女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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パンダやカンガルー

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「皆正常。骨の歪みも元に戻ったからもう島に戻れるぞ」

 検診を終えて赤ちゃん達の居る客室に集まると、ラビアン達がお茶を淹れてくれる。赤ちゃん達はまだ小さいが、上昇下降による気圧変化にさえ気を付ければ問題無いだろうと思い、母親達に移動を提案した。

「ご主人、そうなるとアルネスさんとルシオンが一人になってしまう」

俺の提案に異を唱えるのはフラーラだ。ルシオン、それがアルネスの子供の名前か。シンクお姉ちゃんがいるとは言え、確かに一人は可哀想だし、ギルドに連れて行くのはまだ難しい時期か。
ルシオンくんはアルネスに似て大人しそうな顔をしてる子だ。青っぽい黒髪は黒髪が居ないとされているシルケではとても珍しい。

「濃い青が珍しいな。赤や緑も混ざってる?」

「水と風に、カケル様の魔力が混ざったのでしょうか。私自身は生活魔法しか使えませんが、使える下地はあったのでしょうね」

「コッチの金髪さんはフラーラの子で良いんだよな?」

「うむ。エルディアンと名付けた。何方の親にも似ていないのだが、私は潔白だぞ?」

「分かってる。不義理のチャンスなんて避妊魔法を解いた時しか無かったもんな」

エルディアン。王家の誰かから名前を取ってると言われて、妹ちゃんの一人だと気付いたが、妹ちゃんも誰かから名をもらっていると言う。貴族は皆そんな感じなんだとさ。寝てて目は開いてないが、ジョー二アスより薄い色の金髪で肌も白い。まさかとは思うが、気を付けて見ておこう。

「シャリーの子は小さく産まれたみたいに見えるが、種族的にはこの大きさで良いのか?」

「ケルンと名付けましたが、コレでも大きく産まれてるんですよ?小型種同士だとカケル様の親指くらいで産まれますから」

「…マジか」

親指を見て、この大きさの子供を想像するが、パンダやカンガルーレベルの大きさではイメージが湧かなかった。小型種のクオーターになったケルンくんは他の子達より二回りは小さくて、茶色い髪もとても細い。

「シャリーは本当に大変だったんだな」

「今になって親達の苦労が分かりますよ。大変と言えばノーノさんも双子で頑張ったんですよ?」

  「頑張りました」
ノーノの子はウーヴァンと名付けられた青髪の剛毛くんと、ファルバンと名付けられた濃紫のサラサラヘアーくんだ。何方も魔法の素質がありそうに見える。
決して大きくないノーノの体に普通サイズの赤ちゃんが二人も入っていたのは驚くべき事だと思う。

「ルシオン、エルディアン、ケルン、ウーヴァン、ファルバン…皆ンが付くのな」

それは偶々らしい。

 で、赤ちゃんを島に移すのは辞める事にして、母親達に島とカロ邸を行き来して貰う事にした。言わないとカロやタマリーも中々来ないので、ママ上殿達も含めて誘うように頼んでおいた。


「またどっか行くの?」

 朝食後、荷物整理してる俺にイゼッタが抱き着いて来る。俺もゆっくりしたいのだが、依頼のアフターケアが残っているのだ。干し野菜に干し魚、リザルトの肉を《収納》し、向かった先はドーンドゥール。ダンジョンが正常に機能しているかを確かめに来たのだ。

「あ、兄さんやっと来たね」「みんなぁ、カケル様だよー!」

すっかり女達の待機場所になってしまった倉庫では、俺が来たと聞き付けた女達が集まって来る。

「皆、仕事出来てるか?」

「まだそんなに」「冒険者はポツポツ来てるみたいだけどね」

ダンジョンが変わって勝手が違うからだろう。食える場所、手法が確立すれば人も増えて金も落ちるようになるのだろうな。一方、一度出て行った住民は帰って来ない。往復する程の余裕は無いからだ。

「兄さん、また直ぐどっか行っちまうんだろ?」

「そんな不安の顔するなよ。明日はギルドに行くけど、今日は一日此処に居るつもりだ。分かるだろ?」

分かってもらえたようだ。俺を咥え込む女達は夜明け前迄途切れる事が無かった。





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