女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

もる

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尊い

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「雛を鑑定して雌雄を調べたりは?」

「は、はい。卵を産んだ雌は雌鳥、交尾を行った雄は雄鶏となりますが、それ以外は雛鳥、成鳥となりまして、隔離が難しくなっております」

 《鑑定》の熟練度不足もあるようだ。とにかく色々足りなくて、収量増加に至らないらしい。

「生産力増加に手を貸すから、見返りに卵を頂けないかな?鳥では無いけどお肉なら出すよ?」

「カケル殿、それでは当方に利があり過ぎまするが」

「貨幣の増産してもらう件もあるし、貴国にはこれから世話になるからね」

「あっ、カケルのランクも上げなくちゃ!」

「それは追々な。城の運営が落ち着いてからでも大丈夫だよ」

「落ち着かないよ?書類減らないよ?」

「頑張ったら《転移》でどっか連れてってやるから」

「頑張るっ」

「陛下…」「坊っ陛下…」「尊い…」

両拳をゾイッとするハークに三人がヘブンする。

「でっ、では、しょろそろ飼育場へと向かいまするかっ」

借りて来た猫であったデュセルが初めて口を開いた。噛んでいるが指摘してはならぬ。卵供与については何も決まってはいないのだが、技術提供は先んじても問題無いからデュセルの提案に乗ろうと思う。

「ブルラン、余も行くぞっ?泣いちゃうぞ!?」

「陛下…」

これにはブルランさんも折れるしか無い。男四人とメイドが二人、城を出て飼育場へ向かうのであった。

「カッケル、カッケルーッへへぇ~」

 ブルランさんに窘められても人気の少ない城の外に出てしまえばハークの勝ちだ。手を繋いではしゃぐ美男児に蕩け顔のメイドが二人。予想はしていたが、コレは腐って居られる。まあそれだけ鬱屈した生活をしていたのだろう。

「陛下、そろそろ…」

「う、そうだね。ずっと着かなきゃ良いのに」

  「「尊いっ」」
腐ったガヤは放っといて、鳥の飼育場に到着する。以前一度来た事はあるが、広い土地の割に飼育小屋は小さい。コレは城を囲む外壁に面しているからだ。

「へっ!陛下っ!?」「陛下御身がどうして!?」

飼育場の職員が平伏して迎えるが、そりゃあこうなるわな。

「らくにするがよい。ここにいるカケルが飼育場をすごくするから」

凄くしなきゃならんのか。

「その為に中を改める故、皆は仕事を続けますよう」

「「「ははっ」」」

ブルランさんがハークの言葉に続き、飼育場の門が開かれた。そして職員に飼育小屋へ案内されて中に入ると、中はそれ程悪く無かった。悪くないと言うか、個体数に比べて広さがあり、良い状態とも言える。だが逆に、個体数が少ないとも言える。

「食事に提供される鳥の数は?」

「はい。二日に一羽とされております」

「年百五十が一人分?足りるのか?」

「狩り草からの物もありますが、実際全く足りておりません」

「も、申し訳ございませんっ」

「あっあやまるな。わたしのふとくといたすところぞー」

「この様に、陛下もお心を痛めておられる。なので俺が呼ばれた訳だ」

「「ははぁー」」

片言なハークを撫でながら言葉尻に乗ってやる。

「この建屋自体は素晴らしい。餌箱に水場、そして床。広さもあり、衛生面にも配慮されている。鳥の健康を一番に考えた作りをしている事がよく分かる。何よりゲル版を使った採光が良い。鳥に掛かる負荷を減らし、穏やかな気持ちで過ごせている事だろう」

「ああ…有り難きお言葉…」

「カケル、家の事になると相変わらずだね」

おっと、ハーク王が引いて居られる。

「んっん、…だが営巣する巣箱が無いのは問題だ。部屋の隅に一々巣作りして居ては落ち着かんだろう。先ずはコレを正す」

鳥小屋の奥に陣取った鳥達に避けてもらおうと職員に指示を出るが、居座った鳥達は威嚇して動こうとしない。コレは、抱いてるな?

職員達を退かせると、建屋の壁に薄い煉瓦で壁を作り、ゆっくり押してスペースを開ける。鳥達は一言ありそうな顔をしているが、壁があるから文句は無さそう。




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