女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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里帰り

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「封蝋で分かるとか?」

「勿論。姫様のお印を間違えたら首が飛びますよ。イゼッタ様のは調べましたが」

 成程。カロは貴族だし、国のお偉方の紋章は覚えてないとな。他国の貴族も調べられないと偽モンがイキる可能性も有る、か。納得。昼飯前には渡したいのでその場で《転移》した。

『パパ!それ転移よね!?』

「お帰りなさいませ、カケル様」

「イゼッタとリアを呼んでくれないか?手紙が届いてるんだ」

テイカに言伝を頼むと居間に行き、二人が来る迄愛娘の質問に答えてやった。地球に行っても金も国籍も無いから遊ぶ事もスイーツ食う事も出来んと言ったら不貞腐れてしまった。もう少し大きくなったら考えても良いか。

「カケルー、来たー」「お呼びですか?貴方様」

「今朝方ギルドに手紙が届いたそうでな、預かって来たんだ」

ソファーに座る俺を挟んで二人が座り、それぞれ封筒を渡した。

「確かに、我が家の家紋ですね」

「こっちは叔母様のトコ」

イゼッタは貴族位を返上してるし、夫人の所からなのか。ペーパーナイフが欲しいと言うのでナイフを渡す。ペーパーナイフ持って無いし。

「父様が、孫を見せろと催促しております」

「こっちも似た感じ。偶には顔見せろって、叔母様が」

「皆孫の顔が見たいのか」

「姉上に取られそうで怖いですが、行かぬ訳にも行きませんね」

「お墓、行きたい」

「分かった。サミイも親孝行してるし、二人も里帰りしておいで」

ラビアン達に通達し、カロ邸へ話を通しに行くと、先ずはイゼッタとジョー二アスをカゲンノウに連れて行く。守衛に手紙を見せて名乗り、此方はすんなり通された。

「イゼッタにカケル殿、よくぞ参った!」

「やっと手紙が届いたのね。待ち侘びたわ」

「おお!その子がジョー二アス!おおおお」

「貴方、五月蝿くてよ?」

義父アンデリー伯爵と義母ミシュルキー伯爵夫人と挨拶を交し、昼食を誘われたがリアの里帰りもあるので断らせてもらった。

「何日くらい居るつもりだ?」

「んー、十日?」

「ならその頃迎えに来るよ」

土産代わりにトカゲの魔石を献上し、島へと《転移》する。

「お昼を食べてくるものと思っておりました」

「やはり断るのは良くなかったか」

振る舞いは受ける物らしい。次は受けると言う事で、リアとアーティエルを連れてアフマクシアへ。そして城の門前で囲まれた。手紙を見せて名乗ったが、クーデターが起きた後なので警戒が強い。

「困ったな」「ええ。せめて騎士団長に話を通して頂ければ、分かって頂けますかと…」

「団長は、亡くなられた」

「え!?近衛騎士団のフッカーですよ!?」

「様を付けろ。陛下をお守りし勇敢に戦われたお方だぞ」

「そうですか…。では、今は何方が近衛を?」

「暫定でピュリネー女史が引き継いでおる」

「私の近衛ですね。顔を合わせたら分かっていただけます。お願いします」

「不敬で撥ねられても知らんぞ?」

一人が折れてピュリネー女史とやらを呼びに行ったようだ。アーティエルを肩車してぐるぐる歩いて待つ。衛兵がそこ迄ムキにならないのはこの子のおかげだ。可愛いしな。囲まれては居るが槍出てないし。子連れでクーデターしに来る奴は居ないのだろう。
暫くして小門が開き、他とは違う、キレイな鎧の者が出て来た。

「もしかして、ピュリネーですか?」

「私がピュリネーだが…………、姫?様?」

「父様に孫を見せろと言われて来たのですよ?」

「すっ!直ぐにお繋します!控え室へお連れしろっ!」

急か急かと控え室に連れられて、自白剤入りでないお茶を飲む。アーティエルに芋羊羹を与えて落ち着いた頃、呼び出しがあり謁見の間へと連れられた。

重厚なドアが開けられ、目の前に爺さん。

「カルメリア!そして孫よ!」

「父様、威厳をお持ちください」

「威厳等っ、娘と孫の前では無用!」

「とにかく玉座にお戻りくださいっ」

重臣が寄って集って王を玉座に追いやって、やっと中に入る事が出来た。







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