女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ダートの母ちゃん

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 リュネが何も言わないのであれば良いのであろう。泊めてもらってる礼をしないとならんし、此処は俺が折れておく。

「分かりましたよ。ご招待させて頂きます」

 朝食を済ませ、昼食を摂り、ハークの部屋へと《転移》する。今日は皆が揃っているし、メイドに刺される事は無かった。

「カケル!」「カケル様あ!」

刺される代わりにタックルされた。前後で挟まれてぐえってなる。《結界》効いてる筈なのに。

「ねーカケルー聞いてよー。タージョが無いんだってー!」

タージョって鳥だよな。幾らデュセルでも食べ尽くす程買ってはないだろ。

「お兄様、カケル様に言っても詮無き事ですよ!?」

「左様ですぞ坊っちゃま。誰が王となられるか決まらぬ以上、三方立場は同じでなければなりませぬ」

うん、鳥肉昨日食べたった。バレないようにしなければ。
挨拶もそこそこに、ゴモラン邸へと《転移》する。庭には既にリュネと夫人達が揃ってて、何時でもどうぞな状態となっていた。因みに家主のエルシド・ゴモランは夜明け前から仕事である。母屋でもしっぽりズブズブしてた様だから、夫人揃って多分寝てないに違いない。

「ハ~ク~、アルアちゃ~ん」

「あばば」「んきゅ~っ」

「行~きま~すよぉ~」

今度は二人がハグされて、そのままバルタリンドへ《転移》された。

「こ、此処は?」

「随分色の整った建物ね」

ブルランさんは辺りを見渡し、夫人は建物に興味を示す。メイド達はしれっとハーク達を中心に円陣となり、外に意識を集中させた。

「此処は俺が経営してる入浴施設ですよ。男湯は無いので交代で入って貰います」

そんな事を皆に説明していると、中からゾロゾロ女達が出て来た。営業終了の時間だ。

「おや、カケル様じゃないか。随分ご無沙汰な気がするよお」

「偶には顔出してくれないと、寂しくなっちまうよ。なあ?」

「そうさそうさ。けど仕事中なんだろ?頑張りな」

女達が優しい声を掛けてくれる。挨拶と、礼を述べて見送った。

「あれが客ですな?平民が凡そのようですが」

「貴族も偶に来ますよ。面倒事が無ければ貴賎無く利用できますので。さあ、入りましょう」

客が出て行き、皆を施設へ導くと、ラビアン達が出迎える。

「「「いらっしゃいませーー」」」

「わあ、ラビアンだっ、ダート達と知り合いなの?」

「ダートは私の息子ですよ」

白たわよ、お前ダートの母ちゃんだったのか!

「この方達は招待客だからお金取らないでね。お風呂には先に男性に使ってもらうから、準備よろしく」

「「「はーーい」」」

風呂のメンテが終わる迄、食堂で休んでもらおう。その間にブルランさんとハークの寝室を整えるのだ。

「カケル!僕此処が良い!」

中庭には時短掛かってたっけ?ブルランさんもそこで良いと言うので日陰の方にマットを敷いて、テーブル出してはい終了。風呂の支度が整う迄ベッドで寝ながらジュースでも飲んでてくれ。

 暫くして浴場の清掃が終わったと報告を受ける。

「カケル殿は入らぬのですかな?」

「カケルも一緒にお風呂入ろうよ!」

  「尊い」「ハーク様がお二人の猛りに…」「お兄様…」
やはり貴族は腐っている。仕事中であると説明し、二人に納得してもらう。今度絶対だかんね!?と約束を押し付けられてしまったが。

「カケル様…お兄様とも?」

ハーク達とメイドが数人施設に向かうと、ジト目のアルアが問うて来る。

「まさか。ハークには許嫁が居るだろ?」

「けどみんなは、男同士の愛情が…とか…」

「皆ってだれさ」

メイド達に、クラスの女子がその手の物語を持って来たり書いたりしているらしい。貴族の子女も腐っているのか。

「他は知らんが俺は女にしか勃たん」

「何時もカチカチですけどねぇ~。昨夜だって…」

リュネめ、やはり見ていたのか。昨夜のズブズブを面白可笑しく話し始めやがった。女のコミュに知られたら、拡散するのは直ぐだろう。薄い本が厚くならない事を祈る。




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