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第3話:診断、そして救済 ——「その痛み、僕が黙らせてあげるよ」
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「はぁっ、はぁっ、はぁ……っ!」
銀狼族の少女、ラナは絶望の中にいた。
背後から迫るのは、死の森の掃除屋「ポイズン・リザード」。その名の通り、一噛みで牛を腐らせる猛毒を湛えた巨大な蜥蜴が、三匹。
本来、銀狼族の戦士である彼女にとって、この程度の魔獣は敵ではないはずだった。彼女の脚力があれば、瞬きする間に首を撥ね、あるいは風よりも速くこの場を離脱できたはずなのだ。
だが、今のラナの足は、まるで泥沼に浸かっているかのように重い。
「なぜ……動かないの、私の足……!」
激痛が走る。場所は右の鼠径部から太ももにかけて。
数ヶ月前の戦いで負った古傷。癒術師には「完治した」と言われたはずのそこが、今、焼け付くような熱を持って彼女の自由を奪っていた。
(……いや、違う。傷の痛みだけじゃない)
彼女が纏っているのは、一族の伝統である重厚な「獣皮の戦闘衣」だ。
それは硬く、頑丈で、牙や爪を防ぐには適している。だが、同時に致命的な欠陥を抱えていた。汗を吸った皮は石のように重くなり、激しい動きのたびに、固定用の太い革紐が彼女の柔肌を容赦なく締め付ける。
特に右足。激しく踏み込むたび、革紐が鼠径部の血管と魔力経路を圧迫し、血流を止めていた。
「ギシャァァァ!」
ポイズン・リザードが跳ねた。毒の粘液を滴らせた牙が、ラナの喉元に迫る。
ラナは剣を構えようとしたが、軸足が耐えきれず、無様に膝をついた。
(ここまで、か……)
誇り高き銀狼族の末路が、こんな湿った森の餌食だというのか。
父に託された剣も、一族の再興を誓った想いも、すべては毒蜥蜴の胃袋に消えるのか。
彼女が諦め、静かに瞳を閉じた――その時だった。
「――おいおい、そんな『拘束具』みたいな格好で運動しちゃダメだって! 自殺志願者かよ!」
鼓膜を突き破るような、突き抜けて明るい声。
直後、空気が爆ぜた。
ドォォォォンッ!!
ラナの目の前で、ポイズン・リザードの巨躯が「への字」に折れ曲がり、後方の巨木を三本まとめてなぎ倒しながら吹き飛んだ。
何が起きたのか理解できないラナが目を見開くと、そこには一人の男が立っていた。
蛍光グリーンの奇妙な布を肩にかけ、泥にまみれたワイシャツの袖を捲り上げた、あまりにもこの場に不釣り合いな「異界の男」――佐藤零助である。
「……あ、あの、あなたは……?」
「おっと、喋らなくていいよ。それより今はこっちだ」
零助は残る二匹のリザードを一瞥もせず、背後から迫る凶刃を、まるで見えているかのように最小限の動きで回避した。
いや、回避というよりは、体が勝手に最適解を選んでいるような、不気味なほどスムーズな挙動だ。
「【剛体・加圧】……出力10%。衝撃吸収、展開」
零助が軽く地面を蹴る。
彼の足元で土が爆発し、次の瞬間には一匹のリザードの脳天に、彼の踵がめり込んでいた。
パキィ、という乾いた音が響く。鋼鉄の鱗を持つ魔獣が、ただのサンダルで踏み潰されたかのように絶命した。
「ギチッ、ギチィィ!」
最後の一匹が恐怖に駆られ、逃げ出そうとする。だが零助は逃がさない。
「逃げんなよ。お前、彼女の『バイオメカニクス』を邪魔した罪は重いぞ?」
零助の手が空を掴む。
そこには何もなかったはずだが、彼が指を鳴らした瞬間、空間から「ワイヤー入りの極細ストラップ」のような光の線が伸び、逃げるリザードの足を絡めとった。
「【禁書庫】展開。……悪いけど、今は診察の邪魔なんだ。退場してくれ」
零助が腕を振ると、リザードは凄まじい遠心力で森の彼方へと放り投げられた。
戦闘終了。わずか数秒の出来事だった。
ラナは呆然としていた。自分を殺そうとしていた災厄を、この男はまるで「廊下のゴミを払う」かのような手軽さで片付けてしまった。
だが、驚愕に浸る時間はなかった。
零助が、恐ろしいほどの真剣な眼差しで、ラナの足元に跪いたからだ。
「ひっ、あ……な、何を……触らな……っ!」
ラナは震える声で拒絶しようとした。当然だ。人里離れた死の森、絶体絶命の窮地。そこで救われたと思った直後、初対面の男にいきなり太ももを掴まれたのだ。
彼女の種族の常識では、男は獣であり、隙あらば女を組み敷こうとする存在。ラナは最悪の事態を覚悟し、体が強張る。
だが、零助の指先が触れた瞬間、彼女は言葉を失った。
「っ、あぁ……っ!?」
熱い。零助の掌が触れている場所から、火がついたような熱が広がり、背筋に電流が走る。
ただ太ももを撫でられているだけなのに、まるで全身の粘膜を直接弄られているような、抗いがたい快感が脳を突き抜けた。
(な、何これ……なんで、こんな……っ!)
恐怖していたはずなのに、熱い吐息が漏れ、膝の力が抜けていく。こんな状況で、得体の知れない男に触れられただけで自分は感じているのか。戦士としての誇りも理性も、ドロドロに溶かされていくような感覚にラナは激しいショックを受ける。
だが、その熱は収まるどころか、彼女の体内を巡り、芯まで侵食していく――。
しかし、その実態は情欲ではなかった。
それは零助の魔力が、彼女の体の中で滞っていた「何か」を見透かし、強制的に循環を再開させようとしている鋭利な波動だった。
「……あぁ、やっぱり。ひどいな、これは。君、よくこれで歩けてたね」
零助の瞳には、性的な欲望など微塵もなかった。
そこにあるのは、手術を前にした名医か、あるいは一本の糸の狂いも許さない職人のような、狂気的な熱量だけだ。
零助の視界には、今、この世界の住人には決して見えない光景が広がっていた。
固有スキル【下着の禁書庫(ランジェリー・アーカイブ)】のパッシブ機能――『ランジェリー・スキャン』。
彼の網膜には、ラナの筋肉の動き、血流、そして魔力の流れが等高線のようなグラフとなって投影されている。そして、その流れを無残に断ち切っている「犯人」が、赤く点滅して強調されていた。
「原因は……この『獣皮の腰巻き』だ。それと、その固定に使っている硬すぎる革紐」
「え……? これは、一族に伝わる伝統の防具で……」
「伝統? はっ、笑わせるな」
零助は鼻で笑った。その顔は、自社製品にクレームをつけられた開発担当者のように険しい。
「いいかい、素材の硬さは防御力にはなる。だが、関節の可動域を考慮しない設計は、ただの『拘束具』だ。君の右足、数ヶ月前に大怪我してるだろ? 筋肉の癒着が完全じゃない。そこに、この保水性の高い皮が汗を吸って重なり、リンパを圧迫している。結果、魔力の循環がここで――」
零助が、ラナの鼠径部にある一点を指先で突いた。
「――ここで、渋滞を起こしてるんだ。高速道路のジャンクションに大型トラックが横倒しになってるようなもんだよ。これじゃあ、どんなに君に実力があっても、出力は30%も出せない」
「なにを…言っているの……」
「さらに言えば、この布地の摩擦抵抗。君の皮膚は繊細だ。激しい運動のたびに皮膚と布がこすれ、微細な炎症を起こしている。君の体が、無意識にその痛みを避けようとしてフォームを崩し、さらに古傷を悪化させる……。負のスパイラルだね」
零助は立ち上がり、天を仰いだ。その表情は悲痛ですらある。
「……絶望したよ。この世界には『機能美』という概念がないのか? 女性の体を守り、引き立てるはずの布が、逆に持ち主を殺そうとしているなんて。……許せない。これは、下着プランナーとしての俺のプライドが、絶対に許さないッ!!」
「君、ちょっと失礼するよ。……いや、失礼はもうしてるな。本格的に『救済』させてもらう」
「えっ、ちょ、ちょっと!? な、何を……どこを脱がそうとしてるのよ……っ!」
零助の手が腰のベルトに掛かった瞬間、ラナの心臓が跳ね上がった。
やはり助けた見返りに、このまま手籠めにされるのだと確信する。激しく暴れて抵抗しようとするが、不思議と体は動かなかった。恐怖で竦んでいるのか、それとも先ほど流し込まれた「魔力の熱」に、深層心理が抗えなくなっているのか。
(だめ……殺される……それとも、あんなことや、こんなことを……っ)
頭の中では、一族の年長者から聞かされていた「人間の男」の不潔で暴力的なイメージが渦巻く。だが同時に、零助の熱い指先が肌に触れるたび、言いようのない期待感――禁断の扉に触れるような高揚感が、恐怖の裏側で鎌首をもたげていた。
(この男に……すべてを暴かれる。私の、知らない私にされてしまう……)
荒い吐息を漏らし、瞳を潤ませながら、彼女は必死に抗う。だがその抵抗は、どこか誘っているかのような弱々しさを帯び始めていた。
「黙って! これはオペだ! 1ミリのズレも許されない精密作業なんだよ!」
「あ……っ、ふぅ……ッ!」
零助の怒声に近い真剣な声が、逆にラナの理性を粉砕する。
襲われるという恐怖と、未知の悦楽への予感。その限界ギリギリのパニックの中で、彼女はついに零助の手になすがままに身を委ねてしまった。
零助は【禁書庫】を脳内でフル回転させた。ターゲットは決まっている。現代日本のスポーツ医学と繊維工学が産んだ結晶――『医療用段階着圧サポーター』。
「【現物取り寄せ】……『メディカル・コンプレッション・ハイエンド』、解析開始!」
虚空から光り輝く黒い布が召喚される。だが、そのままではこの世界の過酷な環境には耐えられない。零助は即座に【魔導再構築(リビルド・テーラー)】を並行起動した。
「アラクネの糸、抽出! 強靭な伸縮性と魔導伝導率を確保。アイアン・ボアの極薄皮、分子分解……摩擦係数ゼロのシームレス加工として再統合。……仕上げに、俺の魔力を『形状記憶の概念』として流し込む!」
零助の両手の中で、光の粒子が渦を巻く。
それは、もはや裁縫というレベルではない。分子レベルで布を編み上げ、魔法的な機能を付与する「神の業」だ。
「よし……完成だ。異世界プロトタイプ第1号――『銀狼の加護(シルバー・サポーター)』。……履かせてあげるよ。じっとしてて」
「まっ……待って、自分でするから……っ!」
「ダメだ! 着圧のバランスはミリ単位の調整が必要なんだ! 素人が適当に履いたら、効果が半減するんだよ!」
結局、ラナは顔を真っ赤にしながら、零助のなすがままになった。
零助の指が、彼女の足を滑る。驚くほど丁寧で、それでいて迷いのない手つき。
足首からふくらはぎ、そして太ももへと、新しい「布」が吸い付くように装着されていく。
「……あ」
その瞬間、ラナの背中に電撃が走った。
冷たい。いや、心地よい引き締まり感。
先ほどまで感じていた、右足の奥底に溜まっていた重苦しい「澱(おり)」のようなものが、装着されたサポーターを通じて、スゥーッと上へと押し流されていく。
「な、何これ……? 足が、自分のものじゃないみたい……温かい魔力が、どんどん湧いてくる……!」
「それが『段階着圧』の力だよ。下から上へ、血流と魔力を押し上げる。さらに君の古傷の部分には、特殊な『X字補強クロス』を配置した。筋肉の代わりになって、骨格を支えてくれるはずだ」
零助は最後の一仕上げとして、サポーターの端をラナの肌に密着させ、満足げに頷いた。
「いいかい、痛みは体が発する『装備不良』の悲鳴なんだ。……これで、君の痛みは黙ったはずだよ」
ラナが恐る恐る立ち上がる。
地面を踏んだ瞬間、彼女の瞳が驚愕に染まった。
重力から解放されたかのような、圧倒的な軽さ。そして、今まで一度も感じたことのない、全身の魔力回路が「直通」した感覚。
「……信じられない。これ、本当に私が履いていたのと同じ『布』なの……?」
「布じゃない。それは君の可能性を拡張する『外骨格』だ。……さあ、あのお代わり連中に、本当の君を見せてやりなよ」
森の奥から、再びリザードの群れが、仲間の仇を討つべく姿を現した。
だが、今のラナの瞳に、絶望の色は微塵もなかった。
「ギシャァァァァッ!!」
森の影から飛び出してきた五匹のポイズン・リザード。先ほどよりも大型、この群れの精鋭たちだ。
だが、ラナの視界は以前とは一変していた。
(……見える。空気の震えも、奴らの筋肉の収縮も、すべてが止まって見える!)
彼女が軽く地面を蹴った瞬間、爆音とともに土塊が舞い上がった。
次の瞬間には、ラナの姿は消失している。
「なっ……!?」
先頭のリザードが反応する間もなかった。
銀色の閃光が奔り、魔獣の首が虚空を舞う。返り血を浴びる間もなく、ラナは二匹目、三匹目の懐へと潜り込んでいた。
「軽い……! 痛く……ない! 踏み込んだ力が、一滴も漏れずに剣に伝わっていく!」
零助が施したサポーターは、単に足を保護するだけではない。アラクネの糸による魔導伝導性が、ラナの銀狼族特有の「風の魔力」をブーストさせ、全身の神経伝達速度を極限まで加速させていたのだ。
「これで……最後!」
ラナが空中で一回転し、最後の一匹の脳天に踵落としを叩き込む。
ドシュゥッ! という重い衝撃音とともに、リザードの巨体が地面にめり込み、絶命した。
静寂が戻る。
ラナは荒い息をつきながら、自分の脚を見つめた。
そこには、零助が作り上げた漆黒のサポーターが、鈍い光を放ちながら彼女の肌に完璧に馴染んでいる。激しい戦闘を経た後だというのに、ズレ一つ、シワ一つない。
「すごすぎるわ……。私、こんなに動けたの……?」
「まあ、素材が良かったからね。君自身のポテンシャルが120%引き出された結果だよ」
零助が拍手をしながら近づいてくる。
その手には、いつの間にかどこから取り出したのか、計測用のメジャーが握られていた。
「さて、とりあえずの応急処置は終わったけど……本番はここからだ」
「……本番?」
ラナが首を傾げたその時、零助の瞳が獲物を見つけた肉食獣(あるいは熱狂的なデザイナー)のそれに変わった。
「そのサポーターはあくまで足の補助だ。だが、君の戦闘スタイルを見る限り、上半身の『体幹のブレ』がまだ気になる。……特に胸部。銀狼族特有の跳躍の際、その揺れが着地の重心をコンマ数秒遅らせている。これは由々しき事態だ。現代科学が誇る『スポーツブラ』の概念を導入すれば、君はあと二段階は速くなれる」
「さぽーたー?……すぽーつぶら? 何の話……?」
「簡単に言えば、君を無敵にするための『聖なる装備』の相談だよ」
「それで……結局、貴方は何者なの?」
魔獣の死骸を片付け(と言っても零助が素材を剥ぎ取っただけだが)、焚き火を囲みながらラナが尋ねた。
彼女の警戒心は、先ほどの圧倒的な「救済」によって、感謝と尊敬、そして少しの戸惑いへと上書きされていた。
零助は、異世界召喚の際に王城から投げ捨てられた例のライムグリーンのスポブラを大切そうに畳み、ポケットに仕舞いながら爽やかに微笑んだ。
「俺? 俺は佐藤零助。日本っていう遠い国から来た、ただの下着メーカー勤務だよ」
「したぎ……めーかー?」
「ああ、女性の美と健康、そして可能性を『肌から守る』布の守護者だと思ってもらえればいい。……君、名前は?」
「ラナよ。銀狼族の、ラナ」
「いい名前だ、ラナ。……さて、ラナ。君のその素晴らしい脚力、そして戦士としての誇りを、俺に預けてみないか?」
零助は立ち上がり、夕闇に包まれる死の森の奥を見据えた。
「俺はこの世界に、正しい『下着』を広める。粗悪な布で肌を痛め、能力を制限されているすべての女性たちを解放してやるんだ。そのための第一歩として、俺の専属モデル……いや、広報兼護衛になってほしい。報酬は、君が今まで見たこともないような『最高の一着』だ」
「……よくわからないけど。貴方が私の命を救ってくれたのは事実よ。それに、この足の軽さを知ってしまったら……もう、あの重い革紐には戻れない」
ラナは恥じらいながらも、力強く零助の手を握り返した。
「決まりだね。……じゃあ、まずは精密採寸から始めようか。えーっと、アンダーとトップ、それからヒップ周りの魔力抵抗値を測りたいんだけど……あ、逃げないで! これは医学的なプロセスなんだってば!」
「やっぱり変態じゃないのよぉぉぉっ!!」
銀狼族の少女の叫びが、夜の森に虚しく響き渡る。
こうして、異世界の常識を「アンダーウェア」から塗り替える、佐藤零助の無双の旅に最初の相棒が加わった。
銀狼族の少女、ラナは絶望の中にいた。
背後から迫るのは、死の森の掃除屋「ポイズン・リザード」。その名の通り、一噛みで牛を腐らせる猛毒を湛えた巨大な蜥蜴が、三匹。
本来、銀狼族の戦士である彼女にとって、この程度の魔獣は敵ではないはずだった。彼女の脚力があれば、瞬きする間に首を撥ね、あるいは風よりも速くこの場を離脱できたはずなのだ。
だが、今のラナの足は、まるで泥沼に浸かっているかのように重い。
「なぜ……動かないの、私の足……!」
激痛が走る。場所は右の鼠径部から太ももにかけて。
数ヶ月前の戦いで負った古傷。癒術師には「完治した」と言われたはずのそこが、今、焼け付くような熱を持って彼女の自由を奪っていた。
(……いや、違う。傷の痛みだけじゃない)
彼女が纏っているのは、一族の伝統である重厚な「獣皮の戦闘衣」だ。
それは硬く、頑丈で、牙や爪を防ぐには適している。だが、同時に致命的な欠陥を抱えていた。汗を吸った皮は石のように重くなり、激しい動きのたびに、固定用の太い革紐が彼女の柔肌を容赦なく締め付ける。
特に右足。激しく踏み込むたび、革紐が鼠径部の血管と魔力経路を圧迫し、血流を止めていた。
「ギシャァァァ!」
ポイズン・リザードが跳ねた。毒の粘液を滴らせた牙が、ラナの喉元に迫る。
ラナは剣を構えようとしたが、軸足が耐えきれず、無様に膝をついた。
(ここまで、か……)
誇り高き銀狼族の末路が、こんな湿った森の餌食だというのか。
父に託された剣も、一族の再興を誓った想いも、すべては毒蜥蜴の胃袋に消えるのか。
彼女が諦め、静かに瞳を閉じた――その時だった。
「――おいおい、そんな『拘束具』みたいな格好で運動しちゃダメだって! 自殺志願者かよ!」
鼓膜を突き破るような、突き抜けて明るい声。
直後、空気が爆ぜた。
ドォォォォンッ!!
ラナの目の前で、ポイズン・リザードの巨躯が「への字」に折れ曲がり、後方の巨木を三本まとめてなぎ倒しながら吹き飛んだ。
何が起きたのか理解できないラナが目を見開くと、そこには一人の男が立っていた。
蛍光グリーンの奇妙な布を肩にかけ、泥にまみれたワイシャツの袖を捲り上げた、あまりにもこの場に不釣り合いな「異界の男」――佐藤零助である。
「……あ、あの、あなたは……?」
「おっと、喋らなくていいよ。それより今はこっちだ」
零助は残る二匹のリザードを一瞥もせず、背後から迫る凶刃を、まるで見えているかのように最小限の動きで回避した。
いや、回避というよりは、体が勝手に最適解を選んでいるような、不気味なほどスムーズな挙動だ。
「【剛体・加圧】……出力10%。衝撃吸収、展開」
零助が軽く地面を蹴る。
彼の足元で土が爆発し、次の瞬間には一匹のリザードの脳天に、彼の踵がめり込んでいた。
パキィ、という乾いた音が響く。鋼鉄の鱗を持つ魔獣が、ただのサンダルで踏み潰されたかのように絶命した。
「ギチッ、ギチィィ!」
最後の一匹が恐怖に駆られ、逃げ出そうとする。だが零助は逃がさない。
「逃げんなよ。お前、彼女の『バイオメカニクス』を邪魔した罪は重いぞ?」
零助の手が空を掴む。
そこには何もなかったはずだが、彼が指を鳴らした瞬間、空間から「ワイヤー入りの極細ストラップ」のような光の線が伸び、逃げるリザードの足を絡めとった。
「【禁書庫】展開。……悪いけど、今は診察の邪魔なんだ。退場してくれ」
零助が腕を振ると、リザードは凄まじい遠心力で森の彼方へと放り投げられた。
戦闘終了。わずか数秒の出来事だった。
ラナは呆然としていた。自分を殺そうとしていた災厄を、この男はまるで「廊下のゴミを払う」かのような手軽さで片付けてしまった。
だが、驚愕に浸る時間はなかった。
零助が、恐ろしいほどの真剣な眼差しで、ラナの足元に跪いたからだ。
「ひっ、あ……な、何を……触らな……っ!」
ラナは震える声で拒絶しようとした。当然だ。人里離れた死の森、絶体絶命の窮地。そこで救われたと思った直後、初対面の男にいきなり太ももを掴まれたのだ。
彼女の種族の常識では、男は獣であり、隙あらば女を組み敷こうとする存在。ラナは最悪の事態を覚悟し、体が強張る。
だが、零助の指先が触れた瞬間、彼女は言葉を失った。
「っ、あぁ……っ!?」
熱い。零助の掌が触れている場所から、火がついたような熱が広がり、背筋に電流が走る。
ただ太ももを撫でられているだけなのに、まるで全身の粘膜を直接弄られているような、抗いがたい快感が脳を突き抜けた。
(な、何これ……なんで、こんな……っ!)
恐怖していたはずなのに、熱い吐息が漏れ、膝の力が抜けていく。こんな状況で、得体の知れない男に触れられただけで自分は感じているのか。戦士としての誇りも理性も、ドロドロに溶かされていくような感覚にラナは激しいショックを受ける。
だが、その熱は収まるどころか、彼女の体内を巡り、芯まで侵食していく――。
しかし、その実態は情欲ではなかった。
それは零助の魔力が、彼女の体の中で滞っていた「何か」を見透かし、強制的に循環を再開させようとしている鋭利な波動だった。
「……あぁ、やっぱり。ひどいな、これは。君、よくこれで歩けてたね」
零助の瞳には、性的な欲望など微塵もなかった。
そこにあるのは、手術を前にした名医か、あるいは一本の糸の狂いも許さない職人のような、狂気的な熱量だけだ。
零助の視界には、今、この世界の住人には決して見えない光景が広がっていた。
固有スキル【下着の禁書庫(ランジェリー・アーカイブ)】のパッシブ機能――『ランジェリー・スキャン』。
彼の網膜には、ラナの筋肉の動き、血流、そして魔力の流れが等高線のようなグラフとなって投影されている。そして、その流れを無残に断ち切っている「犯人」が、赤く点滅して強調されていた。
「原因は……この『獣皮の腰巻き』だ。それと、その固定に使っている硬すぎる革紐」
「え……? これは、一族に伝わる伝統の防具で……」
「伝統? はっ、笑わせるな」
零助は鼻で笑った。その顔は、自社製品にクレームをつけられた開発担当者のように険しい。
「いいかい、素材の硬さは防御力にはなる。だが、関節の可動域を考慮しない設計は、ただの『拘束具』だ。君の右足、数ヶ月前に大怪我してるだろ? 筋肉の癒着が完全じゃない。そこに、この保水性の高い皮が汗を吸って重なり、リンパを圧迫している。結果、魔力の循環がここで――」
零助が、ラナの鼠径部にある一点を指先で突いた。
「――ここで、渋滞を起こしてるんだ。高速道路のジャンクションに大型トラックが横倒しになってるようなもんだよ。これじゃあ、どんなに君に実力があっても、出力は30%も出せない」
「なにを…言っているの……」
「さらに言えば、この布地の摩擦抵抗。君の皮膚は繊細だ。激しい運動のたびに皮膚と布がこすれ、微細な炎症を起こしている。君の体が、無意識にその痛みを避けようとしてフォームを崩し、さらに古傷を悪化させる……。負のスパイラルだね」
零助は立ち上がり、天を仰いだ。その表情は悲痛ですらある。
「……絶望したよ。この世界には『機能美』という概念がないのか? 女性の体を守り、引き立てるはずの布が、逆に持ち主を殺そうとしているなんて。……許せない。これは、下着プランナーとしての俺のプライドが、絶対に許さないッ!!」
「君、ちょっと失礼するよ。……いや、失礼はもうしてるな。本格的に『救済』させてもらう」
「えっ、ちょ、ちょっと!? な、何を……どこを脱がそうとしてるのよ……っ!」
零助の手が腰のベルトに掛かった瞬間、ラナの心臓が跳ね上がった。
やはり助けた見返りに、このまま手籠めにされるのだと確信する。激しく暴れて抵抗しようとするが、不思議と体は動かなかった。恐怖で竦んでいるのか、それとも先ほど流し込まれた「魔力の熱」に、深層心理が抗えなくなっているのか。
(だめ……殺される……それとも、あんなことや、こんなことを……っ)
頭の中では、一族の年長者から聞かされていた「人間の男」の不潔で暴力的なイメージが渦巻く。だが同時に、零助の熱い指先が肌に触れるたび、言いようのない期待感――禁断の扉に触れるような高揚感が、恐怖の裏側で鎌首をもたげていた。
(この男に……すべてを暴かれる。私の、知らない私にされてしまう……)
荒い吐息を漏らし、瞳を潤ませながら、彼女は必死に抗う。だがその抵抗は、どこか誘っているかのような弱々しさを帯び始めていた。
「黙って! これはオペだ! 1ミリのズレも許されない精密作業なんだよ!」
「あ……っ、ふぅ……ッ!」
零助の怒声に近い真剣な声が、逆にラナの理性を粉砕する。
襲われるという恐怖と、未知の悦楽への予感。その限界ギリギリのパニックの中で、彼女はついに零助の手になすがままに身を委ねてしまった。
零助は【禁書庫】を脳内でフル回転させた。ターゲットは決まっている。現代日本のスポーツ医学と繊維工学が産んだ結晶――『医療用段階着圧サポーター』。
「【現物取り寄せ】……『メディカル・コンプレッション・ハイエンド』、解析開始!」
虚空から光り輝く黒い布が召喚される。だが、そのままではこの世界の過酷な環境には耐えられない。零助は即座に【魔導再構築(リビルド・テーラー)】を並行起動した。
「アラクネの糸、抽出! 強靭な伸縮性と魔導伝導率を確保。アイアン・ボアの極薄皮、分子分解……摩擦係数ゼロのシームレス加工として再統合。……仕上げに、俺の魔力を『形状記憶の概念』として流し込む!」
零助の両手の中で、光の粒子が渦を巻く。
それは、もはや裁縫というレベルではない。分子レベルで布を編み上げ、魔法的な機能を付与する「神の業」だ。
「よし……完成だ。異世界プロトタイプ第1号――『銀狼の加護(シルバー・サポーター)』。……履かせてあげるよ。じっとしてて」
「まっ……待って、自分でするから……っ!」
「ダメだ! 着圧のバランスはミリ単位の調整が必要なんだ! 素人が適当に履いたら、効果が半減するんだよ!」
結局、ラナは顔を真っ赤にしながら、零助のなすがままになった。
零助の指が、彼女の足を滑る。驚くほど丁寧で、それでいて迷いのない手つき。
足首からふくらはぎ、そして太ももへと、新しい「布」が吸い付くように装着されていく。
「……あ」
その瞬間、ラナの背中に電撃が走った。
冷たい。いや、心地よい引き締まり感。
先ほどまで感じていた、右足の奥底に溜まっていた重苦しい「澱(おり)」のようなものが、装着されたサポーターを通じて、スゥーッと上へと押し流されていく。
「な、何これ……? 足が、自分のものじゃないみたい……温かい魔力が、どんどん湧いてくる……!」
「それが『段階着圧』の力だよ。下から上へ、血流と魔力を押し上げる。さらに君の古傷の部分には、特殊な『X字補強クロス』を配置した。筋肉の代わりになって、骨格を支えてくれるはずだ」
零助は最後の一仕上げとして、サポーターの端をラナの肌に密着させ、満足げに頷いた。
「いいかい、痛みは体が発する『装備不良』の悲鳴なんだ。……これで、君の痛みは黙ったはずだよ」
ラナが恐る恐る立ち上がる。
地面を踏んだ瞬間、彼女の瞳が驚愕に染まった。
重力から解放されたかのような、圧倒的な軽さ。そして、今まで一度も感じたことのない、全身の魔力回路が「直通」した感覚。
「……信じられない。これ、本当に私が履いていたのと同じ『布』なの……?」
「布じゃない。それは君の可能性を拡張する『外骨格』だ。……さあ、あのお代わり連中に、本当の君を見せてやりなよ」
森の奥から、再びリザードの群れが、仲間の仇を討つべく姿を現した。
だが、今のラナの瞳に、絶望の色は微塵もなかった。
「ギシャァァァァッ!!」
森の影から飛び出してきた五匹のポイズン・リザード。先ほどよりも大型、この群れの精鋭たちだ。
だが、ラナの視界は以前とは一変していた。
(……見える。空気の震えも、奴らの筋肉の収縮も、すべてが止まって見える!)
彼女が軽く地面を蹴った瞬間、爆音とともに土塊が舞い上がった。
次の瞬間には、ラナの姿は消失している。
「なっ……!?」
先頭のリザードが反応する間もなかった。
銀色の閃光が奔り、魔獣の首が虚空を舞う。返り血を浴びる間もなく、ラナは二匹目、三匹目の懐へと潜り込んでいた。
「軽い……! 痛く……ない! 踏み込んだ力が、一滴も漏れずに剣に伝わっていく!」
零助が施したサポーターは、単に足を保護するだけではない。アラクネの糸による魔導伝導性が、ラナの銀狼族特有の「風の魔力」をブーストさせ、全身の神経伝達速度を極限まで加速させていたのだ。
「これで……最後!」
ラナが空中で一回転し、最後の一匹の脳天に踵落としを叩き込む。
ドシュゥッ! という重い衝撃音とともに、リザードの巨体が地面にめり込み、絶命した。
静寂が戻る。
ラナは荒い息をつきながら、自分の脚を見つめた。
そこには、零助が作り上げた漆黒のサポーターが、鈍い光を放ちながら彼女の肌に完璧に馴染んでいる。激しい戦闘を経た後だというのに、ズレ一つ、シワ一つない。
「すごすぎるわ……。私、こんなに動けたの……?」
「まあ、素材が良かったからね。君自身のポテンシャルが120%引き出された結果だよ」
零助が拍手をしながら近づいてくる。
その手には、いつの間にかどこから取り出したのか、計測用のメジャーが握られていた。
「さて、とりあえずの応急処置は終わったけど……本番はここからだ」
「……本番?」
ラナが首を傾げたその時、零助の瞳が獲物を見つけた肉食獣(あるいは熱狂的なデザイナー)のそれに変わった。
「そのサポーターはあくまで足の補助だ。だが、君の戦闘スタイルを見る限り、上半身の『体幹のブレ』がまだ気になる。……特に胸部。銀狼族特有の跳躍の際、その揺れが着地の重心をコンマ数秒遅らせている。これは由々しき事態だ。現代科学が誇る『スポーツブラ』の概念を導入すれば、君はあと二段階は速くなれる」
「さぽーたー?……すぽーつぶら? 何の話……?」
「簡単に言えば、君を無敵にするための『聖なる装備』の相談だよ」
「それで……結局、貴方は何者なの?」
魔獣の死骸を片付け(と言っても零助が素材を剥ぎ取っただけだが)、焚き火を囲みながらラナが尋ねた。
彼女の警戒心は、先ほどの圧倒的な「救済」によって、感謝と尊敬、そして少しの戸惑いへと上書きされていた。
零助は、異世界召喚の際に王城から投げ捨てられた例のライムグリーンのスポブラを大切そうに畳み、ポケットに仕舞いながら爽やかに微笑んだ。
「俺? 俺は佐藤零助。日本っていう遠い国から来た、ただの下着メーカー勤務だよ」
「したぎ……めーかー?」
「ああ、女性の美と健康、そして可能性を『肌から守る』布の守護者だと思ってもらえればいい。……君、名前は?」
「ラナよ。銀狼族の、ラナ」
「いい名前だ、ラナ。……さて、ラナ。君のその素晴らしい脚力、そして戦士としての誇りを、俺に預けてみないか?」
零助は立ち上がり、夕闇に包まれる死の森の奥を見据えた。
「俺はこの世界に、正しい『下着』を広める。粗悪な布で肌を痛め、能力を制限されているすべての女性たちを解放してやるんだ。そのための第一歩として、俺の専属モデル……いや、広報兼護衛になってほしい。報酬は、君が今まで見たこともないような『最高の一着』だ」
「……よくわからないけど。貴方が私の命を救ってくれたのは事実よ。それに、この足の軽さを知ってしまったら……もう、あの重い革紐には戻れない」
ラナは恥じらいながらも、力強く零助の手を握り返した。
「決まりだね。……じゃあ、まずは精密採寸から始めようか。えーっと、アンダーとトップ、それからヒップ周りの魔力抵抗値を測りたいんだけど……あ、逃げないで! これは医学的なプロセスなんだってば!」
「やっぱり変態じゃないのよぉぉぉっ!!」
銀狼族の少女の叫びが、夜の森に虚しく響き渡る。
こうして、異世界の常識を「アンダーウェア」から塗り替える、佐藤零助の無双の旅に最初の相棒が加わった。
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