女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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壊滅

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 残りは五匹。離れた場所に群れていて、地表に一匹、空に四匹。

「後五つ、あっちにいっぜ」

「固まってんよな」「釣る?」

ぴょんぴょんしてた少年隊はしっかり周りを見ていたようで、俺が口出しする必要は無かった。

「相手も見てるって事よね」

「だろうね~。カケルさんならどうする?」

友恋は俺の口出しを期待して話を振った。

「俺なら階段を先に探すね。戦わなくても行けるなら、ソレに越した事は無い」

「探してる最中に見付かっちゃったら?」

「そんなの聞く迄も無ぇよ。殺るか逃げっか食われっか」

「だよなぁ。先に逃げ道作るのはアリなんよな」

フレンズは自問自答。話し合いの結果、降り口を探す事となった。皆飛べないので歩いて探す。俺から答えを聞かないのは自立してやって行けてる証拠だな。

「兄貴に聞くと面白くねーじゃーん」「「ねーじゃーん」」

「オレ達の経験になんねーもんねー」「なー」

「下手に空飛んでトカゲが来たら嫌だもの」「おんぶに抱っこになっちゃうもん」

だそうだ。

 昇り口迄戻り、景色に見える壁を左手で触りながら右回りでグルッと一周していると、景色に腕が突っ込んだ。意外と近くに降り口があった。これも一つの罠なのだろう。トカゲが奥のに居るからと、降り口はあっちと決め付けて、トカゲの相手に時間と労力を使っても、無い物探しで更に時間を取られてしまう。穴に飛び込む降り口もあったな。

「んじゃ、行くよ?」

斧を盾にしたフレンズを先頭に、密集隊形で景色の中に溶けて行く。

「入ると普通なんだね」

「少し休むか?」

「まだまだー」「「だー」」

「まだまだ」「な」

「そうね」「あたい魔力しか減って無いし」

先に進もう。階段部屋の扉を開けて、珍しく明るいダンジョンに出る。通路の端々に松明の灯りがあり、遠くでも通路が見えていた。

「あの松明、燃え尽きないのだろうか」

「オレ等の街でこんな事したら大問題だぜ」

「幾らあっても足りなくなるわね」

「燃料代もそうだけどさ、下で働いてる奴等が突然ぶっ倒れんだよねー」

「何それ怖」

俺の疑問に返答が来る。少年隊が松明を引っこ抜こうとしたが、ダンジョンの壁と同じなのか、手に入れる事は出来無かった。諦めて先に進む。

「明るくはなったけど、やっぱ先は見難いね」

肉眼のシトンに合わせて進むが、シトンがボヤく様に逆に進みが悪くなる。

「明るいと暗視が鈍るんだよなー」

「影に敵が潜んでるものね」

 明るくなる程影が出る。松明と松明の間に影が生じ、虫やヤモリ、小型のゴーレムと言ったモンスターが潜んでいたのだ。虫は幼虫と蛾。それに細長い甲虫で、ヤモリ共々毒を撒き散らす。毒は体の内外を焼いたり痒くさせたり臭かったりする。ゴーレムはとにかく動く前に見付けないと本当に面倒臭い。一つの軸から左右二本の腕を生やし、腕と上半身をグルグル回して突っ込んで来るのだ。迂闊に止めようモノなら下半身が浮いて回りだし、地面や壁に当たって跳ね回る。虫達の毒が着いてたりしたら更に大変。毒を飛び散らせ、毒鱗粉を撒き散らし、息をするのも困難になる…と言うか、なった。
始め虫だけが出て、面倒だねー、なんて話をしてたらゴーレムも居る場面に遭遇し、フレンドリーファイアしながら回るゴーレムに毒塗れにされて壊滅仕掛けた。流石に危険と判断して俺も加勢。《威圧》の壁に閉じ込めて動きを封じ、《結界》張って皆を治療したよ。

「くっそ、死んだ…もう三回目だぜ…ヘスに悪い事したな」「シンバ…グスッ」「ゴメンよエルママァ…」

生きて喋ってる少年隊だが、俺が居なけりゃそうなっていた。勿論女達もだ。

「泣くな泣くなっ。泣くなら世話係の胸の中で泣けっ。生きて帰った嬉し泣きだ!」

「「「ふぇ~い」」」

「旦那ぁ」「オレ等はぁ?」

「今直ぐ来い。撫でてやる」

「「うわ~ん」」「あ、アタイもわ~ん」「うわ、わ~ん」

四方からタックルされて撫で捲った。





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