女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ショリショリ

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 翌日は朝食を食べた後、赤ちゃんのお世話組、施設整備組、一般生活組とグループ分けをして活動する。イゼッタ、サミイ、リア、メイド四人はお世話組、リュネ、ミーネ、カラクレナイ、テイカは施設整備組、リーム、ネーヴェ、俺は一般生活組で、ラビアン達は均等になるよう分かれた。
施設整備組は食休みのお茶を飲んだ後、リュネに《転移》されてったが、お世話組と一般生活組は何時もの生活と差程変わらない。違うのは俺とリーム、おまけにネーヴェだ。
食堂の椅子とテーブルを片付けて、リームにトカゲの脚と化したレッグルートを出してもらう。《洗浄》して床に降ろすと本当にデカい。太っとい茎から芋モドキを外す為、厨房から持って来た包丁で斬り付ける。ゴロりと床に転がるレッグルートに少しホッとする。

「包丁で切れるならまだ食えそうな気がするな」

「カケル、カリカリ焼いて」

「まだ一本しか取れてないからな。美味しいの作ってやるからもう少し待ってなされ」

「ん~」

ネーヴェはカリカリがお好みのようだ。黒糖を使ってない菓子の中では甘い部類に入るからな。
茎を切り離し、くの字部分を切って真っ直ぐにしたら皮を剥くのだが、こりゃあ大変だ。なんせデカいし多いのだ。大型のピーラーが欲しい。
蝶番の材料だった薄い鉄板の残りがあるのを思い出し、加工して治具を作る。ネーヴェははよせいとジト目を向けるが干し肉を供えると其方に集中した。
長細い長方形に切り出した鉄板を丸棒に当てて丸みを付けると、丸みの真ん中をスリットになるように削り取る。それに雑木の取手を付ければI型ピーラーの出来上がりだ。ショリショリ言って皮が剥ける。良き良き。

「便利な物だな。皆はナイフでやっていたが」

「刃物ではあるんだよ。野菜の皮剥きに特化した形ってだけでね」

「我もやろう」

もう一本作って二人でショリショリ。取り敢えず脚一本分、二つの皮を剥いた所で調理と行こう。

「私達も手伝いますよ?」

洗濯機のおかげで時間的余裕が出来たラビアン達が手伝いに名乗りを上げる。俺の手は二つしか無いから助かるぜ。

 厨房へ向かい、あまり使わなくなった小さい鍋を用意する。鍋を火に掛け適量のレッグルートを切り取ると《散開》でペースト状にして注ぎ、掻き混ぜてもらう。放っとくと焦げちゃうからね。

「あの、火加減はこれで良いのですか?」

「昨日も言ったがゆっくり火を通してくれ」

次は金鍔とカリカリ。皆は金鍔の事を四角いのと呼ぶが、別に四角く無くても良いんだぞ?作り易いから四角くしてるが。
切り出したレッグルートを前回と同じく《収納》で薄切りにしながら四角く残し、薄切りと角切りに切り分ける。

「カケルー。はよ~」

もう干し肉食べちゃったか。だがもう少し待ってもらおう。今回ははゆっくり火を通すのと、これ自体が食えるかの試験なのだ。
鉄板を温めて、薄切りを挟み焼きする。角切りは片面ずつ。勿論何方も弱火だ。焼き加減を見てもらう間にもう一品。

「油はあるよな?」

「はいです。今持って来ますね」

シルケの油はねっとりしてて、鉄板や車軸に塗るには丁度良いのだが、食べるのに使うにはちと怖いんだよな。今迄食べて来てお腹壊した事無いから問題無いのだろうけど。
ニトが持って来た油を鍋に注いで火に掛ける。温度計が欲しいが、無いので水を付けた棒を油に差し入れ何となく天ぷら屋さんの気持ちになる。
大学芋って、確か二度揚げだったよな?トンカツも二度揚げだし、今回はそれでやってみるか。何方も作った事無いけど。

 棒から泡が出るのを見て、取り敢えず掻き混ぜてから芋モドキを入れてみる。一気に入れると油温が下がるんだよな?少しずつ入れる。

「撥ねると火傷するから近付かないようにな?」

「「「はーい」」」

切り立てで水分の多いレッグルートがショワショワと泡を立てて踊る。偶に掻き混ぜる。ネーヴェの視線が痛い。きな粉豆乳を供える。黒蜜寄越せと言われて添加する。油を掻き混ぜる…。
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