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第29章「生還と再会──涙と抱擁」
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祝賀会が終わった翌朝。
蓮は一人で城の庭を歩いていた。
朝日が眩しい。
鳥のさえずりが心地よい。
平和な朝だった。
魔王を倒してから、こんな穏やかな朝を何度迎えただろう。
「神谷さん」
後ろから声がした。
振り返ると、アリシアが立っていた。
「おはよう、アリシア」
「おはようございます。早起きですね」
「ああ、なんだか眠れなくて」
蓮は苦笑した。
「昨日のことを考えてたら、目が冴えちゃって」
「昨日……祝賀会ですか?」
「それもあるけど……色々とね」
蓮は空を見上げた。
「こうして生きてるのが、まだ信じられないんだ」
「神谷さん……」
アリシアは蓮の隣に立った。
「私もです。何度も死にかけましたから」
「でも、生きてる」
「ええ、生きています」
二人は、しばらく黙って庭を眺めていた。
「ねえ、アリシア」
「はい?」
「俺、この世界に転生してきて良かったって思ってる」
蓮は正直に言った。
「元の世界じゃ、俺は何者でもなかった」
「ただの大学生で、特に目標もなくて……」
蓮は自嘲気味に笑った。
「でも、この世界に来て、みんなに出会えて……」
「俺は、初めて自分の居場所を見つけた気がするんだ」
アリシアは、蓮の手を握った。
「神谷さん……」
「あなたは、私たちにとっても大切な人です」
アリシアの目は、真剣だった。
「あなたがいなければ、私たちはここまで来れませんでした」
「あなたは、私たちの希望なんです」
蓮の胸が熱くなった。
「アリシア……ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございます」
二人は見つめ合った。
アリシアの青い瞳が、朝日を反射して輝いていた。
綺麗だな、と蓮は思った。
「あの……神谷さん」
「ん?」
「私……言いたいことがあるんです」
アリシアは少し顔を赤らめた。
「何?」
「私……あなたのことが……」
その時──
「おーい!二人とも、何してんだー!」
セラの声が響いた。
二人は慌てて離れた。
「せ、セラ……」
「おはよー!」
セラは駆け寄ってきた。
「二人とも、朝から仲いいねー」
「べ、別に……」
アリシアは顔を真っ赤にした。
「ふーん?」
セラはニヤニヤしていた。
「神谷、アリシアと何話してたの?」
「いや、別に……普通の話だよ」
「そうなの?アリシア、顔赤いけど」
「せ、セラ!」
アリシアは慌てた。
蓮は苦笑した。
(アリシア、何を言おうとしてたんだろう……)
その日の午後。
五人は王城の庭園で集まっていた。
国王から、正式に「英雄」の称号を授けられたばかりだった。
「英雄か……」
健太は自分の証書を見ていた。
「なんか、実感湧かないな」
「私もよ」
リリアが言った。
「でも、これで私たちは正式に国に認められたのね」
「えへへ、嬉しいな」
セラは嬉しそうだった。
「これでみんなから尊敬されるね」
「調子に乗るなよ」
健太が笑った。
アリシアは証書を大事そうに抱きしめていた。
「父上に……見せたかったな……」
アリシアの父は、アリシアが幼い頃に戦死していた。
「アリシアのお父さん、きっと喜んでるよ」
蓮が言った。
「娘が英雄になったんだから」
「そう……ですね」
アリシアは涙ぐんだ。
「父上、きっと見てくれていますよね」
「ああ、絶対に」
健太も頷いた。
「俺の親父も死んじゃったけど、きっと喜んでるはずだ」
「健太さんも……」
「ああ。俺が10歳の時に、魔物に殺された」
健太は空を見上げた。
「だから俺、強くなろうと思ったんだ」
「もう二度と、大切な人を失わないように」
「健太……」
蓮は健太の気持ちが痛いほど分かった。
「俺も……父親とは、あまり仲良くなかった」
蓮は話し始めた。
「父親は仕事ばかりで、家にほとんどいなくて」
「母親も、俺にあまり関心がなかった」
「だから俺、家族ってものが分からなかった」
蓮は四人を見た。
「でも、今は分かる」
「家族ってのは、血の繋がりじゃない」
「心で繋がってるかどうかだ」
「そして、俺にとっての家族は……」
蓮は笑った。
「みんな、お前たちだ」
四人は、少し驚いていた。
やがて──
アリシアが泣き出した。
「神谷さん……」
涙が溢れる。
「私も……同じです……」
「私にとっても、みんなは家族です……」
セラも泣き始めた。
「私も……私も……」
リリアは涙を拭いた。
「もう……泣かせないでよ……」
健太も目を赤くしていた。
「お前ら……泣くなよ……」
「健太さんも泣いてるじゃないですか」
アリシアが笑った。
「泣いてねえよ……目にゴミが入っただけだ……」
「嘘ばっかり」
セラがクスクス笑った。
五人は、抱き合った。
温かい抱擁。
心が繋がる感覚。
(ああ……俺は、本当に幸せだ)
蓮は心から思った。
この仲間たちと出会えて、本当に良かった。
その夜。
蓮は一人で部屋にいた。
ベッドに横になり、天井を見つめていた。
(これから、どうしよう……)
魔王は倒した。
世界は救われた。
では、これから何をすればいいのか。
冒険を続けるのか。
それとも、どこかに定住するのか。
(正直……まだ分からない)
その時、ドアがノックされた。
「はい」
「神谷さん、入ってもいいですか?」
アリシアの声だった。
「ああ、どうぞ」
ドアが開き、アリシアが入ってきた。
「お邪魔します」
「どうしたの?」
「あの……朝、言えなかったことがあって……」
アリシアは少し緊張していた。
「朝の……?」
蓮は思い出した。
アリシアが何か言いかけて、セラに邪魔された時のことだ。
「ああ、あの時の」
「はい」
アリシアはベッドの端に座った。
「神谷さん……私、あなたに伝えたいことがあるんです」
「何?」
蓮は起き上がった。
アリシアは、蓮の目を真っ直ぐ見た。
「私……あなたのことが好きです」
蓮の心臓が、止まりそうになった。
「え……」
「最初は、ただの仲間だと思っていました」
アリシアは続けた。
「でも、一緒に戦ううちに……あなたのことが気になるようになって……」
「あなたの優しさに、何度も救われました」
「あなたの強さに、何度も励まされました」
アリシアの目に、涙が浮かんだ。
「だから……私、あなたのことが……好きなんです」
蓮は、言葉が出なかった。
頭が真っ白になる。
(アリシアが……俺のことを……)
「神谷さん……」
アリシアは不安そうに蓮を見た。
「私の気持ち……迷惑でしたか……?」
「い、いや!」
蓮は慌てて言った。
「迷惑なんかじゃない!」
「むしろ……嬉しい」
「本当……ですか?」
「ああ」
蓮は頷いた。
「俺も……アリシアのことが好きだ」
「神谷さん……」
アリシアの目から、涙が溢れた。
「良かった……」
二人は見つめ合った。
そして──
アリシアが蓮に抱きついた。
「神谷さん……好きです……」
蓮も、アリシアを抱きしめた。
「俺も……好きだよ、アリシア」
温かい抱擁。
心臓の音が、重なって聞こえる。
しばらく、二人は抱き合っていた。
やがて、アリシアが顔を上げた。
「神谷さん……これから、ずっと一緒にいてくれますか?」
「ああ、もちろん」
蓮は微笑んだ。
「俺、アリシアのそばにいたい」
「ありがとうございます……」
アリシアは嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔が、あまりにも美しくて──
蓮は、思わずアリシアの唇にキスをした。
アリシアは驚いたが、すぐに目を閉じた。
優しいキス。
心が溶けるような感覚。
二人は、ゆっくりと離れた。
「神谷さん……」
アリシアの顔は、真っ赤だった。
「ご、ごめん……つい……」
「いえ……嬉しかったです……」
アリシアは照れくさそうに笑った。
二人は、再び抱き合った。
この瞬間が、永遠に続けばいいのに。
蓮は心からそう思った。
翌日。
五人は再び庭園に集まっていた。
「で、これからどうする?」
健太が聞いた。
「魔王も倒したし、特にやることないよな」
「そうね……」
リリアは考え込んだ。
「私は、魔法学院に戻って研究を続けたいわ」
「じゃあ、王都に残るのか?」
「ええ、しばらくは」
セラが手を挙げた。
「私は、獣人の村に帰りたいな」
「家族に、魔王を倒したこと報告したいし」
「そっか」
健太は頷いた。
「俺は……まだ決めてないな」
「もう少し冒険を続けたい気もするし」
「でも、どこかに落ち着きたい気もする」
四人の視線が、蓮とアリシアに向けられた。
「お前らは?」
蓮とアリシアは顔を見合わせた。
「俺たちは……」
蓮は少し照れながら言った。
「一緒にいることにした」
「へー」
健太はニヤニヤした。
「ついに、くっついたか」
「く、くっついたって……」
アリシアは顔を赤くした。
「いいじゃん、お似合いだよ」
セラが笑った。
「おめでとう、二人とも」
リリアも微笑んだ。
「幸せにね」
「あ、ありがとう……」
蓮は照れくさかった。
「でも、これで解散ってわけじゃないよな?」
健太が聞いた。
「もちろん」
アリシアが答えた。
「私たちは、家族です」
「いつでも、会いに来てください」
「ああ」
健太は笑った。
「たまには集まろうぜ」
「そうね」
リリアも頷いた。
「年に一度は、こうして集まりましょう」
「約束だよ!」
セラが明るく言った。
五人は、手を重ね合った。
「約束だ」
全員が揃って言った。
その手は、温かかった。
それから、一週間が過ぎた。
リリアは魔法学院に戻った。
セラは獣人の村へ帰った。
健太は、放浪の旅に出た。
そして──
蓮とアリシアは、王都に残った。
二人は、小さな家を借りた。
王城の近くの、静かな住宅街。
「ここが、私たちの家ですね」
アリシアは嬉しそうだった。
「ああ」
蓮も笑った。
「これから、ここで二人で暮らすんだな」
「はい」
二人は家の中に入った。
リビング、キッチン、寝室。
シンプルだが、温かみのある家だった。
「神谷さん」
「ん?」
「私、料理作りますね」
「え、いいの?」
「もちろんです。私、料理得意なんですよ」
アリシアは誇らしげだった。
「じゃあ、お願いするよ」
「任せてください」
アリシアはキッチンへ向かった。
蓮は、リビングのソファに座った。
窓の外を見ると、青い空が広がっていた。
(こんな平和な日が来るなんて……)
蓮は感慨深かった。
魔王と戦っていた頃は、こんな日が来るとは思わなかった。
でも、今はこうして平和に暮らしている。
仲間たちのおかげだ。
(みんな、元気にしてるかな)
健太は、今頃どこで何をしているだろう。
リリアは、魔法の研究に没頭しているだろう。
セラは、家族と楽しく過ごしているだろう。
(また、会いたいな……)
その時、アリシアが料理を持ってきた。
「神谷さん、できましたよ」
「おお、早いな」
テーブルには、美味しそうな料理が並んでいた。
シチュー、パン、サラダ。
「いただきます」
二人は食べ始めた。
「美味しい!」
蓮は驚いた。
「本当に料理上手なんだな」
「ふふ、ありがとうございます」
アリシアは嬉しそうだった。
「これから、毎日作りますね」
「楽しみだな」
二人は、笑い合った。
その夜。
二人はベッドに並んで横になっていた。
「神谷さん」
「ん?」
「今日、楽しかったですね」
「ああ、楽しかった」
「これから、ずっとこんな日が続くんですよね」
「そうだな」
蓮はアリシアの手を握った。
「ずっと、一緒だ」
「はい……」
アリシアは蓮に寄り添った。
「神谷さん、愛してます」
「俺も、愛してるよ」
二人は抱き合った。
温かい体温。
優しい鼓動。
(ああ……俺は、なんて幸せなんだ)
蓮は目を閉じた。
長い戦いの後に訪れた、平和な日々。
大切な仲間たち。
そして、愛する人。
(これが……俺の居場所なんだ)
蓮は、静かに微笑んだ。
翌朝。
蓮が目を覚ますと、アリシアはもう起きていた。
キッチンから、いい匂いが漂ってくる。
「おはよう、神谷さん」
「おはよう」
蓮はキッチンへ行った。
アリシアが朝食を作っていた。
「今日は、何を作ってるの?」
「オムレツです」
「美味しそうだな」
二人はテーブルについた。
朝日が窓から差し込んで、部屋を明るく照らしている。
「いただきます」
二人は食べ始めた。
「そういえば」
蓮が言った。
「今日、国王から呼び出しがあるんだ」
「え、そうなんですか?」
「ああ。何か頼みたいことがあるらしい」
「また、任務でしょうか……」
アリシアは少し心配そうだった。
「大丈夫だよ。もう魔王はいないんだから、危険な任務はないはずだ」
「そうですね……」
午後、二人は王城へ向かった。
謁見の間には、国王が待っていた。
「よく来た、二人とも」
「お呼びでしょうか、陛下」
アリシアが尋ねた。
「ああ」
国王は頷いた。
「実は、二人に頼みたいことがある」
「何でしょう?」
「この国の、騎士団の教官になってほしいのだ」
「教官……ですか?」
「ああ。二人は魔王を倒した英雄だ」
「その経験を、若い騎士たちに伝えてほしい」
蓮とアリシアは顔を見合わせた。
「どうだろうか?」
「私は……」
アリシアは少し迷った。
「構いません。騎士として、後進の育成は大切ですから」
「神谷さんは?」
「俺も……大丈夫です」
蓮は頷いた。
「俺も、支援魔術を教えられるなら」
「ありがとう」
国王は微笑んだ。
「では、明日から頼む」
翌日から、二人は騎士団の教官として働き始めた。
若い騎士たちは、最初は緊張していた。
「魔王を倒した英雄」が教官だと聞いて、萎縮していたのだ。
でも、蓮とアリシアは優しく接した。
「大丈夫、リラックスして」
「俺たちも、最初は弱かったんだ」
そう言って、蓮は支援魔術を教えた。
アリシアは、剣術を教えた。
若い騎士たちは、次第に心を開いていった。
「神谷教官、これで合ってますか?」
「ああ、上手いよ。その調子だ」
「アリシア教官、もっと強くなりたいです!」
「いいわ。じゃあ、もう一度やりましょう」
二人は、充実した日々を過ごしていた。
そして──
ある日の夕方。
訓練が終わった後、二人は城の屋上に立っていた。
夕日が、街を赤く染めている。
「綺麗ですね」
アリシアが呟いた。
「ああ」
蓮も頷いた。
「こんな平和な景色を見られるなんて、夢みたいだ」
「本当ですね……」
アリシアは蓮の手を握った。
「神谷さん、ありがとうございます」
「何で?」
「あなたと出会えて、本当に良かった」
「あなたがいたから、私は強くなれました」
「あなたがいたから、私は幸せになれました」
アリシアの目に、涙が浮かんでいた。
「アリシア……」
蓮も、アリシアを抱きしめた。
「俺も、アリシアに出会えて良かった」
「これからも、ずっと一緒にいよう」
「はい……」
二人は、夕日を見つめた。
長い戦いの後に訪れた、平和な日々。
それは、二人で築き上げたもの。
そして──
これから先も、二人で歩んでいく未来。
蓮は、心から幸せだった。
(みんな……見てるか?)
(俺たちは、幸せに生きてるよ)
風が吹いて、二人の髪を揺らした。
優しい風。
温かい風。
それは、まるで仲間たちからの祝福のようだった。
それから、数ヶ月が過ぎた。
ある日、蓮とアリシアの家に手紙が届いた。
差出人は──健太だった。
「神谷、元気か?俺は今、北の国を旅してる。色々と面白いことがあるぜ。またいつか、会おうな」
リリアからも手紙が来た。
「神谷君、研究が進んだわ。新しい魔法を開発したの。今度会った時に見せるわね」
セラからも手紙が来た。
「神谷!元気ー?私、村で結婚することになったの!今度、結婚式するから来てね!」
蓮は、手紙を読みながら涙が出そうになった。
(みんな……元気そうだな)
「神谷さん、嬉しそうですね」
アリシアが笑った。
「ああ、みんなからの手紙だ」
「そうなんですか」
「セラ、結婚するらしいよ」
「本当ですか!良かったですね」
「ああ。結婚式、行こうな」
「もちろんです」
二人は笑い合った。
そして──
蓮は、返事の手紙を書き始めた。
「みんな、元気そうで良かった。俺も、アリシアも元気だ。セラ、結婚おめでとう。絶対に式に行くから。またみんなで会おう。ずっと、仲間だからな」
手紙を書き終えて、蓮は窓の外を見た。
青い空。
白い雲。
平和な世界。
(ああ……俺は、本当に幸せだ)
蓮は心から思った。
この世界に転生して、本当に良かった。
みんなに出会えて、本当に良かった。
アリシアと一緒になれて、本当に良かった。
(これからも……ずっと、みんなと一緒に)
蓮は、静かに微笑んだ。
長い戦いは終わった。
そして、新しい人生が始まっている。
仲間たちと共に歩む、幸せな人生が。
蓮は一人で城の庭を歩いていた。
朝日が眩しい。
鳥のさえずりが心地よい。
平和な朝だった。
魔王を倒してから、こんな穏やかな朝を何度迎えただろう。
「神谷さん」
後ろから声がした。
振り返ると、アリシアが立っていた。
「おはよう、アリシア」
「おはようございます。早起きですね」
「ああ、なんだか眠れなくて」
蓮は苦笑した。
「昨日のことを考えてたら、目が冴えちゃって」
「昨日……祝賀会ですか?」
「それもあるけど……色々とね」
蓮は空を見上げた。
「こうして生きてるのが、まだ信じられないんだ」
「神谷さん……」
アリシアは蓮の隣に立った。
「私もです。何度も死にかけましたから」
「でも、生きてる」
「ええ、生きています」
二人は、しばらく黙って庭を眺めていた。
「ねえ、アリシア」
「はい?」
「俺、この世界に転生してきて良かったって思ってる」
蓮は正直に言った。
「元の世界じゃ、俺は何者でもなかった」
「ただの大学生で、特に目標もなくて……」
蓮は自嘲気味に笑った。
「でも、この世界に来て、みんなに出会えて……」
「俺は、初めて自分の居場所を見つけた気がするんだ」
アリシアは、蓮の手を握った。
「神谷さん……」
「あなたは、私たちにとっても大切な人です」
アリシアの目は、真剣だった。
「あなたがいなければ、私たちはここまで来れませんでした」
「あなたは、私たちの希望なんです」
蓮の胸が熱くなった。
「アリシア……ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございます」
二人は見つめ合った。
アリシアの青い瞳が、朝日を反射して輝いていた。
綺麗だな、と蓮は思った。
「あの……神谷さん」
「ん?」
「私……言いたいことがあるんです」
アリシアは少し顔を赤らめた。
「何?」
「私……あなたのことが……」
その時──
「おーい!二人とも、何してんだー!」
セラの声が響いた。
二人は慌てて離れた。
「せ、セラ……」
「おはよー!」
セラは駆け寄ってきた。
「二人とも、朝から仲いいねー」
「べ、別に……」
アリシアは顔を真っ赤にした。
「ふーん?」
セラはニヤニヤしていた。
「神谷、アリシアと何話してたの?」
「いや、別に……普通の話だよ」
「そうなの?アリシア、顔赤いけど」
「せ、セラ!」
アリシアは慌てた。
蓮は苦笑した。
(アリシア、何を言おうとしてたんだろう……)
その日の午後。
五人は王城の庭園で集まっていた。
国王から、正式に「英雄」の称号を授けられたばかりだった。
「英雄か……」
健太は自分の証書を見ていた。
「なんか、実感湧かないな」
「私もよ」
リリアが言った。
「でも、これで私たちは正式に国に認められたのね」
「えへへ、嬉しいな」
セラは嬉しそうだった。
「これでみんなから尊敬されるね」
「調子に乗るなよ」
健太が笑った。
アリシアは証書を大事そうに抱きしめていた。
「父上に……見せたかったな……」
アリシアの父は、アリシアが幼い頃に戦死していた。
「アリシアのお父さん、きっと喜んでるよ」
蓮が言った。
「娘が英雄になったんだから」
「そう……ですね」
アリシアは涙ぐんだ。
「父上、きっと見てくれていますよね」
「ああ、絶対に」
健太も頷いた。
「俺の親父も死んじゃったけど、きっと喜んでるはずだ」
「健太さんも……」
「ああ。俺が10歳の時に、魔物に殺された」
健太は空を見上げた。
「だから俺、強くなろうと思ったんだ」
「もう二度と、大切な人を失わないように」
「健太……」
蓮は健太の気持ちが痛いほど分かった。
「俺も……父親とは、あまり仲良くなかった」
蓮は話し始めた。
「父親は仕事ばかりで、家にほとんどいなくて」
「母親も、俺にあまり関心がなかった」
「だから俺、家族ってものが分からなかった」
蓮は四人を見た。
「でも、今は分かる」
「家族ってのは、血の繋がりじゃない」
「心で繋がってるかどうかだ」
「そして、俺にとっての家族は……」
蓮は笑った。
「みんな、お前たちだ」
四人は、少し驚いていた。
やがて──
アリシアが泣き出した。
「神谷さん……」
涙が溢れる。
「私も……同じです……」
「私にとっても、みんなは家族です……」
セラも泣き始めた。
「私も……私も……」
リリアは涙を拭いた。
「もう……泣かせないでよ……」
健太も目を赤くしていた。
「お前ら……泣くなよ……」
「健太さんも泣いてるじゃないですか」
アリシアが笑った。
「泣いてねえよ……目にゴミが入っただけだ……」
「嘘ばっかり」
セラがクスクス笑った。
五人は、抱き合った。
温かい抱擁。
心が繋がる感覚。
(ああ……俺は、本当に幸せだ)
蓮は心から思った。
この仲間たちと出会えて、本当に良かった。
その夜。
蓮は一人で部屋にいた。
ベッドに横になり、天井を見つめていた。
(これから、どうしよう……)
魔王は倒した。
世界は救われた。
では、これから何をすればいいのか。
冒険を続けるのか。
それとも、どこかに定住するのか。
(正直……まだ分からない)
その時、ドアがノックされた。
「はい」
「神谷さん、入ってもいいですか?」
アリシアの声だった。
「ああ、どうぞ」
ドアが開き、アリシアが入ってきた。
「お邪魔します」
「どうしたの?」
「あの……朝、言えなかったことがあって……」
アリシアは少し緊張していた。
「朝の……?」
蓮は思い出した。
アリシアが何か言いかけて、セラに邪魔された時のことだ。
「ああ、あの時の」
「はい」
アリシアはベッドの端に座った。
「神谷さん……私、あなたに伝えたいことがあるんです」
「何?」
蓮は起き上がった。
アリシアは、蓮の目を真っ直ぐ見た。
「私……あなたのことが好きです」
蓮の心臓が、止まりそうになった。
「え……」
「最初は、ただの仲間だと思っていました」
アリシアは続けた。
「でも、一緒に戦ううちに……あなたのことが気になるようになって……」
「あなたの優しさに、何度も救われました」
「あなたの強さに、何度も励まされました」
アリシアの目に、涙が浮かんだ。
「だから……私、あなたのことが……好きなんです」
蓮は、言葉が出なかった。
頭が真っ白になる。
(アリシアが……俺のことを……)
「神谷さん……」
アリシアは不安そうに蓮を見た。
「私の気持ち……迷惑でしたか……?」
「い、いや!」
蓮は慌てて言った。
「迷惑なんかじゃない!」
「むしろ……嬉しい」
「本当……ですか?」
「ああ」
蓮は頷いた。
「俺も……アリシアのことが好きだ」
「神谷さん……」
アリシアの目から、涙が溢れた。
「良かった……」
二人は見つめ合った。
そして──
アリシアが蓮に抱きついた。
「神谷さん……好きです……」
蓮も、アリシアを抱きしめた。
「俺も……好きだよ、アリシア」
温かい抱擁。
心臓の音が、重なって聞こえる。
しばらく、二人は抱き合っていた。
やがて、アリシアが顔を上げた。
「神谷さん……これから、ずっと一緒にいてくれますか?」
「ああ、もちろん」
蓮は微笑んだ。
「俺、アリシアのそばにいたい」
「ありがとうございます……」
アリシアは嬉しそうに微笑んだ。
その笑顔が、あまりにも美しくて──
蓮は、思わずアリシアの唇にキスをした。
アリシアは驚いたが、すぐに目を閉じた。
優しいキス。
心が溶けるような感覚。
二人は、ゆっくりと離れた。
「神谷さん……」
アリシアの顔は、真っ赤だった。
「ご、ごめん……つい……」
「いえ……嬉しかったです……」
アリシアは照れくさそうに笑った。
二人は、再び抱き合った。
この瞬間が、永遠に続けばいいのに。
蓮は心からそう思った。
翌日。
五人は再び庭園に集まっていた。
「で、これからどうする?」
健太が聞いた。
「魔王も倒したし、特にやることないよな」
「そうね……」
リリアは考え込んだ。
「私は、魔法学院に戻って研究を続けたいわ」
「じゃあ、王都に残るのか?」
「ええ、しばらくは」
セラが手を挙げた。
「私は、獣人の村に帰りたいな」
「家族に、魔王を倒したこと報告したいし」
「そっか」
健太は頷いた。
「俺は……まだ決めてないな」
「もう少し冒険を続けたい気もするし」
「でも、どこかに落ち着きたい気もする」
四人の視線が、蓮とアリシアに向けられた。
「お前らは?」
蓮とアリシアは顔を見合わせた。
「俺たちは……」
蓮は少し照れながら言った。
「一緒にいることにした」
「へー」
健太はニヤニヤした。
「ついに、くっついたか」
「く、くっついたって……」
アリシアは顔を赤くした。
「いいじゃん、お似合いだよ」
セラが笑った。
「おめでとう、二人とも」
リリアも微笑んだ。
「幸せにね」
「あ、ありがとう……」
蓮は照れくさかった。
「でも、これで解散ってわけじゃないよな?」
健太が聞いた。
「もちろん」
アリシアが答えた。
「私たちは、家族です」
「いつでも、会いに来てください」
「ああ」
健太は笑った。
「たまには集まろうぜ」
「そうね」
リリアも頷いた。
「年に一度は、こうして集まりましょう」
「約束だよ!」
セラが明るく言った。
五人は、手を重ね合った。
「約束だ」
全員が揃って言った。
その手は、温かかった。
それから、一週間が過ぎた。
リリアは魔法学院に戻った。
セラは獣人の村へ帰った。
健太は、放浪の旅に出た。
そして──
蓮とアリシアは、王都に残った。
二人は、小さな家を借りた。
王城の近くの、静かな住宅街。
「ここが、私たちの家ですね」
アリシアは嬉しそうだった。
「ああ」
蓮も笑った。
「これから、ここで二人で暮らすんだな」
「はい」
二人は家の中に入った。
リビング、キッチン、寝室。
シンプルだが、温かみのある家だった。
「神谷さん」
「ん?」
「私、料理作りますね」
「え、いいの?」
「もちろんです。私、料理得意なんですよ」
アリシアは誇らしげだった。
「じゃあ、お願いするよ」
「任せてください」
アリシアはキッチンへ向かった。
蓮は、リビングのソファに座った。
窓の外を見ると、青い空が広がっていた。
(こんな平和な日が来るなんて……)
蓮は感慨深かった。
魔王と戦っていた頃は、こんな日が来るとは思わなかった。
でも、今はこうして平和に暮らしている。
仲間たちのおかげだ。
(みんな、元気にしてるかな)
健太は、今頃どこで何をしているだろう。
リリアは、魔法の研究に没頭しているだろう。
セラは、家族と楽しく過ごしているだろう。
(また、会いたいな……)
その時、アリシアが料理を持ってきた。
「神谷さん、できましたよ」
「おお、早いな」
テーブルには、美味しそうな料理が並んでいた。
シチュー、パン、サラダ。
「いただきます」
二人は食べ始めた。
「美味しい!」
蓮は驚いた。
「本当に料理上手なんだな」
「ふふ、ありがとうございます」
アリシアは嬉しそうだった。
「これから、毎日作りますね」
「楽しみだな」
二人は、笑い合った。
その夜。
二人はベッドに並んで横になっていた。
「神谷さん」
「ん?」
「今日、楽しかったですね」
「ああ、楽しかった」
「これから、ずっとこんな日が続くんですよね」
「そうだな」
蓮はアリシアの手を握った。
「ずっと、一緒だ」
「はい……」
アリシアは蓮に寄り添った。
「神谷さん、愛してます」
「俺も、愛してるよ」
二人は抱き合った。
温かい体温。
優しい鼓動。
(ああ……俺は、なんて幸せなんだ)
蓮は目を閉じた。
長い戦いの後に訪れた、平和な日々。
大切な仲間たち。
そして、愛する人。
(これが……俺の居場所なんだ)
蓮は、静かに微笑んだ。
翌朝。
蓮が目を覚ますと、アリシアはもう起きていた。
キッチンから、いい匂いが漂ってくる。
「おはよう、神谷さん」
「おはよう」
蓮はキッチンへ行った。
アリシアが朝食を作っていた。
「今日は、何を作ってるの?」
「オムレツです」
「美味しそうだな」
二人はテーブルについた。
朝日が窓から差し込んで、部屋を明るく照らしている。
「いただきます」
二人は食べ始めた。
「そういえば」
蓮が言った。
「今日、国王から呼び出しがあるんだ」
「え、そうなんですか?」
「ああ。何か頼みたいことがあるらしい」
「また、任務でしょうか……」
アリシアは少し心配そうだった。
「大丈夫だよ。もう魔王はいないんだから、危険な任務はないはずだ」
「そうですね……」
午後、二人は王城へ向かった。
謁見の間には、国王が待っていた。
「よく来た、二人とも」
「お呼びでしょうか、陛下」
アリシアが尋ねた。
「ああ」
国王は頷いた。
「実は、二人に頼みたいことがある」
「何でしょう?」
「この国の、騎士団の教官になってほしいのだ」
「教官……ですか?」
「ああ。二人は魔王を倒した英雄だ」
「その経験を、若い騎士たちに伝えてほしい」
蓮とアリシアは顔を見合わせた。
「どうだろうか?」
「私は……」
アリシアは少し迷った。
「構いません。騎士として、後進の育成は大切ですから」
「神谷さんは?」
「俺も……大丈夫です」
蓮は頷いた。
「俺も、支援魔術を教えられるなら」
「ありがとう」
国王は微笑んだ。
「では、明日から頼む」
翌日から、二人は騎士団の教官として働き始めた。
若い騎士たちは、最初は緊張していた。
「魔王を倒した英雄」が教官だと聞いて、萎縮していたのだ。
でも、蓮とアリシアは優しく接した。
「大丈夫、リラックスして」
「俺たちも、最初は弱かったんだ」
そう言って、蓮は支援魔術を教えた。
アリシアは、剣術を教えた。
若い騎士たちは、次第に心を開いていった。
「神谷教官、これで合ってますか?」
「ああ、上手いよ。その調子だ」
「アリシア教官、もっと強くなりたいです!」
「いいわ。じゃあ、もう一度やりましょう」
二人は、充実した日々を過ごしていた。
そして──
ある日の夕方。
訓練が終わった後、二人は城の屋上に立っていた。
夕日が、街を赤く染めている。
「綺麗ですね」
アリシアが呟いた。
「ああ」
蓮も頷いた。
「こんな平和な景色を見られるなんて、夢みたいだ」
「本当ですね……」
アリシアは蓮の手を握った。
「神谷さん、ありがとうございます」
「何で?」
「あなたと出会えて、本当に良かった」
「あなたがいたから、私は強くなれました」
「あなたがいたから、私は幸せになれました」
アリシアの目に、涙が浮かんでいた。
「アリシア……」
蓮も、アリシアを抱きしめた。
「俺も、アリシアに出会えて良かった」
「これからも、ずっと一緒にいよう」
「はい……」
二人は、夕日を見つめた。
長い戦いの後に訪れた、平和な日々。
それは、二人で築き上げたもの。
そして──
これから先も、二人で歩んでいく未来。
蓮は、心から幸せだった。
(みんな……見てるか?)
(俺たちは、幸せに生きてるよ)
風が吹いて、二人の髪を揺らした。
優しい風。
温かい風。
それは、まるで仲間たちからの祝福のようだった。
それから、数ヶ月が過ぎた。
ある日、蓮とアリシアの家に手紙が届いた。
差出人は──健太だった。
「神谷、元気か?俺は今、北の国を旅してる。色々と面白いことがあるぜ。またいつか、会おうな」
リリアからも手紙が来た。
「神谷君、研究が進んだわ。新しい魔法を開発したの。今度会った時に見せるわね」
セラからも手紙が来た。
「神谷!元気ー?私、村で結婚することになったの!今度、結婚式するから来てね!」
蓮は、手紙を読みながら涙が出そうになった。
(みんな……元気そうだな)
「神谷さん、嬉しそうですね」
アリシアが笑った。
「ああ、みんなからの手紙だ」
「そうなんですか」
「セラ、結婚するらしいよ」
「本当ですか!良かったですね」
「ああ。結婚式、行こうな」
「もちろんです」
二人は笑い合った。
そして──
蓮は、返事の手紙を書き始めた。
「みんな、元気そうで良かった。俺も、アリシアも元気だ。セラ、結婚おめでとう。絶対に式に行くから。またみんなで会おう。ずっと、仲間だからな」
手紙を書き終えて、蓮は窓の外を見た。
青い空。
白い雲。
平和な世界。
(ああ……俺は、本当に幸せだ)
蓮は心から思った。
この世界に転生して、本当に良かった。
みんなに出会えて、本当に良かった。
アリシアと一緒になれて、本当に良かった。
(これからも……ずっと、みんなと一緒に)
蓮は、静かに微笑んだ。
長い戦いは終わった。
そして、新しい人生が始まっている。
仲間たちと共に歩む、幸せな人生が。
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