女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

文字の大きさ
742 / 1,519

お前、何言ってんだ?

しおりを挟む


 並べられた料理は美味かった。接客態度とスタッフの増員をすればより良くなるだろうな。チェーン店化すればどうか、とも思う。

「ふ~、食った食った。この後はどうする?愛しのハーク様にでも顔出し行くか?」

「学業の邪魔になるだろ。後、愛しのっては同性には使わない」

「ならんならん。一度顔出しさせられたが、殆ど自己学習だぞアソコ」

「ジョンくんの顔パスで入れるなら行っても良いが、ダメなら帰るぞ」

「なら決まりだな」

「夕飯までには街に帰るからな」


 ジョンに連れられ、美味しい匂いのする方へ付いてくと、高い壁に囲まれた如何にも金持ち学校な門に着いた。門は閉まって衛兵立ってる。

「クリューエルシュタルト冒険者ギルドマスターのジョンだ。用は無いが遊びに来た」

「は?確かにジョン様ですが、遊びに?」

衛兵も、ジョンの顔は知ってるようだが遊びに来たと聞いて頭に?が浮かんでる。

「狩りの序に寄ったら婆ちゃんに顔出せって言われてな」

嘘乙。だが婆ちゃんの言葉と聞いて衛兵も納得しちゃったようだ。マッチョな俺をもスルーして中に入れちゃう笊警備であった。

「あんな警備で大丈夫か?」

「俺だから入れたんだ。お前一人じゃこうはならんぞ?」

「俺は忍び込めるし…」「忍び込むな」

石畳の道を少し歩いて学舎と思しき建物に辿り着く。魔法学校の映画とかで見た、ファンタジックな学校だな。趣きがあってとても見栄えがする。

「ほう、これは…。ゲル版に何か…、破壊耐性でしょうか、付与が掛けられていますね。魔法を扱う学校ならではの特徴を感じます。そして落ち着いた色調の壁からは圧倒的な重厚感。細かく彫り込まれた草木の紋様は重くなり過ぎる重厚感を優しく包み込むかの様に配置され、造り手の意識の高さが見て取れます」

「お前、何言ってんだ?唯の学校だろ」

「外観だけでそこまでお褒め頂くとは、中々に博識なお方のようですな。それを唯の学校とは…ジョン様…」

感動を言葉に乗せていると、中からローブのおじさんが出て来た。ジョンを睨め付け何時でも説教出来そうだ。

「久しぶりだな。此奴はカケルだ」

「魔力だけは馬鹿みたいに多い冒険者カケルだ」

「大きく出たが、さっきよりマシか」

「確かに、抑えておりますね。漏れてますが」

「これでも精一杯なんだ。気を抜くと人が死ぬ程度に出てしまう」

「嘘付け」

「マジだって。結界張ってもらわんと赤ちゃんとかヤバいんだよ」

「お前、子供居たのか…」

「ささ、カケル殿。こんな所で立ち話は無粋と言う物。中をご覧になってくださいな」

ジョンは無視らしい。この学園の校長だと言うプェルメーリさんの後に続き、建屋の施行法や材料、掛けられている付与の説明を聞いて教室や訓練所を見て回った。

「拘り抜いて造られているのは門扉から見ておりましたが此処まで付与を掛けておられるとは想像を遥かに超えて言葉に出来ません」

「喋ってんじゃねーか」

「カケル殿は良い目をお持ちで。何処かで修練なされたとか?」

「これはスキルの副反応でして、修練等とは。唯、建物は好きで、良い物はつい見てしまいます」

「良い嗜好をお持ちですな」

校長はホクホク顔だ。そんな感じで回って居ると、当然生徒らしき子供や教員っぽい大人に見られる訳で、大人達は校長に気に入られてる俺に、子供達はAランクでギルマスのジョンに目が行ってる。ヒソヒソざわざわ、ジョン様ジョン様。偶に誰アイツ。そんな中…。

「カーケーーール?」「カケル様ぁーーーーーっ!」

二人が飛んで来て、内一人が突進した。ダメージは無い。

「お会いしとーございましたーー!」

顔をスリスリ、マーキングするのはアルアである。撫で撫でしたいが此処は我慢だ。そして途中で止まったのはハーク。マッチョな俺を訝しんでる。

「カケルなの?」

「お兄様は馬鹿ですか?」

誰何する天才兄を、天才妹が馬鹿にする。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

暗殺者から始まる異世界満喫生活

暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。 流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。 しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。 同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。 ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。 新たな生活は異世界を満喫したい。

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・

Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・ 転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。 そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。 <script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>

【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら

七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中! ※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります! 気付いたら異世界に転生していた主人公。 赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。 「ポーションが不味すぎる」 必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」 と考え、試行錯誤をしていく…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...