『下着の禁書庫(ランジェリー・アーカイブ)』 〜1日1枚だけ地球のコレクションを召喚したら、異世界の女たちが僕なしでは生きられない体になった

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第4話:至高の仕立て屋(ゴッド・テーラー)

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「……ここが、貴方の拠点なの?」

ラナは、洞窟の奥に広がる光景に目を疑った。
そこは、彼女が知る「湿っぽくて薄暗い穴ぐら」ではなかった。
洞窟の壁面には魔導光石が等間隔に配置され、昼間のような明るさを保っている。床は徹底的に掃き清められ、不快な匂い一つしない。それどころか、空気中には微かに、石鹸のような清潔な香りが漂っていた。

「拠点というか、即席のラボだね。衛生管理はすべての基本だから」

零助はそう言いながら、手際よくアイアン・ボアの毛を仕分け、アラクネの糸を魔力で紡ぎ直していた。
洞窟の中央には、木材を組み合わせて作られた頑丈な作業台。その上には、この世界には存在しないはずの精密な「型紙」が何枚も並べられている。

ラナは、先ほど足に施されたサポーターの感触を噛みしめながら、そわそわと周囲を見渡した。
右足の痛みは嘘のように消え、それどころか体中の魔力が、心地よい拍動を繰り返している。

(この男……ただの変態ではない。いや、変態なのは間違いないけれど……)

彼女が今まで出会ってきたどの「人間の男」よりも、零助の背中は自信に満ち溢れていた。同時に、彼の視線が時折、自分の身体を舐めまわすように見てくるたびに、ラナの心臓は跳ね上がる。助けられた。命を、そして誇りを救われた。

(……でも、ただで済むはずがない)

ここは男の住処であり、自分は独り。命を救われ、さらに先ほどのような信じられない魔法の装備まで与えられたのだ。その対価として、この男が何を要求してくるかなど、考えるまでもない。
銀狼族の誇りにかけて、簡単に身を許すわけにはいかない。そう思う一方で、彼女の身体は零助に触れられた場所からじわじわと熱を持ち続けていた。

もし、今ここで彼に組み伏せられ、あの熱い指先で全身を暴かれたら。
そう想像するだけで、恐怖で背筋が凍るのと同時に、下腹部の奥がキュッと締まるような、どうしようもない期待感が込み上げてくる。

(私は……犯されるの? それとも、これは「治療」の続きなの……?)

恐怖に震えながらも、彼から目を離すことができない。感謝と、絶望的な予感と、そして得体の知れない高揚感。ラナの心は、零助という未知の存在を前に、かつてないほど激しく揺れ動いていた。

「さて、ラナ。立ち話もなんだし、さっそく始めようか」

零助が、鋭い職人の眼差しで振り返る。

「君を最強の戦士にするための、真の『聖なる装備』……その製作プロセスだ」
「……え? 脱ぐ……の? 全部?」

ラナの声が震えた。零助が淡々と告げた「本格的な製作には全身の精密なデータが必要だ」という言葉を、彼女の脳がようやく理解したのだ。

(ああ……やっぱり。そういうことなのね)

頭のどこかで、冷たい確信がストンと落ちた。
命を救われ、奇跡のような力を与えられた。その対価を求められる時が来たのだ。ここは人里離れた洞窟。自分は丸裸にされ、この男の欲望のままに弄ばれる。その事実に、ラナは目の前が暗くなるような絶望を感じた。

だが、不思議と逃げ出そうという足は動かなかった。
彼に救われたという巨大な恩義。そして、先ほど太ももに触れられた時に走った、あの狂おしいほどの熱。それらが彼女の理性を、静かな諦めへと導いていた。

(……好きにすればいい。私の体で、貴方の気が済むのなら)

抗うことをやめ、運命を預ける。それは戦士としての死を意味するかもしれない。けれど、ラナは震える指先で自らの衣服に手をかけた。羞恥と恐怖に支配されながらも、その奥底で、彼に暴かれる瞬間の「悦び」をどこかで求めている自分に、彼女はそっと絶望の溜息をついた。

「全部とは言わないけど、限りなくそれに近い状態になってもらわないと困る。僕が作るのは、君の肌に密着し、筋肉と魔力をサポートする精密機械なんだ。1ミリの誤差が、実戦では命取りになる」

「で、でも……っ! それは……流石に……!」

ラナは必死に胸元を腕で隠し、後退りした。
戦士として、敵に体を晒す覚悟はある。だが、この「自分を熱くさせる指先」を持つ男の前で無防備になることは、それ以上に恐ろしく、そして――抗いがたい誘惑を孕んでいた。

「いいかい、ラナ。君は、またさっきのように、つまらない装備のせいで死にたいのか?」

零助の一言が、彼女の足を止めた。
「君のポテンシャルは素晴らしい。だが、それを殺しているのは『布』なんだ。それを正すのが僕の仕事で、君の義務だ。……信じろ。僕は、君が思っているような『ただの男』じゃない。僕は『仕立て屋』だ」

その瞳には、一欠片の淫靡さもなかった。ただ、究極の機能美を追い求める狂気的な誠実さだけがあった。

(……嘘つき。仕立て屋が、そんな熱い目で女の体を見るはずがないわ)

ラナは自嘲気味に口角を上げた。その誠実な瞳すら、自分を組み敷くための狡猾な罠に思える。だが、今の彼女にとって零助の言葉は、逆らうことのできない神託のようにも響いていた。

「……わかったわよ。そんなに私の体が、中身まで見たいのなら……好きにすればいいわ」

震える手で、獣皮の戦闘衣の紐を解く。
一族の誇りも、処女の矜持も、すべてを投げ出す覚悟。だが、その瞳には諦めだけでなく、熱に浮かされたような潤みが混じっていた。

「どうせ、助けられた時から私の命も体も、全部貴方のものなんだもの。……煮るなり、焼くなり、好きに犯せばいいじゃない……っ」

ラナは零助を睨みつけるように見つめ、そのまま声を震わせながら、胸の奥に押し込めていた本音をこぼした。

「……でも、初めて、なんだから……。痛くしないで……優しく、してよね……っ」

涙を浮かべ、今にも崩れそうな決意とともに解き放たれた衣服が、静かに床へと落ちた。白銀の月光のような肌が、無防備に、そして捧げられるように零助の前に晒される。
彼女は目を閉じ、これから訪れるであろう激しい「略奪」を待ちわびるように、指先を強く握りしめた。

バサリ、と重厚な皮が地面に落ち、彼女のしなやかで均整の取れた肢体が、魔導光の中に晒される。
銀狼族特有の、白金に近い肌が美しく輝く。

「……よし、始めるよ。まずは最も重要な基点からだ」

零助が黄金のメジャーを手に近づく。ラナは反射的に身を強張らせ、ぎゅっと目を閉じた。すぐに、肌を焼くような熱い感触が走る。

「アンダー、70……いや、筋肉の膨張を計算して72。トップ、88。……ふむ、乳腺の張りも理想的だが、大胸筋との境界線が非常に繊細だ。ここが支点の要になる」

零助の指が、メジャーを介して、あるいは直接、彼女の肩先から脇の柔らかなライン、そして背中の中心を執拗なまでになぞっていく。
触れられるたび、ラナの全身に逃げ場のない電流が奔った。

(あ、ああ……っ! な、なんなの、この触り方……っ)

ただ数字を測っているだけだ。そう自分に言い聞かそうとするが、零助の指先は、彼女自身も意識したことのない敏感な場所を、寸分の狂いもなく的確に捉えてくる。
その手つきはあまりに病的で、精密で――まるで、彼女の肉体という楽器を隅々まで調べ尽くし、支配しようとする強烈な執着に満ちていた。

(この男……こういうやり方が『癖(へき)』なのね……っ。辱めて、弄んで……こんなの、普通じゃない……!)

零助の「プロとしてのこだわり」を、ラナは彼特有の歪んだ性癖だと誤認する。しかし、その異常なまでに丁寧な「凌辱(計測)」に、彼女の体は恐ろしいほど過敏に反応してしまった。
指先が肌を滑るたび、得体の知れない甘美な熱が下腹部へと集まり、吐息が震える。

(屈辱なのに……こんな変態的な触り方をされてるのに……っ。体が、もっと欲しがってるなんて……!)

零助の指が自分の体の隅々までを「理解」し、定義していく感覚。それに支配される快楽に、ラナは涙を浮かべながらも、抗えない依存の予感に身を震わせるしかなかった。

「……よし、全身の3Dスキャン完了だ。よく耐えたね。もう着ていいよ」

その声が聞こえたとき、ラナは床に崩れ落ちそうになった。
零助はすでに興味を彼女の体から逸らし、空中に浮かび上がった彼女の「魔力立体図」へと向かっていた。
放置された寂しさと、終わったことへの安堵。ラナは混乱する頭を抱えながら、急いで服を纏った。


「素材の準備に入ろう」

零助の作業は、そこからさらに加速した。
彼は作業台に置かれた「アラクネの粘着糸」を手に取った。普通なら、一度触れれば剥がれない呪われた素材だ。だが、零助が魔力を指先に集中させて撫でると、糸は瞬時にその粘着性を失い、代わりに信じられないほどの伸縮性を持つ「弾性繊維」へと変質していく。

「アラクネの糸のタンパク質構造を組み替え、魔導伝導率を200%に強化。これで、着用者の魔力変動に合わせてリアルタイムで着圧が変化する『アクティブ・フィット』が可能になる」

次に、彼はアイアン・ボアの剛毛――鋼鉄をも貫くと言われる硬い毛――を、魔力の釜に投げ込んだ。
高温で焼くのではない。概念を分解し、再統合するのだ。

「アイアン・ボアの特性は『硬度』と『復元力』だ。これを分子レベルで細分化し、超極細のワイヤーとして紡ぐ。……そう、ブラジャーの芯材(ワイヤー)だ。ただの金属じゃない。魔力を通せば常に着用者の『黄金比のシルエット』を維持し続ける、形状記憶ワ導ワイヤーだね」

零助の脳内では、現代日本の化学繊維工学のデータが激しく明滅していた。
ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン。
それらの分子構造を、異世界の魔獣素材で再現する。いや、凌駕する。
地球の理論と、異世界の魔力が融合した瞬間、作業台の上には見たこともないほど繊細で、しかし凄まじいオーラを放つ「糸と布」が誕生していた。

「下着っていうのはね、ラナ。肌に一番近い場所で、持ち主の命を支える『宇宙服』と同じなんだよ。妥協は一ミリも許されない」

零助の独り言は、もはや祈りにも似た響きを持っていた。

「さあ、ここからが仕立て屋の本領発揮だ。ラナ、瞬きするなよ。これが現代科学と魔術のハイブリッド・クラフトだ」

零助が虚空に指を走らせると、先ほど測定したラナの魔力立体図が青白く輝き、作業台の上に実寸大のホログラムとして投影された。



零助は、精錬したばかりのアラクネ弾性繊維を手に取った。普通、服というのは平面の布を切り出し、それを縫い合わせて立体にする。だが零助の手法は違う。彼はラナのホログラムに直接、光の糸を巻き付けていくように「面」を作り上げていった。

「いいかい、人間の体、特に女性の曲線は平面図では捉えきれない。ましてや君のような超人的な動きをする戦士なら、なおさらだ。縫い目の一つ一つが、魔力の流れを阻害するノイズになる」

零助の両手は、まるでピアノを奏でるかのように、あるいは精密な外科手術を執刀するかのように細かく、速く動く。
アラクネの糸が、ラナの体の起伏に完璧に沿うように編み込まれていく。脇の下のリンパ節、肩甲骨の可動域、そして胸部を支えるクーパー靭帯の負荷分散ライン――。

「ここにアイアン・ボアの形状記憶ワイヤーを挿入。……よし、魔力バイパス接続。これで、君がどれほど激しく跳躍しても、この『布』が衝撃をすべて吸収し、次の動作への推進力に変換する」

洞窟内に、高密度の魔力が渦巻く。
零助が指を鳴らすたび、バラバラだった素材が分子レベルで結合し、一着の「装備」へと形を変えていく。それは縫製というよりは、無から理(ことわり)を紡ぎ出す創造の儀式だった。

「仕上げだ。背面に『X型パワーネット』を配置。肩甲骨を寄せることで呼吸を深くし、心肺機能をブーストする。……できたッ!」

眩い光が収まったとき、そこには一着の、ライムグリーンと漆黒が混ざり合った美しい「布」が浮遊していた。
機能性を突き詰めた結果として生まれた、究極の機能美。それは下着という概念を遥かに超越した、芸術品のような輝きを放っていた。


「……新しい、装備……?」

ラナは、目の前に浮かぶ「それ」を、畏怖の念を持って見つめた。
見た目は、彼女が知るどの下着とも違う。袖はなく、胸部をしっかりと包み込むような形状。しかし、触れるまでもなく伝わってくる。これが、自分の肉体の一部になるために生まれたものであるということが。

「次世代スポーツブラ、魔導試作型『神風(KAMIKAZE)』だ。……さあ、ラナ。今すぐこれを着てくれ」

「えっ、また貴方の前で……?」

ラナの声は、驚きとともに、奇妙なほど力なく抜けていた。
あれほど情熱的に、そして変態的な手つきで私の全身をじろじろと見て、好き放題したというのに。あの後、当然のように組み敷かれ、初めてを奪われるのだと、恐怖と期待で心臓がはち切れそうだったのに。

(……え? 本当に、それだけ?)

犯されなかった。その事実に巨大な安堵が押し寄せる。だが同時に、あれだけ覚悟を決めた自分を放っておいて、狂ったように「布」と格闘していた零助の後ろ姿を思い出し、形容しがたい拍子抜けの感情が胸をかすめた。
私より、その「布」の方が魅力的なの? そんな、あり得ない疑念がラナの心をざわつかせる。

「当たり前だ! 装着直後の『馴染み』を確認しなきゃならない。もしフィット感が甘ければ、その場でミリ単位の魔導修正を入れる」

「あ、ああ……そう、よね。わかったわよ……」

零助のあまりに真っ直ぐな(そして狂った)職人の瞳に、ラナは毒気を抜かれたように頷いた。
やはりこの男、どこか致命的にズレている。
ラナは再び衣服を脱ぎ、零助の指示に従って『神風』を身に纏う。辱められているはずなのに、その「ズレ」のせいで、彼女の心は先ほどよりもさらに深く、この奇妙な仕立て屋に囚われ始めていた。

「あ……っ、く、苦しい……? いえ、違う……」

装着した瞬間、ラナは自分の体が「作り変えられる」ような感覚に襲われた。
アンダーバストに配置された形状記憶ワイヤーが、優しく、しかし鋼のような力強さで彼女の体幹を固定する。背中のストラップがぐっと肩を引き寄せ、自然と胸が開き、肺の隅々にまで新鮮な空気が流れ込んできた。

「理論を教えよう。ラナ、君のその豊かな胸部は、戦士としては大きな『質量兵器』だ。激しく動くたびに重心が上下左右にブレ、脳はその修正に無駄なリソースを割いている。だがこの『神風』は、その揺れをゼロに抑え、さらにその振動エネルギーを魔力として再回収する」

零助の指が、ラナの背中のストラップを調整する。
その指先が触れるたび、サポーターの時以上の激しい熱がラナを襲う。

「ひぅ、ん……っ、あ、熱い……体が、内側から……っ!」

「それは君の魔力が、この装備と同期し始めた証拠だ。……よし、フィッティング完了。どうだい、ラナ。今の自分の『重さ』を感じるかい?」

ラナが恐る恐る一歩を踏み出す。
軽い。
自分の体が、まるで重力という枷を外されたかのように感じられた。
今まで無意識に「揺れ」を抑えるために緊張させていた全身の筋肉が、すべて解放され、純粋に「攻撃」と「回避」のためだけに待機している。

「これ……すごい……。体が、勝手に……前に……!」

「20%と言ったのは、あくまで最低ラインだ。君のポテンシャルなら、もっといけるはずだぜ」


「試してみなよ。外の森で」

零助の言葉が終わる前に、ラナは洞窟を飛び出していた。
一歩。地面を蹴った瞬間、景色が後ろへと消し飛んだ。
【剛体・加圧】のサポーターと、上半身を完璧に統制する『神風』。その二つが噛み合ったとき、彼女の機動力は異次元の領域へと突入した。

「はは……あははははっ!!」

笑いが止まらなかった。
森の木々を、風よりも速くすり抜ける。今まで回避に精一杯だった魔獣の動きが、止まっているかのように見える。
跳躍すれば、雲に届くかと思うほどの高さまで体が舞い上がった。

(揺れない……。軸が、一本の針のように真っ直ぐ通っている!)

空中での姿勢制御も完璧だ。『神風』が背中の魔力噴出孔を最適化したことで、空中でさらに加速することさえ可能になっていた。
着地したとき、彼女の周囲の地面が衝撃波で円状に砕け散る。
まさに、戦場を吹き荒れる「神の風」そのものだった。

森の奥から戻ってきたラナは、興奮で顔を上気させ、零助の胸に飛び込まんばかりの勢いで駆け寄った。

「零助! 私、私……! 自分がこんなに強くなれるなんて思わなかった!」

「だろ? 下着を変えれば、世界が変わる。俺の言った通りだ」

零助は満足げに腕を組み、愛おしそうにラナの胸元で輝く『神風』を見つめた。

「さて、上半身と足のサポートはできた。……でも、まだ足りないな。次は、君のそのしなやかな腰回りと、下半身の爆発力を支える『究極のボトム』……そう、ショーツの開発だ。……ラナ、次はもっとじっくり『下』の構造を分析させてもらうよ」

「……え? あ、ちょ、ちょっと……やっぱり結局は、そこなのねぇぇぇ!!」

ラナの悲鳴と、零助の爽やかな笑い声が、夜の森にこだました。
佐藤零助の「下着による世界変革」は、今、確実にその加速を早めていた。
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