1,115 / 1,519
帰れない
しおりを挟む二人を浮かせて飛んでくと、召喚を終えた敵が佇んでいた。
「なんだ、ゴーレムか」
「わたし等だと絶望する大きさだけどね」
「ゴーレムは大きさじゃ無いんだ」
二人をその場に停滞させて、一人敵の元へと降りて行く。ゴリゴリと関節を鳴らして反応するが、これじゃ亀より遅いぞ。《感知》で見て、探し出した核の周りを《散開》させたら、ソイツを引っこ抜いて終わりだ。
少年隊に詰まらないと言わしめる戦闘に因り、ボロボロと崩れ落ちるゴーレムがやがて煙に変わると、そこには一つの箱。
「景色、変わらないわね」
「此処で終わりだな。先に行くのはお勧め出来ん」
「そうね」
箱を回収して扉のあった場所へと向かうが、やはり何も無い。
「これは、面倒だな…」
「帰れないから?」
「帰れはするが…、ボスがまだ居る可能性もあるし……下に降りなきゃダメな気もする」
「戻れないなんて無い筈だもんね」
二人を浮かせて移動するのは速度が出ない。UFOを取り出し乗り込ませる。
「どんだけデカいのよ、あんたのマジックボックス」
「さあな。トイレしか無いが寛いでてくれ」
UFOに《結界》を張り、《感知》しながら前進する。先ずは端を探したい。端があるなら部屋なのだ。何処かに出口がある筈だ。
《結界》が壁に触れたら止まるように指示を出し、俺は前に集中する。…UFOの速さで一オコン。漸く止まった頃には寛ぐ二人が寝こけてた。なんつー空間だ。《結界》を擦りながら時計回りに飛んで行き、多分出口と、多分入口を見付けられた。
「扉があったぞ。起きれ」
「…はい」
「っ!寝ちゃったの!?」
「ぐっすりとな」
「変な事してないわよね!?」
「してたらとっくに俺の虜だ」
股に力を込める女をスルーし、外に出る。
「仕舞うから早よ降りろ」
二人を降ろし、UFOを仕舞って扉を開ける…。ボス部屋前で安堵の息が漏れた。
「ねえ、此処って下に降りれそう?」
「降りる事は出来るが、止めておいた方が良いだろうな。行きで七日、帰りで十四日は掛かると思う。…寝る間も無く走ってな」
「食糧が尽きるわね」
「それに、ずっと昼間だった」
奥の壁迄一オコン、そこから右の壁迄一オコン、更に右折し二オコンで、入口の扉迄一オコン経っているのだ。多少の誤差はあれど五オコンもすれば日も翳る事だろう。しかしそれが無かった。
「お前等はたっぷり寝ただろうが俺は一睡もして無いからな。此処で一泊するぞ」
「分かってるわよ。飯風呂寝る、でしょ?」
風呂、トイレ、炊事場に寝床。薄い煉瓦でパパッと作り、風呂の湯を沸かして飯を作る。眠いのは活動時間を体が覚えているのだろう。風呂を諦めてでも飯だけは食わなければ。
「ソーサー焼くわ。それと肉も」
女が焼き物を手伝ってくれた。やっと自分で働く気になったか。急いで作った少し薄味のスープで肉巻きソーサーを流し込み、急いで風呂に浸かった。規則正しい生活も、し過ぎると体に悪い…。
「起きた?」
気付くと女の子に両肩を押さえられていた。
「…風呂か、此処」
「中々上がって来ないと思って来てみたら溺れ掛けてたんだから」
「…で、何で一緒に入ってんだ?」
「起きる前に上がろうと思ったのよ。上がるから目を閉じなさいっ」
目を閉じたらまた寝ちゃいそうだ。
「先に上がる。目ぇ閉じてれ…」
サバーッと浮かんで湯を上がり、《洗浄》で体を乾かすと、装備を着込んで個室に帰る。鎧のまま寝るのも慣れたぜ…zzz
「お、起きなさいよ。食事、温めてあるから」
目覚めると女が食事の支度をしてくれていたようだ。そう言えば、鍋とか片付けて無かったな。温め直したスープと焼き物を胃に納め、トイレを済ませて部屋を片付ける。気合いを入れて帰るぞっ。
日付が変わっているようで、帰りもしっかり敵が湧き、罠も復活していたが、帰りは調査の必要は無いので階段迄一直線に進む。そして二十階へ続く上り階段にやって来た。
0
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる