女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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虱潰し

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「さて、どうなる事やら」

 階段を上がってまたヘビトカゲが出たら、普通の冒険者はどうにもならん。頼むから地面であってくれと願う俺に女は口を開く。

「前以て浮かせてくれると嬉しいわ」

そうだな、期待はすまい。三人浮いて参る。

「良かった~」

「だな」

二十九階迄は実力次第で問題無く行ける事が判った。ボス部屋では無く扉前に出されていたのだ。振り向くと扉で、今上がって来た階段は跡形も無い。ホッとしつつも集中し、ダンジョンから帰還した。

「あんたねえっ!!」

 ギルドに着いたのは夕方だったが、置き去りにした女が来ていたようで、絡まれる。

「追い付けない方が悪い」

「待っててくれても良いじゃない!」

「ダンジョンに追従して来れば良かっただろ?何故しなかった?」

「一人で行ける訳無いでしょ!?」

「調査で入ってんだ。一階から一オコンは掛けて調査してたんだぞ?」

子供の前で恥ずかしいが、俺も折れる訳には行かん。

「止めなよ。それに、アレじゃ行かなくて正解よ」

二人の間に割って入る女。仲裁でもしてくれるのか?

「下手なモン準備してたら大損よ?雑魚は雑魚だし。じゃ、報告しに行くから」

疲れた顔でそう言うと、俺を押して階段へ向かって行った。《威圧》でカロに合図を送っておこう。

 ギルマス室にはカロが居て、お帰りなさいと言ってくれた。ソファーに掛けて話をしようとすると、それに待ったを掛けるように不参加の女がノックもせずに入って来た。

「貴女は此処に居る資格はありません。参加報酬は支払い済みですし、ダンジョンに潜ってない者に情報を漏らす事は出来ませんので出て行ってください」

イキってがなる女に、カロの正論が飛ぶ。

「ざっけんじゃながっ!?あがっ」

「出て行きなさい」

カロの《威圧》だ。この程度で止まるようでは大した事無いな。暫くあがあがしていたが、お茶を持って来た職員に人を呼ばれ外に連れて行かれた。

「では、カケル様。お願いします」

「うム」

お茶が並べられたテーブルに報告を書いた板を乗せる。

「三十階迄行って来たので三十枚ある」

拝見しますと板を取り、内容を見て息を吐く。

「流石、カケル様です。全て足で?」

「敵も罠も、行き止まり迄全部虱潰しだったわよ」

「な、成程…。二十階は、ボス部屋には行ってはならないのですね」

「俺しか行けん。十一階の転移罠で二十一階に飛べる。二回しか試して無いがな」

「飛べない人が入ると死ぬわ」

「はぁ…。ミミッキュに…、三十階のボス部屋も入ってはならないと」

「俺しか行けん」

「ボスを倒せても奥に行って、帰って来るのに十四日?掛かるらしいわ」

「UFOで飛んで端から端まで二オコン掛かる」

「…なら、もっと掛かるかも知れませんね。ボス以外の敵はどうでしたか?」

「あ、ドロップっ。あんた全部マジックボックスに入れてたでしょ!?見せなさいよ」

俺自身見てないし、確認しないとな。

「ドロップを鑑定すればこのなんとか系と書かれた者が何か分かりますね。鑑定士を呼びましょう」

「それなら下でやった方が良いかも。量が多いから」

「分かりました。では下へ参りましょう」

カロを先頭に下へ降り、タマリーの居る解体場へと向かった。

「坊や、それにカロも。どうしたのさ」

「ドロップの検品です。ツルトガ、お願いね」

「承知しました」

水晶玉を持ったツルちゃん事、鑑定士のツルトガがテーブルに着くと、種類毎に選別したドロップを置いて行く。魔石に武具。袋の中身は金とその他で分ける。

「魔石多いですね。先にそれ以外をやっちゃいましょう。魔石なら他の職員でも出来ますので」

そんな訳で応援を呼び、各所に魔石やドロップを置いて行った。

「こんなにあったのね…」「マシーの牙も集めりゃ…って事かい」

マシー?野獣か何かか?魔石も多いが鉄粒が多い。コレはミミッキュの糞か?ダンジョンのミミッキュって糞すんのかな?そしてミミッキュの箱が嵩張る。鉄粒は箱に詰めておこう。
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