1,286 / 1,519
家臣
しおりを挟む客間に連れられお茶が出る。茶菓子の代わりにダンジョンフルーツでも…と思ったが元気になり過ぎてしまうのでお肉をお裾分けした。
「カケル、その目どうしたの?」
「坊っちゃま、男とは深く詮索されるのを嫌う物ですぞ?」
ブルランさんに窘められてハッとするハークに笑顔を返す。
「この義眼は雪の龍に貰った物だ」
「ええっ!」「何と…。雪の龍と戦われたのですか?」
「まさか。人の身では仕合うのも烏滸がましいくらいあの方は強いですよ」
ダンジョンでのアレコレと、義眼になった話をしてやった。面白可笑しくとは行かなんだが、ハークもブルランさんも前のめりで聞いてくれた。
「リュネ様達ですら力を削がれるなんて、凄いダンジョンだね」
「ああ、慢心してしまったってのもあるし、護衛対象が居たからってのもあるが、龍達にとっては貴重な経験だったろうな。帰ってから暫く反省していたよ」
「で、で、隠し扉の先には行ったの?」
「ああ、義眼に封入されたスキルが強過ぎて呆気無く終わらせちゃったから面白く話せないんだ。ダンジョンコアを壊して、生き残りの雑魚を倒しながら戻っただけだし」
「ダンジョンコアを壊すとダンジョンじゃ無くなるんでしょ?学園で習ったよ」
「ああ。ダンジョン都市には悪いが潰させてもらった。危険過ぎるしな」
「魔剣や魔装が出なくなっちゃうんだよね。僕も欲しいのに」
「普通の冒険者じゃ行けない程奥に居る奴からのドロップだ。この国の兵隊でも取れないだろうね」
「カケル殿、坊っちゃまの名誉の為口を挟みますが、決して魔具を強請ったりはしておりませぬ故、お間違えの無きよう」
「そうだな。ハークなら王に強請らずジョンの所か爺婆様の所に駆け込むだろ」
「ジョンは使う分しか持ってないって」
お強請りしたのかい。
「カケルに全部処分させたって言ってたけど、僕に良さそうなの無いの?ねえ~」
上目遣いで覗かれても無い物は無い。出て来た時点で捨てたり埋めたりしてると聞いて口を尖らせてしまった。
「魔剣じゃ無いがドロップした武具ならあるぞ?トカゲくらいなら刻めるヤツだ」
ハークの周りにパァーっと花が咲いたようだ。やっぱり上げないとか言ったら泣くだろうな~。《収納》の中から軽くて細くて短くて、少し派手なのをチョイスする。
チョイスしてて、気になるアイテムに気を引かれ、何の気無しに取り出してしまった。
「何それ?羽根?」
「ああ。コレが呼んだ気がしてな。意識せず取り出してしまった」
「見るからに、魔装ですな」
「ブルランさん、殺気を頂けますか?」
羽根のアクセを腕に巻き、いざっと放たれたブルランさんの殺気を受け止めた。殺気が漏れてたようでハークがビクッてしたよ。
『良いのか?』
ソレは応えない。それでもハークはコレを取り出しても怖がらなかった。即ちそう言う事なのだな。
「ハークよ、お前はコイツに認められたようだな。剣や鎧では無いが、お前と共に在りたいそうだ。家臣に加えてやってはくれないか?」
「家臣?」
「そうだ。コイツはハーピークイーンの羽根飾り。自分を害する運命を払う、かなりヤバい代物だ」
「…国宝ですな」
「普段は空飛ぶアイテムだとか言っておけ」
「それでも国宝級ですぞ?」
「…風魔法の強化アイテムと…」
「その辺りが落とし所ですな」
随分安物にされてしまったが、王にパクられるよりはマシだろう。
「ねえ、それって例えば誰かが僕を殺しに来たとして、どうなるの?」
「必ず失敗する。装備者はその事に気付かない。何故ならソレを企てた時点で失敗しているからだ。だから迂闊に試してみよう等とは考えるなよ?」
「…何か、凄いね。その羽根飾りに認めて貰え続けられるように頑張るよ」
腕の羽根飾りをハークの首に掛けてやる。紐の留め位置を調節すれば腕にも首にも巻けるからな。動き回る腕よりこっちの方が隠れて見え辛いし良いだろう。
くすぐったい?慣れてくれ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
目を覚ますと雑魚キャラになっていたけど、何故か最強なんです・・・
Seabolt
ファンタジー
目を覚ますと雑魚キャラに何の因果か知らないけど、俺は最強の超能力者だった・・・
転生した世界の主流は魔力であって、中にはその魔力で貴族にまでなっている奴もいるという。
そんな世界をこれから冒険するんだけど、俺は何と雑魚キャラ。設定は村人となっている。
<script src="//accaii.com/genta/script.js" async></script><noscript><img src="//accaii.com/genta/script?guid=on"></noscript>
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる