女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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「カララさま、わたしまだDランクなんです。護衛任務を成功させて、それでCランクになるんです」

「なら、カララは?」

「冒険者登録して、Fランクから始まって…」

「う、うぐ、えふってなんなのぉ~」

「大丈夫だ!カラクレナイは野盗を討伐してるから飛び級でDランクに成れるっ!」

「ガ~ゲル~っ」

泣きそうな顔のカラクレナイを抱き締めて、撫でて撫でて、撫でる。

「ガゲウ~、じーらんぐないだい~」

それだと初心者以下になっちゃうぞ。護衛依頼については後日、家族会議の上で決める事となった。


 そして翌日。朝食の時間が惜しい俺は厨房で作ったソーサーバーガーを齧りながらギルドへ向かう。
朝のギルドは混んでて嫌いだが、仕事なので我慢して、中に入って依頼者を探す。

『あ、パパ』

『ちゃんと仕事に来たぞ』

『お土産は甘い物で良いからね』

ジャムを瓶詰めにしておくか。壁に寄り掛かる俺に近付く気配があり、目をやると依頼者達。目で合図され外に出る。ギルドの中は煩くて、話しにくいのだ。

「待たせたか?」

「少しね。美味しそうなモン食べてるじゃない」

「それより、丸腰で良いんですかい?」

「何時もの鎧も着けて無いし」

「大丈夫だ。この服は良いヤツだからな」

「それならまあ。じゃ、待ち合わせの場所に行こうかね」

現在俺を含めて四人だが、参加者はまだ増えると言う。待ち合わせ、と言っても町の外の門前だ。衛兵詰所の反対側の、開けた所に集まっていた。

「お、多いな」

「皆彼処に興味あんだよ」「アソコにもね」

俺を含めず総勢二十人。二十一Pに心が踊るが、先ずは確認。

「各パーティーのリーダーは集まってくれ。準備の確認をする」

あいよっと集まったのは六人で、三人、五人のパーティーに、二人と四人のパーティーが二組。

「リーダー、地図と罠対策の用意は出来てるか?」

「ああ」「高かったけど、最悪転売も出来るからね」

「罠対策って、投石とかで良いんだろ?」

「罠はそれで良い。野営の準備はどうだ?」

テントの持ち込みは無し、皆マントを巻いて寝ると言う。屋内だしそれはそれで良いや。食料は大体四日分あるそうだが、干し肉と水だけだそうだ。財布に余裕が無いのだから仕方無いかな。

「フォーメーションは中で決めよう。此処に居ても儲からんからな」

「「「おうっ」」」

 二十一人、自然と隊列を組んで歩き出す。俺は殿だ。

「おい、先頭。場所は分かってんだろうね?」

「下見はバッチシさ。甘くお見で無いよ」

先頭を行く四人パーティーは、一度潜って酷い目に遭ったと言う。俺の用意させる物が本当に必要か確認したかったのだとさ。鳴子が鳴った時点で逃げたそうだが、それでも結構な数のウォリスを殺らねばならなかったそうだ。

「油瓶叩き付けてさ、松明投げ込んで燃え上がってる隙に…ね」

「油代で大損さね」

「四人じゃ無理って分かっただけ、めっけモンよ」

「敵は殺れそうか?」

「他の子の力ぁ知らないからアレだけど、問題は数と暗い事だけだぁね」

それなら何とかなりそうだ。

 崖っ淵を歩いて着いたダンジョンの入口は、しっかりした鉄の梯子と、杭を打ち板張りした床が出来ていた。それでも結構危ないが、此処で落ちる冒険者はそこ迄って事か。否、予算が降りてないだけかも。

「あたい等が先行するよ」「中で待ってるから慌てなさんな」

ランタンの火から貰い火した松明を持って、先頭の四人が階段を降りて行く。梯子は丈夫そうだが床はギシギシで不安しか無い。
四人がダンジョンの中に消え、皆もゆっくり移動を始める。ランタンを持つ者、何も持たぬ者、お財布事情は人それぞれだ。最後に俺が中に入り、女達に合流した。

「フォーメーションを決めるぞ~」

「「「おう」」」

「で、どうすんのさ」

「明かり係、地図係、戦闘係に分けて、交代しながら進むんだ。五人で前に出ても二人が明かり持ってたら三人しか戦えないだろ?」

「松明放って戦えば?」「それ暗くね?」「あ゛!?」

「後詰が明かりを確保するって事よね?」

「そうだ」

先ずは小手調べに五二三四四二、最後に俺の順で進む。五人が戦闘、二人が明かり、三人が地図兼明かり兼増援だ。



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