女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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報告は真面目にする物だ

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「貴様もギルドの長だろう。礼節を弁えんと長生き出来んぞ?」

「分かってるさ。長生き出来た報告に来た」

 フルプレートに羽織を着けて、多分軍人のお偉方だろう。男がジョンを窘めるが、あまり分かってない返答をする馬鹿。

「で、後ろの者共は何者だ?部外者が立ち入れる程暇では無いのだが」

まあ、そうだろうな。此奴等まだ大移動が無くなった事を知らないんだし。否、ジョンが思わせ振りな事言ってるよな?聞いてないのか信じてないのか…。

「大移動は全て討伐した。急いでいたので連れて来ただけだ」

「その割には貴様、生きているではないか」

「生きてるから報告出来るんだ」

「我々は真面目な話をしているつもりだ。場を乱すつもりなら帰って地下にでも隠れているんだな」

眉間に皺寄せ、それでも冷静を保つこの男は人間出来てるな。

「ジョンよ、報告は真面目にする物だ。何時何処で何がどうした。短く纏めて話してみろ」

多分だが、ジョンは嬉しいのだろう。けどそれで報告に時間を掛けては愚の骨頂だ。相手が真面目な性格なら尚更だ。

「わーった。分かったから威圧を当てんなっ」

ジョンが真面目に先程の光景を説明すると、ある者は驚き、またある者は訝しげな目を向ける。凡そ信じられるような内容でも無し、信じられないのは仕方の無い事だろう。

「補足する。空に上げた獲物は何時でも降ろせるぞ。剥ぎ取りするなら早い方が良いと思うが」

「…貴様が魔物の群を一網打尽にした男か」

「カケルだ。レッサードラゴンなら一人で狩れる程度の力はあるぞ」

「口だけなら好きなだけ言える」

「国王に献上と言う名の徴収を受けたが?知らんか?」

「不敬であるぞ」

「元々はハーク様ご兄妹に食べてもらおうと持って来ただけなのを、取り巻き貴族の口車に乗せられて全て奪いやがったのだ。ハーク様は欠片しか口に入れられなかったと仰った。アルア様に至っては口にもされておらん。何方に非があるのか」

「カケル、それまでにしとけ、な?」

一触即発。傍からはそう見える事だろう。剣のグリップに手を掛けるフルプレート達は今にも斬りかかって来そうにも見える。だが実際は《威圧》に纏われ身動き取れ無い状態だ。

「ブルランさんにも劣る奴等に、俺を斬る事等出来んよ。で?獲物を降ろすのか?どうなんだ雑兵」

「ぞ、雑兵…だと…」「この…冒険者、風情が…っ」

「くっ、これでも強く、なったと思っていたが…。その名を出されては、雑兵呼ばわりも致し方無し…」

「剣を帯びて無くてもだいぶ強いからな」

「…そうだな」

腕の力が緩んだので、纏わせた《威圧》を解いてやる。

「ふう…。聞かなかった事にしておこう」

「「団長殿!」」

「我々は報告のみを聞いた。そうだな?」

団長殿の一睨みで取り巻きが静かになる。物事を早く終えるに、瑣末事を飲み込むスキルは大人にとって必要なスキルだ。

「獲物に関してはもう少し協議を重ねる必要がある。本日はこの地に滞在し、明日また来るが良い。それ迄には話を纏めておこう」


 ギルドから移動して酒場。テーブルを寄せて八人分の席を作ると、取り敢えずエールとなる。俺の隣にはマッチョとジョン。解せぬ。

「さあ、酒も並んだ。話せ。どうやってドラゴンを殺った?」「「さあさあ」」

そう言うのは乾杯して、ある程度飲んで食って、それからだろ?だが少年の心に還ってしまったマッチョボーイ共は目をキラキラさせてしまった。仕方無く、エールをチビりと含んで話し始める。

「あの豪傑に認められるとはな。ライガーを素手で屠られたのも凄いが、流石にドラゴンは無理だろうな」

「俺はまだ見た事が無いぞ。出会したくも無いがな」

「ああ、我々は運が良い」

マッチョボーイズは見た目に反して堅実な冒険者らしく、俺もやりたいとは言わなかった。そんな事言うのはジョンくらいの物だろう。











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