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スムージー
しおりを挟む食品や雑貨の店が軒を連ねる大通りは、街と外を隔てる第一の壁のある外環にあり、門を挟んでギルドの反対側からぐるりと六割程が食品や雑貨、残り三割が飲食店であるそうだ。武器等を売るだけの店舗もあると言う。外周ぐるっと店があるので露店街のような店は少なく、大通りの中にポツポツとある開けたスペースに、ファストフードの屋台があるって程度な感じだ。主に串焼き、焼いた野菜もある。
「あの焼いた野菜は何だ?」
「レッグルートですね。食べられる根っこです」
「根菜か。食べながら帰ろう」
屋台でレッグルートの焼いたのを買う。鉄板で焼いたのを串に突き刺して売るのか。炒め料理の広まっていないシルケでは、あまり見ない調理スタイルだ。数本買って一口。
「ほんもりあまふてうまい」
「美味しい事だけは分かりましたが、はしたないですよ?」
品種改良されて無かった頃の薩摩芋を思わせる甘さに、サクサク感は生の山芋のようだが、中も熱々なのでこれで火が通ってるって事なのだろう。外はカリッと、中はジューシー。暖かい水分は寒い地方には受けが良さそうだ。磨り潰してスムージーも良いかもな。スムージー、飲んだ事無いけど。
「良いなこれ、お土産にしよう」
「はぁ」
外環通りを練り歩き、土産物を買い漁る。さっき食ったレッグルートの苗も種苗店で買えた。暖かい沼地に植えるんだって。蓮根みたいだな。他にも食料品店で買った野菜の種等も小袋で購入。ご当地柄の布地やアクセサリーも沢山買った。
「奥様達が喜びますね。そろそろ帰りませんと…」
「飲み屋が多くなって来たしだいぶ歩いたもんな。あっちの門から外出るか」
外に出る者等に混ざって門を潜り、外の景色を少し見て空に上がった。
「急に飛び上がると皆がびっくりするわよ?」
「元々UFOに乗って来たんだ。驚くのは筋違いだろ」
俺達を監視していた平民の成り済まし共が驚いて集まって来るが、UFO乗っちゃえば気にならない。焼き芋モドキを食いながらカケラントへ戻るのであった。
「カケル様は王なのだから、出来るだけ顔を出して欲しいわ」
「他の街にも寄りたかったし、また来るよ」
小さな集落だとか、各都市は行けて無いからな。しっかり種付けしなければ。
「カーケルーっ!」
城の皆に別れを告げて《転移》で島に帰るとカラクレナイに飛び付かれた。腹部にダメージを負って芋モドキが出ちゃいそう。回復回復…。
「た、只今。どうした慌てて」
「カケル、けがないの?」
毛はあるぜ?…って、そう言う事では無いよな。
「話し合いで解決したから大丈夫だよ。お土産あるから降りような」
「うんっ!」
出迎え二着のテイカに、土産があるからと皆を食堂に呼んでもらって食堂へ。食卓には乗り切らないので向かい合うテーブルに板を渡してスペースを広げ、食料品や雑貨等を並べて行った。
「「カケル、おかえり」」
ハモったようで少し違う二人を筆頭に、ゾロゾロと女達が集まって来た。先着順に個人用のお土産を渡してく。髪飾りやネックレス。大したモノでは無いけれど、笑顔で貰われてくれたよ。そして今はテーブルに並べた野菜等を主婦の目で吟味されている。
キュルキュルキュルキュル…。
「ネーヴェ、作ったのか」
聞き慣れぬ音を発して食堂へと入って来る物を見て、俺はネーヴェに問い質す。
「戦いには使わない。ほかのに使う」
俺が作った戦車の雛形は玄関先に起きっ放しになってたが、アレを見て新たに作ったようだ。四足キャタはそのままに、取り払われた砲台の代わりにバジャイが丸まって寝てた。恐竜乗せた戦車と掃除機に乗る猫を足して割った見た目。
「バジャイのベッドか?」
「動けない人の子、乗せる」
「自動車椅子か。成程」
「いす付ける…なるほろ」
「坂を登る時は前後の足を上下して、乗り場を平行に近付けると良いぞ」
「わかった」
平和利用されるようで何よりだ。
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