女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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戦後処理

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 地下六階。階段を降りた先の小部屋で昼休憩。皆が干し肉ガジガジしてるので、俺も倣って干し肉を齧る。偶に食うと美味いよな。

「ギチッ。カケル様って、干し肉食べるんだね」

「ふふっ、あたい等より良いモン食ってると思ってたよ」

「良いモンは食ってるが殆ど自作だよ。コレだと塩と香辛料代くらいしか掛かって無いな」

「へぇ。カケルさんって料理出来るんだ」

「主婦の人には負けるがな」

メインの食材さえ取れれば後は何とでもなるものだ。まあ取れれば、だが。
食事を終えて、煉瓦の壁を幾つか建てたら皆こっそりと出しに行き、準備を整え出発となる。

「確かにねえ。同じ時間に食ってんだ。出すのも大体同じってかぃ」

「休憩の方が重要なんだけどな」

「だねぇ。座ってるだけだけど、多少なりとは魔力が回復した気がするよ」

「それにしてもさ。カケル様の事だから一発楽しんでから潜り出すのかと思ってたよ」

「何だいあンた、疼いてんのかい?まあ分かるけどさぁ」

「楽しみは、先にやる事やってから…ってな。腰振るだけで金にならなきゃ潜った意味も無いしさ」

「確かにね、この人数だと儲けなんて高が知れてるけど」

そんなこんなで地下十階。ボス部屋前に到着。

「此処は総力戦だ。とにかく雑魚が多いから、死なないように頑張れ」

「「「おうっ」」」

中に入り、扉が閉まると現れる魔法陣。立ち止まらず、 魔法陣から湧き出る頭をシャムシールで斬り捨てた。

「出る前に減らせ!後衛は固まって集中攻撃だ!」

反射神経の良い前衛達が走り出し、まだ動けぬ敵の首を刎ねる。それでも三百近い敵が出るので一割減らした程度だが、自分達の陣地を確保する事は出来た。
中後衛は、前衛達の手の空いた敵を狙い、弓矢や魔法の集中砲火で煙に変えて行く。死んでなくても足止めや機動力を奪える。それだけでもこちらの損害は大きく減るので疎かには出来無い。

 戦闘が長引き、疲れの見える女達を回復し、魔力の減った者に魔力を与え、散らばったドロップを回収しながら立ち回り、最後の一匹を煙に変えて、漸く敵が居なくなった。

「はっ、はぁはぁ、み、水…」「こりゃ、キツいわ」

「怪我人は居るかい!?早くしないとこっちの身が持たないよっ」

「手に肉刺こさえただけだけど、良いかい?」

「魔力が溢れちまうっ。早く手ぇ出しな!」

二十人も居ると戦後処理も大変だ。疲労で腰が抜ける者、魔力の譲渡が多過ぎて泡吹く者。一人一人をケアして行って、水を飲ませて一息着いた。

「布団屋の娘達って、此処抜けたの…?」

「ウチ等、カケル様の手ぇ借りてヘトヘトだってのに」

「サミイ達は強いぞ。特例でダンジョン行くくらいだからな」

「何だい、知り合いかい?」

「妻だ。宜しくしてやってくれ」

「は、はは…。それなら、納得さ」

 疲れは《耐性》で忘れさせる事が出来るが、あくまでそれは一時的な物なので長い休息が必要だ。

「十一階に降りたら野営しよう」

「カケルさん、あたい等まだまだイける口だよ?」

「早く寝たいってのは分かるけどね」

「「「あははははは」」」

笑顔があるのは元気な証拠だな。だが考えは変えない。

「地下十一階から一気に二十一階に転移するんだ。そこから上に向かう訳だが、急に敵が強くなるから疲れは取り除いておきたい」

「そのまま降りてくんじゃダメなのかい?」

「そのまま降りたら二十階から下には行けないし、来た道を戻るのは敵も出なくて勿体無いだろ?」

「何で二十階から下に行けないのさ」

「簡単に説明すると、飛べない奴は敵に食われて死ぬ」

「「「……」」」

「えと、カケルさんは、殺れんのかい?」

「勿論。けど皆は殺れないからな。中を見て希望を抱くのも辞めて欲しいんだ」

「そうさねぇ、抱くより抱かれたいやね」

「風呂作って飯作るから、抱かせてくれ」

「あは、初めからそう言いなって。だよなみんなぁ」

満場一致で野営に決まった。






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