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第8章-2『籠城の代償』
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グリムヴァルト将軍は、テーブルを蹴り倒して剣を抜いた。分厚い刃が月光を反射し、鈍く輝く。
「まさか貴様が、自ら飛び込んでくるとはな」
将軍が笑う。
「愚かな。これで貴様を捕らえられる」
「捕らえられるものなら、やってみろ」
セリーヌが構えを取る。
二人の剣が激突した。火花が散り、金属音が響く。グリムヴァルトの剛力と、セリーヌの速さがぶつかり合う。
将軍の剣が横薙ぎに振られる。セリーヌは身を屈めて避け、カウンターで将軍の脇腹を狙う。だが、厚い鎧に阻まれた。
「小娘が」
グリムヴァルトが逆手で殴りかかってくる。セリーヌは後方に跳んで避けたが、拳がテントの柱を砕いた。
「力だけの猪武者か」
セリーヌが挑発する。
「帝国の将軍とは、その程度か」
「黙れ!」
グリムヴァルトが激昂し、連続で剣を振るう。セリーヌは全てを受け流し、隙を探る。
そして、見つけた。
将軍が大振りに剣を振り上げた瞬間、セリーヌは懐に飛び込んだ。至近距離から、首の隙間を狙って剣を突く。
刃が肉を裂き、血が噴き出した。
「ぐっ……」
グリムヴァルトが膝をついた。首を押さえるが、血が止まらない。
「まさか……この俺が……」
「戦場に絶対はない」
セリーヌが冷たく言う。
「それを教えてやろう」
彼女は将軍の剣を蹴り飛ばし、テントの外に出た。
「グリムヴァルト将軍は討ち取った!」
セリーヌが叫ぶ。
「帝国軍に告ぐ!投降すれば命は保証する!抵抗すれば、容赦はしない!」
その声が陣営に響き渡る。帝国兵たちが動きを止め、将軍のテントを見つめた。
そこから、グリムヴァルトの死体が引きずり出される。首には深い傷があり、既に息絶えていた。
「将軍が……」
「死んだ……」
帝国兵たちに動揺が走る。指揮官を失った軍は、統制を失い始めた。
その時、東の空が明るくなり始めた。夜明けだ。
そして、地平線の向こうから角笛の音が聞こえてきた。
「あれは……」
レオンが血まみれになって駆け寄ってくる。
「援軍です!王都からの援軍が来ました!」
地平線の向こうに、無数の旗が現れた。リオネール王国の旗が風にはためき、騎兵の列が見える。
「エドガー将軍だ」
セリーヌが目を凝らす。
五千の援軍が、戦場に到着しようとしていた。
帝国軍の副官が慌てて命令を出す。
「全軍、撤退!我が軍は撤退する!」
帝国兵たちが武器を捨てて逃げ始めた。統制の取れていない退却は、敗走に等しい。
セリーヌは追撃の命令を出さなかった。
「深追いはするな」
彼女が言う。
「負傷者を回収し、砦に戻る」
「了解しました」
夜襲部隊が撤収を開始する。戦死者は二十名、負傷者は三十名。百名中、半数以上が生きて帰還できた。
砦に戻ると、兵士たちが歓声を上げた。
「女王陛下が戻られた!」
「勝利だ!我々の勝利だ!」
セリーヌは馬を降り、城壁の上に立った。東の空から昇る朝日が、彼女の姿を照らし出す。
「諸君」
セリーヌが声を張り上げる。
「我々は勝った。三日間の籠城戦を耐え抜き、敵の将軍を討ち取った。諸君の勇気と忍耐が、この勝利をもたらした」
兵士たちが剣を掲げて応える。
「だが、忘れるな」
セリーヌが続ける。
「この勝利の代償を。我々は多くの仲間を失った。彼らの犠牲の上に、今の我々がある」
歓声が静まり、兵士たちが黙祷を捧げる。
その時、援軍の先頭部隊が砦に到達した。エドガー将軍が馬を降りて駆け寄ってくる。
「女王陛下、ご無事で何よりです」
「よく来てくれた、エドガー将軍」
セリーヌが微笑む。
「あと半日遅ければ、危なかった」
「強行軍で参りました」
エドガーが周囲を見回す。
「砦の損害は相当ですな」
「ああ。だが、守り切った」
セリーヌが破壊された門を見つめる。
「これから修復が必要だ。それに、焼かれた村の復興も」
「お任せください」
エドガーが敬礼する。
「我が軍が全力で支援いたします」
その後の数日間、セリーヌは砦に留まって復興作業を指揮した。破壊された城壁を修復し、負傷者を治療し、焼かれた村の住民を支援する。
帝国軍は国境の向こうに退却し、再び兵を集め始めているという情報が入ってきた。この戦いは、序章に過ぎない。
ある夜、セリーヌは砦の屋上に立っていた。星空の下、冷たい風が吹き抜ける。
「陛下」
レオンが上がってきた。
「眠らなくてよろしいのですか」
「眠れない」
セリーヌが正直に答える。
「目を閉じると、死んでいった兵士たちの顔が浮かぶ」
「……それは、陛下が優しいからです」
「優しさでは、戦には勝てない」
セリーヌが苦笑する。
「私は、もっと冷酷にならなければならない」
「いいえ」
レオンが首を横に振る。
「陛下はそのままでいい。民は、冷酷な支配者ではなく、心ある女王を求めています」
「ありがとう、レオン」
セリーヌが彼の肩に手を置く。
その時、砦の下から伝令の声が聞こえてきた。
「女王陛下!緊急の報告です!」
二人は急いで階段を降りた。
伝令兵が息を切らせて報告する。
「王都から急使が。宰相グレゴール閣下からの書簡です」
セリーヌは封を切り、内容を読んだ。顔色が変わる。
「何が書いてあるのですか」
レオンが尋ねる。
「帝国が……正式に宣戦布告してきた」
セリーヌが書簡を握りしめる。
「それだけではない。周辺三国が、帝国側についた」
「まさか」
「我が国は、四カ国を相手に戦うことになる」
セリーヌの声が震える。
「これは、もはや国境紛争ではない。全面戦争だ」
砦の中が、再び緊張に包まれた。
セリーヌは書簡を畳み、懐に仕舞った。
「すぐに王都に戻る。エドガー将軍には、北部の防衛を任せる」
「了解しました」
伝令が走り去る。
「レオン、近衛騎士団を集めろ。出発は一刻後だ」
「御意」
レオンも駆け出していく。
一人残されたセリーヌは、北の空を見上げた。暗雲が立ち込め、星が隠れていく。
嵐が来る。それも、これまでとは比較にならない規模の嵐が。
だが、彼女は逃げない。立ち向かう。民のために、国のために。
セリーヌは剣の柄を握りしめ、砦の塔から王都の方角を見据えた。
「まさか貴様が、自ら飛び込んでくるとはな」
将軍が笑う。
「愚かな。これで貴様を捕らえられる」
「捕らえられるものなら、やってみろ」
セリーヌが構えを取る。
二人の剣が激突した。火花が散り、金属音が響く。グリムヴァルトの剛力と、セリーヌの速さがぶつかり合う。
将軍の剣が横薙ぎに振られる。セリーヌは身を屈めて避け、カウンターで将軍の脇腹を狙う。だが、厚い鎧に阻まれた。
「小娘が」
グリムヴァルトが逆手で殴りかかってくる。セリーヌは後方に跳んで避けたが、拳がテントの柱を砕いた。
「力だけの猪武者か」
セリーヌが挑発する。
「帝国の将軍とは、その程度か」
「黙れ!」
グリムヴァルトが激昂し、連続で剣を振るう。セリーヌは全てを受け流し、隙を探る。
そして、見つけた。
将軍が大振りに剣を振り上げた瞬間、セリーヌは懐に飛び込んだ。至近距離から、首の隙間を狙って剣を突く。
刃が肉を裂き、血が噴き出した。
「ぐっ……」
グリムヴァルトが膝をついた。首を押さえるが、血が止まらない。
「まさか……この俺が……」
「戦場に絶対はない」
セリーヌが冷たく言う。
「それを教えてやろう」
彼女は将軍の剣を蹴り飛ばし、テントの外に出た。
「グリムヴァルト将軍は討ち取った!」
セリーヌが叫ぶ。
「帝国軍に告ぐ!投降すれば命は保証する!抵抗すれば、容赦はしない!」
その声が陣営に響き渡る。帝国兵たちが動きを止め、将軍のテントを見つめた。
そこから、グリムヴァルトの死体が引きずり出される。首には深い傷があり、既に息絶えていた。
「将軍が……」
「死んだ……」
帝国兵たちに動揺が走る。指揮官を失った軍は、統制を失い始めた。
その時、東の空が明るくなり始めた。夜明けだ。
そして、地平線の向こうから角笛の音が聞こえてきた。
「あれは……」
レオンが血まみれになって駆け寄ってくる。
「援軍です!王都からの援軍が来ました!」
地平線の向こうに、無数の旗が現れた。リオネール王国の旗が風にはためき、騎兵の列が見える。
「エドガー将軍だ」
セリーヌが目を凝らす。
五千の援軍が、戦場に到着しようとしていた。
帝国軍の副官が慌てて命令を出す。
「全軍、撤退!我が軍は撤退する!」
帝国兵たちが武器を捨てて逃げ始めた。統制の取れていない退却は、敗走に等しい。
セリーヌは追撃の命令を出さなかった。
「深追いはするな」
彼女が言う。
「負傷者を回収し、砦に戻る」
「了解しました」
夜襲部隊が撤収を開始する。戦死者は二十名、負傷者は三十名。百名中、半数以上が生きて帰還できた。
砦に戻ると、兵士たちが歓声を上げた。
「女王陛下が戻られた!」
「勝利だ!我々の勝利だ!」
セリーヌは馬を降り、城壁の上に立った。東の空から昇る朝日が、彼女の姿を照らし出す。
「諸君」
セリーヌが声を張り上げる。
「我々は勝った。三日間の籠城戦を耐え抜き、敵の将軍を討ち取った。諸君の勇気と忍耐が、この勝利をもたらした」
兵士たちが剣を掲げて応える。
「だが、忘れるな」
セリーヌが続ける。
「この勝利の代償を。我々は多くの仲間を失った。彼らの犠牲の上に、今の我々がある」
歓声が静まり、兵士たちが黙祷を捧げる。
その時、援軍の先頭部隊が砦に到達した。エドガー将軍が馬を降りて駆け寄ってくる。
「女王陛下、ご無事で何よりです」
「よく来てくれた、エドガー将軍」
セリーヌが微笑む。
「あと半日遅ければ、危なかった」
「強行軍で参りました」
エドガーが周囲を見回す。
「砦の損害は相当ですな」
「ああ。だが、守り切った」
セリーヌが破壊された門を見つめる。
「これから修復が必要だ。それに、焼かれた村の復興も」
「お任せください」
エドガーが敬礼する。
「我が軍が全力で支援いたします」
その後の数日間、セリーヌは砦に留まって復興作業を指揮した。破壊された城壁を修復し、負傷者を治療し、焼かれた村の住民を支援する。
帝国軍は国境の向こうに退却し、再び兵を集め始めているという情報が入ってきた。この戦いは、序章に過ぎない。
ある夜、セリーヌは砦の屋上に立っていた。星空の下、冷たい風が吹き抜ける。
「陛下」
レオンが上がってきた。
「眠らなくてよろしいのですか」
「眠れない」
セリーヌが正直に答える。
「目を閉じると、死んでいった兵士たちの顔が浮かぶ」
「……それは、陛下が優しいからです」
「優しさでは、戦には勝てない」
セリーヌが苦笑する。
「私は、もっと冷酷にならなければならない」
「いいえ」
レオンが首を横に振る。
「陛下はそのままでいい。民は、冷酷な支配者ではなく、心ある女王を求めています」
「ありがとう、レオン」
セリーヌが彼の肩に手を置く。
その時、砦の下から伝令の声が聞こえてきた。
「女王陛下!緊急の報告です!」
二人は急いで階段を降りた。
伝令兵が息を切らせて報告する。
「王都から急使が。宰相グレゴール閣下からの書簡です」
セリーヌは封を切り、内容を読んだ。顔色が変わる。
「何が書いてあるのですか」
レオンが尋ねる。
「帝国が……正式に宣戦布告してきた」
セリーヌが書簡を握りしめる。
「それだけではない。周辺三国が、帝国側についた」
「まさか」
「我が国は、四カ国を相手に戦うことになる」
セリーヌの声が震える。
「これは、もはや国境紛争ではない。全面戦争だ」
砦の中が、再び緊張に包まれた。
セリーヌは書簡を畳み、懐に仕舞った。
「すぐに王都に戻る。エドガー将軍には、北部の防衛を任せる」
「了解しました」
伝令が走り去る。
「レオン、近衛騎士団を集めろ。出発は一刻後だ」
「御意」
レオンも駆け出していく。
一人残されたセリーヌは、北の空を見上げた。暗雲が立ち込め、星が隠れていく。
嵐が来る。それも、これまでとは比較にならない規模の嵐が。
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