女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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最初の一回は仲良く

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 入浴施設の初日が終わり、翌日。今日も施設の前には人集りが出来ていた。昨日居た顔は見えないが、シルケ人は風呂に毎日入る習慣が無いのでそれもやむ無しである。街の住民より農民や冒険者の方が入るまであるからな。
けどその考えは違っていたようだ。

「組合でさ、順番をっ決めたのさっ」

「押し寄せたらあ、収まりがっ、付かないからって、ねっ」

「冒険者はともか、く。んっ、アタシ等は従ってるっよおおっおぁあっ」

組合員が押し寄せると俺の取り合いになるから、最初の一回は仲良く頂きましょうって事らしい。後はお財布と相談だそうで、明日迄はこの調子で安定した人数に来てもらえるようだ。働き手達も慣れて無いから、このくらいの数で慣れて行ければやり易かろう。

腰を振り、アイツを蠕動させながら、注文や苦情も聞く。洗濯機が足りてないとか、酒が欲しいとか。酒は夜に飲むモンだって事で断ったが、洗濯機は増やしても良いだろうな。そして営業時間の延長希望。これは朝食の片付けを終えた後と、食料の買い出しの時間。即ち主婦が外に出られる時間を営業時間にしてるので延長は難しい。三十リットで十オコン経つので、働き手の負担にもなるからな。だが店屋やギルド等、商売している者にとってはその時間も出られない訳で、出来れば夜もとお願いされた。確かに納得出来る提案なので、後で話し合いを持たねばならんだろう。

「…と、このようになりました」

午前の部が終わり、シャリーから売上等の報告を聞いて、あの提案が出てるのかを確認する。

「夜の部を設けて欲しいって注文?提案は聞いてるか?」

「ええ、昨日もありましたが何分初日でしたので直ぐには出来兼ねると返しました」

「そうだな。だが今のままでは昼間の商売の者が来店出来んのも事実だ。何とかしてやりたい」

「食事の提供で拘束時間が伸びるとローテーションが崩れてしまいます」

「夜はセルフサービスにするか?」

「せる、ふ?」

「ビュッフェスタイルなら分かるか?立食形式」

「ああ、それなら」

「多めには出さず、無くなったらそれまでか、俺が追加を出す事にすれば、作り置きを増やしてテーブルに用意しておくだけで済むだろう」

「それではアンミツ等此方で盛って提供する物が出せなくなりますね」

「夜の部用のメニューを作らんとなー。自分で好きなだけ盛って食べられる食事と飲み物」

「温かい物が出せなくなりませんか?」

温め過ぎると煮詰まってしまうと言う。確かに、十オコンも温めてたら煮物になるよな。飲み物も常温になってしまう事だろう。

「火加減の番をする者を一人か二人付けて、時折見てもらうのはどうだ?」

「皆さんと掛け合ってみます」

「鍋の番はエッチしながらでも出来るって言ってやれ。それと、専用の容器を作らなきゃな…」

「あの寸胴では大き過ぎますしね」

 島に帰り、昼食を終えると二階に上がって作業に取り掛かる。テーブルの上に置ける保温容器を作るのだ。実際に使ってるテーブルを用意し、実際に作業するラビアン達にも来てもらった。

先ずは大きさを掴む為、雑木で四角い容器を深さを変えて幾つか作る。大きさだけ合わせて適当に作ったが、テーブルに五つ並べて二十ドン程余裕のある作りとなった。

「縦横はこれで良いかと」

「一番薄いのは食べ物を盛れませんね」

「お皿とか置くのに使えるのです」

「この深い物は…汁物でしょうかねー」

「飲み物でも良さそう」

「「蓋が欲しいです」」「「「あ~」」」

姦しい。直ぐにアイツにしゃぶり付くかと思っていたが、割と真面目に議論してくれた。とっとと終わらせて楽しもうって魂胆だな?その心意気や良し。

大中小の三種類と薄いのを使う事になったので仕上げて行こうか。先ずは三種類の木製容器を《散開》でスカスカにした後ガッチリと表面を固めた。この中に金属の容器を収めれば保温性を増す保温器となる。薄いのはこのまま木製で良いそうだ。




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