女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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帰れない

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 二人を浮かせて飛んでくと、召喚を終えた敵が佇んでいた。

「なんだ、ゴーレムか」

「わたし等だと絶望する大きさだけどね」

「ゴーレムは大きさじゃ無いんだ」

二人をその場に停滞させて、一人敵の元へと降りて行く。ゴリゴリと関節を鳴らして反応するが、これじゃ亀より遅いぞ。《感知》で見て、探し出した核の周りを《散開》させたら、ソイツを引っこ抜いて終わりだ。
少年隊に詰まらないと言わしめる戦闘に因り、ボロボロと崩れ落ちるゴーレムがやがて煙に変わると、そこには一つの箱。

「景色、変わらないわね」

「此処で終わりだな。先に行くのはお勧め出来ん」

「そうね」

箱を回収して扉のあった場所へと向かうが、やはり何も無い。

「これは、面倒だな…」

「帰れないから?」

「帰れはするが…、ボスがまだ居る可能性もあるし……下に降りなきゃダメな気もする」

「戻れないなんて無い筈だもんね」

二人を浮かせて移動するのは速度が出ない。UFOを取り出し乗り込ませる。

「どんだけデカいのよ、あんたのマジックボックス」

「さあな。トイレしか無いが寛いでてくれ」

UFOに《結界》を張り、《感知》しながら前進する。先ずは端を探したい。端があるなら部屋なのだ。何処かに出口がある筈だ。
《結界》が壁に触れたら止まるように指示を出し、俺は前に集中する。…UFOの速さで一オコン。漸く止まった頃には寛ぐ二人が寝こけてた。なんつー空間だ。《結界》を擦りながら時計回りに飛んで行き、多分出口と、多分入口を見付けられた。

「扉があったぞ。起きれ」

「…はい」

「っ!寝ちゃったの!?」

「ぐっすりとな」

「変な事してないわよね!?」

「してたらとっくに俺の虜だ」

股に力を込める女をスルーし、外に出る。

「仕舞うから早よ降りろ」

二人を降ろし、UFOを仕舞って扉を開ける…。ボス部屋前で安堵の息が漏れた。

「ねえ、此処って下に降りれそう?」

「降りる事は出来るが、止めておいた方が良いだろうな。行きで七日、帰りで十四日は掛かると思う。…寝る間も無く走ってな」

「食糧が尽きるわね」

「それに、ずっと昼間だった」

奥の壁迄一オコン、そこから右の壁迄一オコン、更に右折し二オコンで、入口の扉迄一オコン経っているのだ。多少の誤差はあれど五オコンもすれば日も翳る事だろう。しかしそれが無かった。

「お前等はたっぷり寝ただろうが俺は一睡もして無いからな。此処で一泊するぞ」

「分かってるわよ。飯風呂寝る、でしょ?」

風呂、トイレ、炊事場に寝床。薄い煉瓦でパパッと作り、風呂の湯を沸かして飯を作る。眠いのは活動時間を体が覚えているのだろう。風呂を諦めてでも飯だけは食わなければ。

「ソーサー焼くわ。それと肉も」

女が焼き物を手伝ってくれた。やっと自分で働く気になったか。急いで作った少し薄味のスープで肉巻きソーサーを流し込み、急いで風呂に浸かった。規則正しい生活も、し過ぎると体に悪い…。

「起きた?」

 気付くと女の子に両肩を押さえられていた。

「…風呂か、此処」

「中々上がって来ないと思って来てみたら溺れ掛けてたんだから」

「…で、何で一緒に入ってんだ?」

「起きる前に上がろうと思ったのよ。上がるから目を閉じなさいっ」

目を閉じたらまた寝ちゃいそうだ。

「先に上がる。目ぇ閉じてれ…」

サバーッと浮かんで湯を上がり、《洗浄》で体を乾かすと、装備を着込んで個室に帰る。鎧のまま寝るのも慣れたぜ…zzz


「お、起きなさいよ。食事、温めてあるから」

 目覚めると女が食事の支度をしてくれていたようだ。そう言えば、鍋とか片付けて無かったな。温め直したスープと焼き物を胃に納め、トイレを済ませて部屋を片付ける。気合いを入れて帰るぞっ。

日付が変わっているようで、帰りもしっかり敵が湧き、罠も復活していたが、帰りは調査の必要は無いので階段迄一直線に進む。そして二十階へ続く上り階段にやって来た。








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