の街とジョンの街を繋ぐ直通の転移門を設置したのだと。これで、住民が直接売り買いに行けるようになった。住民の流出が不安だったが、寒いのがダメだそうで流出する事は無かった。逆に流入も暑過ぎるとの理由で無かったようだが、定住は禁じているようだ。

「カケルー、いた~」

赤ちゃんに首ったけだったネーヴェがリュネを掻き分け膝に乗る。

「ネーヴェも、色々と任せてしまって助かったよ」

「ん。お菓子で良い」

イゼッタ達に聞いたか。近い内に、マタル粉で何か作ってやろう。
ネーヴェはキネイアッセンの街や集落に、俺用の部屋を用意したそうな。それはヤリ部屋みたいに時間の進みが遅い部屋だと言う。俺の時間を戻す小部屋もあるそうで、俺だけお爺ちゃんになる事も無さそうだ。撫でてやろう。

「えへ~」

「我も撫でろ」

「皆撫でてやるぞー」

全員を撫で回し、揉み揉みし、チュッチュしてたら昼飯を告げに来た女児に見られてしまった。
賄賂と言う名の撫で回しをくれてやり、揃って食堂へと移動した。
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