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ヤバい代物
しおりを挟むスイーツを作ると言ったが、仕込みもあって流石に朝からは無理なので、移動しながら仕込む事になった。朝から甘い香りをさせたらハイエナが来そうだったしな。朝食の薄焼肉のソーサー巻きですらチラッチラ見られてたし。そんな訳で、俺は一人小型UFOで空に上がり、スイーツの仕込みをする。
マタル粉の生地に空気を纏わせる事でふわ感を出す事に成功したのであれば、焼いたらふわ感やサクサクボリボリにもなる筈だ。耐火煉瓦と鉄板を組み合わせて釜を作り、薄い鉄板を加工して型を作る。ソレに薄い雑木紙を敷いたら空気を纏わせた生地を流し込み釜にセットした。成功したら嬉しい。
生地が焼ける迄の間に挟む物を用意する。何か無いかと《収納》を漁ると、何時採ったのかも忘れてたドラゴンスケイルを発見した。一つ千ヤンか…。勿体無いけど仕方無い。悪阻の妻達に食べさせてたサンの実もあった。これでジャムが作れるな。
門外不出の氷砂糖を粉にして、ドラゴンスケイルのピューレに混ぜたら待つ…寝るか。薄切りを切って仮眠する。
十五リット程ぼーっとして、甘く焼けた匂いで我に返る。焦げない内に取り出さねば。形から取り出し薄紙を剥ぐと、キレイにふわふわな円柱になっていた。形は上出来、味見として薄紙にこびり付いたのを歯で扱いて食う。…良し。卵もミルクも使わずにパンケーキが出来たぞ。どうせ一つじゃ足りないとか言うだろし、ジャムを使い切る分くらいは量産して行くか。
一オコンで三個追加。更なる追加を焼きながら、ジャムの制作に取り掛かる。火の強さを調節し、吹き溢れないよう掻き混ぜながらスポンジを焼き、更に砂糖を投入して掻き混ぜて、ぽってりしたら火を止め冷ます。生の頃はそこまで甘い香りは無かったドラゴンスケイルだが、火を入れると蜂蜜のような、濃厚な甘さが小型UFO全体に広がる。これは今夜使う女共が喜ぶだろうな。薄切りのヤツも甘煮にしておくか。鍋が無いのでジャムの中身だけ浮かせとく。
ジャムを冷ます合間に薄切りの甘煮とスポンジの増産をし、ジャムが冷めたら再び鍋に移して火に掛ける。沸騰したらサンの実を無理矢理搾った汁を入れ、ぽってりが少し固くなる程度で火を止めて、冷ましてジャムの完成だ。木篦に付いたのを指でなぞってペロリング…。数える程も味わった事無いけど仄かな酸味のあるメイプルシロップみたいだ。
もしかして俺、やっちゃいましたか?そのくらいヤバい代物だと直感した。
冷めた生地を分割し、上面にジャムを薄く塗る。二枚を重ねたら上に甘煮を敷く…出来た。戦争の火種成り得る悪魔の食い物が。
完成したのは十四ホール。一ホール三分割で四十二。ピッタリ足りた!問題は三分割にするのが難しい事だが…。俺は四分割にした。
「イゼッタ!リュネ!俺だーっ」
「はぁ~~い」「お帰りなさいませ、カケル様」
複合施設の食堂に《転移》して妻と妾の序列一位を呼ぶと、直ぐに妾と性奴隷の序列一位がやって来た。
「イゼッタ様は子供達のお世話ですね」
「可愛い我が子のお世話中でぇす。それにしてもカケルさん…?」
「あまり時間が無いんだ。それにラビアン達の分は帰ったら必ず作るから、コレの処理をしてくれ」
「処理…で……コレは……」「凄い物、作っちゃいましたねぇ」
「材料にドラゴンスケイルの実を使う。リュネ」
「お任せあれ」
「直ぐに皆様を呼んで参りますっ」
俺は悪魔の食い物を六つキープし、更に《転移》する。
「アルネス、シャリー、居るか?」
「はーい、あらカケル様……」
「アルネス。極秘の内に皆に食べさせてやってくれ。箝口令だぞ?」
「…承りました」
「カケル様?もう依頼を…?これは…」
「凄い、匂いだな…」
「シャリーも、皆も元気そうで何よりだよ」
カロが帰宅したら皆でお食べと言い残し、移動先へと戻った。
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