女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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推定Cカップ

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 ギルドの前には先程のマッチョと美女達、そしてジョンも待っていた。その横には沢山の荷物。

「お待たせー。その荷物は?」

「飯と予備の武器と…、何だっけ」

「以上です」「だ、そうだ」

「そうか。じゃあ行くか」

荷物を《収納》して荷車を出す。だいぶ使い込んでいるとは言え、ジョンが跳ぶより速いからな。

「おい!それは何だ!?」「何よそれ!」

荷物を《収納》して荷車を出しただけなんだが、冒険者は驚くのが好きな奴が多いのだな。傍から見てる住民達の方が冷静なくらいだ。まあ、その三割程は抜きつ挿されつした顔見知りなんだが。

「《収納》スキルだ。便利だろー」

「カケルー、行くぞー」

ジョンはもう荷車に乗って準備万端だ。

「ゾーイも着けずにどうやって動かすんだ?お前が曳くのか?」

間違っては無いな。俺も乗り込み空に上がる。

「「「飛んだっ!」」」

「ルウェイン!お前等も急げよー!」

「んなモンあるなら俺達も乗せて行けーっ!」

…正論である。


「ジョン殿がお前を当てにした理由が分かった気がする…」

 マッチョ三人美女三人、そして俺とジョンを乗せた荷車が空に上がり、目的地へと飛ぶ。狭い。下を見る事が出来無いルウェインが、しみじみとしながら呟いた。

「移動するのに最適な人材って訳ね」

「お前等なぁ…」

「まあ良いさ」

美女の言葉にジョンが呆れて口を開くが、俺はそれを手で制す。人は実力を計れない生き物だし、俺自身スキルが無きゃそこらのオッサンと変わらんからな。

「否…、良くは、無い…」

ずっと黙ってた美女の一人がボソボソと口を開く。ローブを羽織って全体は分からんが、青っぽい髪の美女だ。推定Cカップ。

「お前、何だ…?そ…その、魔力、は…」

喋るのが苦手なのか、途切れ途切れな話し方で俺を指差す。失礼な奴っちゃ。

「カケルだ。お前は魔法職なんだな」

「ウィキス、だ。…回復を、使う…」

回復魔法の使い手と言うウィキスに目を凝らすと、明るい緑の魔力が薄らと見える。

「風に光、か」

「なっ!何で!?」

「お前さんが見えるなら俺にだって見えても良いだろ」

「お前の属性は…分から、ない」

「俺の魔力はちょっと特殊でな。使えるのは光と水と土だよ」

「光も水も土も、混ざったってそんな色してないっ。そ、それに何だ!?三属性?きっ、貴族でもっしょんなっ!」

あ、噛んだ。

「ほれ、落ち着け」

煉瓦で作ったコップに水を注いでくれてやる。光は危険なので使わない。

「さっきのイゼッタは元貴族だが、風水光の三属性使えるぞ?それに妻の一人は火風水光の四属性だ。すげーだろ」

「何故置いて来たんだ。戦いは数だぞ?」

「強制依頼を受けられるランクじゃねーもん。それに、俺達で足りるしな」

と言うのは建前で、カロが迷子になってしまうからと言うのが正直な所だ。

「随分余裕ね」

「それがカケルだ。見たら分かるさ」

ジョンが手を伸ばし、俺に水を集る。仕方無いのぅ。ジョロジョロロ…。

「そうだ。聞いて無かったんだが、大移動の原因って、何だ?」

「い、色々…。強い、敵に…追われて、とか。瘴気が…濃く、なったり、とか…」

ウィキスが説明してくれる。今回の原因については後者であると予想しているようだ。濃い瘴気の中で産まれた強い奴が群を率いて移動したと見ているみたい。

「確か東の国の魔物は結構強いんだったよな」

「ああ、強い。元の名前が忘れられて、魔の森と呼ばれるくらいにはな」

「カケルはその口振りだと行った事あんのか?」

「戦っては無いけどな」

「デルトーラスの森よ。デルトーラスは貴族の名前ね」

「デルトーラスの森から魔物が出る、とー…」

「「「「「「「…………」」」」」」」

なんか喋れよ。静かになるなよ。

「…速度を上げるぞ」

荷車に《結界》を張って、逃げるように飛んで行く。《逃げる》使ってるので逃げてはいるのだが。
無言のままに暫く飛んで、《感知》範囲に敵の反応が現れだした。
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