女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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交尾の事だよ

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「どうした?」

「ん…、さっきは泡食っちまって、ごめん」

 キキラは顔を正面に向けながら呟いた。

「熱願冷諦」

「ねつが?」

「心は熱く、頭は冷静にってな」

学生の頃指導者の大人によく言われた言葉だ。誰かの母親が中心になって、皆でTシャツとか作ってたっけな。俺着るの嫌だったんだけど、買って着ないと仲間外れにされるとかで無理矢理着させられていた記憶がある。

「カケルさん、敵です!」

「あ、敵コケた」

「デカい丸いの来たぁあっ!!」

「…コレ見てると冷静になれそうな気がするよ」

ゴーレムを壊しながら突っ込んで来る岩の玉を《収納》し、敵を探して先へと進む。何度か同じ目に遭って皆慣れたのか、あまり驚かなくなった。

「此処はフィールドなんですね」

「此処をキャンプ地にして往復しながらドロップを稼ぐ予定だ。水の中は敵が居るからな?」

「「あーい」」「「はーい」」

「それと…」

「カケル様?誰ですその雌共は?」

「あ…あが…」「うわっ、キッツ」「ぅぐうううっ」「……」

「俺の大事な妾だよ。虐めないでやってくれないか?」

「…そう言うのなら…」

《威圧》を解いたプリキオーネに、ぶっ倒れる女達。アズなんて気絶してるし。

「か、カケルさん、その人…もしかして…」

「こんな圧、リュネ様達以来だぜ…」

「あら、ちゃんと敬称を付けられるのね」

「紹介しよう。このダンジョンに住んでるドラゴンのプリキオーネだ。様を付けろよ?」

「うっ!うう…」「あ、アズ起きた」

「死…死んだかと思ったわ…」

「龍の《威圧》を食らって生きてるんだ。誇って良いぞ」

「り、龍の方、でしたか…。アズと、申します」

「あたいシトン」

「オレ、ワーリンだ」

「キキラ、です」

「プリキオーネよ。貴女達はまだ此処には来ない方が良いわね」

「「「「絶対無理!」」」です!」

「ダンジョンを経験させたくて、俺の仕事を手伝ってもらう序に連れて来たんだ。この子等だけじゃトカゲの巣の手前迄しか来れないよ。今日から少しだけ住まわせてもらうね」

「お礼は何にしようかしら…」

「リュネが見てるからエッチなのは無しな?」

「え?見て!?お礼は結構よ?さっき言ったのは冗談だからっ。好きなだけ居ると良いわ、ほほ、おほほ…」

「カケルさん、もしかしてその方ともセックスしたの?」

「してない訳無いじゃん?カケルさんだぞ?」

「戦った?」「組み伏せた?」

「体に穴開けられたけど戦って無いし、リュネ達に怒られるからエッチもしてないぞ?」

「はは、まさか」「そんな人、居るのね…龍だけど」

「オレ等直ぐヤられてたな」「だな」

「カケル様?せっくすとかえっちって、何ですの?」

行為は知ってても名前は知らない、か。

「交尾の事だよ」

「…成程。私は出来ませんわね。リュネ様達に殺されてしまいますわ」

「俺も只では済まないだろうな」

正座で説教三オコンは見なくてはならんだろう。その後滅茶苦茶セックスする事になる。

「済まないがプリキオーネは見るだけで我慢してくれ」

「人の子の交尾等、見た所で何とも思いませんよ」

種族が違うしそりゃあそうだよな。

 時間は午後を過ぎてるみたいだし、これから一往復したら夜になりそうなので野営の支度をしてしまおう。

「皆、家作るから《結界》の際迄避けてくれ。くれぐれも外には出るなよ?」

「「はーい」」「おうっ」「あいよ」

女達が端に避けると、地面を柔らか煉瓦を敷いてスパッと切り、平行を出す。煉瓦を固めたら壁を立て、威圧工法で屋根を乗せたらツーバイフォーが出来上がる。ドアを切り出し、蝶番は面倒なので引き戸にしよう。窓も要らないや。光の棒を壁に突き刺し明かりを確保したらマットを敷いたりテーブルを作って完成だ。

「旦那、風呂は無いのかい?」

「忘れてたな。誰も来ないし外に作ろうか」

「私は居るわよ?」

「一緒に入ろうか。湯に浸かるってしないだろ?」

「入る必要ありませんもの」

風呂用に土台を作り、雑木を練って浴槽を作る。後は桶に、脱衣場の籠とタオルをこさえて露天風呂が完成した。早速湯を張ろう。

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