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サウナ並
しおりを挟む「旦那さまって、あのお菓子作る時は何時も乗り物の中で作るんですよね。なんでですか?」
中々鋭い事を聞くのはサミイ。正直に答える訳には行かんので、正直に話す。
「皆が作れるようになるとブクブクおデブちゃんになっちゃうからだよ」
「カケル、ポチャポチャ、嫌い?」
尻肉掻き分けて腰を振るのは、ちょっとな。それにブクブクをポチャポチャと呼ぶのはどうかと思う。
「病気のリスクが高まるだろ。足の指が腐って捥げるぞ?」
「恐ろしき病で御座いますね…」
納得してもらえたか?
「魔法で、治す」
イゼッタは折れない。シルケはコレがあるからな。治らないのは禿げくらいの物だろう。
「痩せる魔法があれば良いな」
「おっきくは、なれる」
イゼッタは続けるが、それは秘密にしておけよ?今世最大の発見、とかになっちゃうからな。
「何方にしても体に悪いよ」
「貴方様、卵を貰いに行かれたと聞きましたが?」
「ああ。ハークの所に行って来た。数が無くて貰えなかったけどね」
「我が家でも育てておりますので、良かったらお使いくださいね」
「有難いけど一度に七十も八十も貰っては彼処の食卓に響くだろ」
「それは、確かに」
「ヤモリの卵じゃダメなのですか?アレ美味しかったですよ?」「美味しかったの」
「ヤモリは白身が無いからね。黄身と白身で使い分けたかったんだ」
「黄身?」「白身?ママ、カララも白身あったの?」
「割った事が無いから分からんな」
「割れた頃には可愛いカララちゃんでしたねぇ~」
「お前、見てないだろうに…」
姦しい食事を終えて、作業に戻る。今夜も仕事はお休みだ。魔力が溜まってる感じがする。
バターはそこそこの量が取れた。もう一回だな。砂糖に漬けた果物はしんなり浸透して、もう煮ても良さそうだ。量が多いので焼き部屋でやろう。大型の鍋に移し替え、焼き部屋へと飛んだ。
「あ、カケルー」「カケルなのー」
「お前等此処で寝るのか?」
「あったかいの」「あったか~い」
勝手に窯に火を入れて、部屋を温めごろ寝するネーヴェとカラクレナイ。最近見ないと思ったら、こんな所で寝ていたようだ。窯の温度はサウナ並。予熱はされてるので良しとするか。鍋をセットし窯に蓋をした。
「カケルー寒くなっちゃうの!」
「ぐぬぬぬぬ…」
縄張りを荒らされ威嚇の声が上がる。誰の為にやってると思っているのか。
「こっちにも暖房付けるから。ケーキ食べたいんでしょ?」
「「ぐぬぬ…」」
火の鉄板に乾燥防止の湯を沸かし、果物が煮える甘い香りに包まれて眠るが良い。但し摘み食いはするなよ?
「お腹、すいた」
「いーにおーい」
剥いた後の果物の皮を置いとこう。二人なら食っても大丈夫だろうし、そこ迄文句も出ない筈だ。
窯の火加減を調節し、二オコン程仮眠して鍋の様子を見る。糖蜜が緩い水飴くらいに煮詰まって、それでいて煮崩れ無く仕上がった。
「「あ~~ん」」
窯の外から口を開く二人は完全に寝ている筈なので、これは寝言に違いない。鍋を《収納》して《威圧》高まる焼き部屋からUFOへ《転移》した。夜更かし気味なので寝る。
「「ぐえ~~~~」」
朝から焼き部屋で寝てた二人の機嫌が悪い。朝食に降りて来た俺を見て、第一声がそれである。
「ケーキは午後のおやつにするから、ご飯食べたらお友達と遊んでらっしゃい。皆の分も用意しとくからね」
「カケル、やくそく」「約束なのっ」
龍の約束は違える事は出来無い。違えれば、命を懸ける事となる。悪魔の食べ物にはそれだけの力があるのだ。作らなきゃ良かったとつくづく後悔する。
女達の目が光る中朝食を摂り、UFOへ戻る。
「カケルさぁ~ん、お手伝いしますよぉ」
「大丈夫、一人で出来るから」
リュネが居た。獣母の愛は見られてはならんのでとても困る。
「そうだ、リュネには焼き上がったケーキを切り分けて貰おうか」
「うふ、遠慮しまぁ~す」
逃げた。良し。作業開始だ。
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