処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う

yukataka

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第24章「王女の即位」

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バルドの処分が決まった翌日、再び評議会が開かれた。
今日の議題は、王位継承。
セリーヌが正式に、次期女王として承認されるかどうか。
評議会堂は、いつもより厳かな空気に包まれていた。
セリーヌは父の隣に座っていた。
緊張している。
心臓が激しく打っている。
これまでの全てが、この瞬間のためだった。
処刑からの復活。証拠集め。味方の獲得。ロベルトとの戦い。
全てが、今日に繋がっている。
「では、始めよう」
父王が立ち上がった。
「本日の議題は、王女セリーヌの王位継承承認である」
父は全員を見回した。
「継承法第三条により、女子が王位を継承する場合、評議会の承認を必要とする。今日、その承認を求める」
グレン侯爵が立ち上がった。
「陛下、その前に一つ確認させてください」
「何だ」
「セリーヌ殿下は、王としての資質を持っているか。それを評議会で確認したい」
父は頷いた。
「もちろんだ。セリーヌ、前に」
セリーヌは立ち上がり、評議会の中央に立った。
全員の視線が集まる。
「セリーヌ殿下」
グレン侯爵が質問を始めた。
「あなたは、なぜ王になりたいのですか」
セリーヌは深呼吸した。
「私は、王になりたいわけではありません」
正直に答えた。
「ですが、王になる責任があります。それは、この国に生まれた者の義務です」
「義務、ですか」
「はい。民を守り、国を導く。それが王の義務です。私は、その義務を果たします」
マルコが手を上げた。
「では、あなたは民のために何をしますか」
「まず、仕事の機会を増やします」
セリーヌは明確に答えた。
「施しではなく、自立の機会を。商業を活性化し、新しい産業を育て、誰もが働ける社会を作ります」
「具体的には」
「東部の鉱山を再開発します。西部の農地を整備します。そして、商人ギルドと協力し、新しい通商路を開拓します」
マルコは満足そうに頷いた。
ダミアン卿が質問した。
「軍事についてはどうですか。東国の脅威が迫っています」
「軍を強化します」
セリーヌは真剣な顔をした。
「ただし、侵略のためではありません。防衛のためです」
「どのように」
「訓練を改善し、装備を更新し、そして戦略を見直します。ダミアン卿の協力をお願いしたい」
ダミアン卿は頷いた。
「喜んで」
法務官ダニエルが質問した。
「法の改革については」
「必要です」
セリーヌは答えた。
「今回の事件で、法の抜け穴が明らかになりました。権力の監視、評議会の権限、継承法。全てを見直します」
「具体的に」
「まず、評議会の権限を法で明文化します。次に、王の権力に制限を設けます。そして、民衆の代表を評議会に加えます」
ざわめきが起こった。
「民衆の代表、ですか」
「はい。貴族だけでなく、商人、職人、農民の代表も評議会に加えるべきです」
「それは、革命的な提案ですが」
「革命ではありません」
セリーヌは首を振った。
「進化です。国は、常に変わらなければなりません。時代に合わせて」
質問は続いた。
税制、外交、教育、医療。
あらゆる分野について。
セリーヌは一つ一つ、誠実に答えた。
知らないことは、正直に知らないと言った。
だが、学ぶ意志があることを示した。
二時間後、質問が終わった。
「では、評決を取る」
父王が言った。
「王女セリーヌを、次期女王として承認するか。賛成の者は手を上げよ」
全員が手を上げた。
全会一致。
「反対の者は」
誰も手を上げなかった。
「では、決定する」
父王は宣言した。
「王女セリーヌを、次期女王として承認する」
拍手が起こった。
セリーヌは目に涙が浮かんだ。
やった。
ついに、承認された。
前の時間軸では、決して得られなかった承認。
今、手に入れた。
父が近づいてきた。
「セリーヌ」
父は抱きしめた。
「おめでとう。お前は、素晴らしい女王になる」
「ありがとうございます、父上」
評議会が終わり、セリーヌは王宮のバルコニーに立った。
下には、民衆が集まっていた。
数千人。
王位継承承認の知らせを聞いて、集まってきたのだ。
「民よ」
セリーヌは声を張り上げた。
「私は、次期女王として承認されました」
歓声が上がった。
「私は、皆さんのために尽くします。この国を、もっと良い場所にします」
「セリーヌ様!」
誰かが叫んだ。
「我々は、あなたを支持します」
「ありがとう」
セリーヌは微笑んだ。
「皆さんと共に、新しい未来を作りましょう」
歓声が広がった。
民衆は、セリーヌの名を叫んだ。
前の時間軸では、石を投げた民衆。
今は、歓声を上げている。
変わった。
セリーヌが変えた。
行動で、言葉で、誠実さで。
バルコニーを降りると、マリーが待っていた。
「お嬢様、おめでとうございます」
マリーは泣いていた。
「ありがとう、マリー」
「私は、ずっと信じていました」
レオンも近づいてきた。
「殿下、おめでとうございます」
「ありがとう、レオン」
レオンは膝をついた。
「改めて、誓います」
彼は父の剣を掲げた。
「私の剣は、女王陛下のために」
「立って、レオン」
セリーヌは手を差し伸べた。
「あなたは、私の友です。膝をつく必要はありません」
レオンは手を取って立ち上がった。
その目に、深い感情が見えた。
グレン侯爵夫人が近づいてきた。
「殿下、いえ、陛下」
「まだ即位していませんよ」
「ですが、もう女王です」
夫人は微笑んだ。
「エリザベート様も、きっと喜んでおられます」
「ありがとうございます」
セリーヌは母の髪飾りを触った。
母は見ているだろうか。
娘が、女王として認められたことを。
きっと、見ている。
そして、微笑んでいる。
夜、セリーヌは一人で庭園を歩いた。
母の薔薇の木の前で立ち止まる。
「母上」
セリーヌは呟いた。
「私は、女王になります」
風が吹く。
薔薇の花びらが揺れる。
まるで、母が答えているかのように。
「でも、まだ戦いは終わっていません」
セリーヌは空を見上げた。
「東国が、攻めてきます」
星が輝いている。
「でも、負けません。私は、この国を守ります」
セリーヌは決意を固めた。
女王として。
娘として。
一人の人間として。
全ての力を尽くして、国を守る。
それが、セリーヌの使命だ。
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