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本編
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「…すまない。」
静かに一言呟いて、私の肩に薄いガウンを掛けた。
―――ああ…。
その時私は、体内の内臓が鉛になったかのように感じられた。…絶望、というのだろうか。彼が、柔らかい拒否の意思を示したのだ。
やっぱり醜いと思われたんだ。話を聞いて覚悟はしていても実際に触ると嫌悪感は隠せないんだろう。それもそうだ。彼は何人もの綺麗で可愛いご令嬢から言い寄られる身だった。
「…今日は、もう休もう。」
静かに。短く呟かれたその言葉は重い胸を更に突き刺した。もう、息の仕方さえ分からない。
私に背を向け横になる彼の隣で、脱がされたネグリジェを一人着直す女のなんと惨めなことか。でも、醜い自分にはお似合いだとも思った。もう、私の身体は呼吸をすることも忘れたのか、酸欠の頭はいやにぼうっとする。
「…申し訳ありません…。」
かすれる程小さな声だったが、彼には届いただろうか。それとも余りに惨めな女を見かねてもう寝てしまっただろうか。返ってくる言葉はなく、向けられた大きな背はとても遠く感じた。
なるべく、彼から距離をとって寝台の端の方で横たわる。目を閉じれば蘇る、背中を撫でられた感触。傷を辿る大きな手。なるべく私を傷つけないようにと労わってくれた優しい彼の拒絶…。朝陽が昇り始めても、眠りの世界に落ちることは叶わなかった。
そして部屋が仄明るくなった頃、彼は一人、静かに寝室を出て行った。
―――それが、私と彼が共に夜を過ごした最初で最後の日となった。
初夜が明けて、一人取り残された私は侍女の声掛けで身体を起こし、辛くもなんともない身体を拭かれ、身なりを整え食卓に向かった。そこは侯爵家の家族の食卓だったが、初夜が明けて初めての食事ということで妙な気をまわされ侯爵夫妻は不在であった。その気遣いが更に私の胸を刺す。先に席に着いていた彼は、なんともない顔で私を出迎える。
「溜まっていた執務があって先に起きて悪かった。」
「…ええ。お疲れ様です。」
とだけ返事し、泣いたことが分からないよう化粧を施された顔でなんとか笑顔を作った。昨日の式の招待客の話や今日の予定など、差しさわりのない会話をしながら朝食を終えた頃には、私は淑女としての凛とした姿勢を取り戻すことができるようになっていた。
もともと無口な夫は、特段変わった様子もなく短い相打ちを打つだけだった。
その日は午前中に侯爵邸の説明を受けたり、午後は義母である侯爵夫人とお茶をしたり、義父母を交えて四人で夕食をとったりと、充実した1日を過ごした。
入浴を終え寝室で本を読む私の元に、侍女が大変気まずそうな顔で報告にきた。時刻はもう22時。侍女のその顔で大体の察しはつく。が、また一つ、鉛が腹の奥に落ちた。
「…その…若旦那様は…自室でお休みになられると…。」
眉を寄せて悲痛そうな面持ちで告げてきた侍女の言葉に、体の中の鉛がずしりと重みを増す。が、それを飲み込むように眼を瞑り、その言葉の残酷さに耐えた。しかし仕方のないことだ。悪いのは傷物の私。こんな私でも、彼は結婚してくれたじゃないか。十分だ。
他の誰かになら「嫁いできた女の身にもなってください!」と文句の一つでも言えるものだが、今回はそうはいかない。私の傷が生理的に受け付けられないことを責められるわけがない。
「…分かったわ。こんな遅くまで付き合ってくれてありがとう。明日からは入浴が終わったらすぐに下がっていいわ。お疲れ様。ゆっくり休んでね。」
なるべく可哀そうに見えないようになんとか笑ってそう答えると、侍女は泣き出しそうな顔で小箱を差し出してきた。開けて見ると、中にはメッセージカードと、薄い絹衣でできた巾着の中にラベンダーのポプリが入れられたサシェが入っていた。途端に懐かしい香りが部屋に広がる。
「…こちらは…昨日のお式に参列されていたメルヴィーナ様のご友人、ラルフレート様からご結婚のお祝いにといただいたものです。たくさん贈り物があったので整理して落ち着いた頃にお渡ししようかと思って預かっておりましたが、ラルフレート様が「花嫁の気分が優れなさそうなときに」と仰っていたので…。」
その言葉を聞いて、変わらぬ付き合いをしてくれる友人ラルフの優しさと侍女の気遣いに涙が溢れそうになる。
「…ありがとう。おかげで今夜は眠れそうだわ。小さい頃私が眠れないと話したら、ラルフが領地のラベンダーをドライフラワーにして持ってきてくれたの。毎年それが楽しみでね。…ふふ。相変わらず優しいのね。」
”結婚おめでとう。”と一言だけ書かれたカードも彼らしかった。密通を疑われないようにあえて封筒には入れずカードに簡素にそう記したのだろう。でも、祝いの言葉は今はただ辛いだけだった。
侍女の前で泣くわけにはいかず、お礼を言って下がらせると、ポプリと共に寝台に潜り込んだ。…広い寝台。たくさんの枕。惨めにさせるそれらから、ラベンダーの香りだけが私を守ってくれているような気がした。
その日は、二日ぶりによく眠れた。広い寝台を一人で使えたためかもしれない。
◇
夏がきて、秋にはシルヴェスター様とご両親と侯爵家の領地に行った。王都より南にある領地でも結婚を祝われ、何日もかけて挨拶に回った。外での彼は本当によくできた夫だった。領地の重役たちに「よく気が利く妻で頼りになる」と紹介してくれたし、領主邸で不便がないか気遣ってくれた。
でも、領主邸でだって寝室は別だった。
冬。王族や公爵家の令息たちと共に狩猟へ行ったシルヴェスター様は美しい毛並みのキツネのショールを送ってくれた。後日そのショールを纏って夜会に出かけると、他のご婦人方からは「主人からシルヴェスター様がご夫人にプレゼントするのだと張り切って狩猟大会に参加していたと聞きましてよ!」と揶揄われた。愛想笑いをする私の腰を引き寄せた彼は「恥ずかしいです、ばらさないでくださいよ。」と涼やかな笑顔で対応する。ご婦人方は「まあ!さすが新婚ね!お熱いわ!」と言うが、私の喉には鉛が落ちる。
彼が私の体に触れるのはこういった公式の場でだけなのだ。
夫婦仲が良好だとアピールする必要があるのだろう。それもそうだ。この結婚は始めから中立派である我が家と縁を結び、政治的均衡を保つためのものなのだから。
季節が一周する頃には私ももう半ば諦めていた。仕方のないことだ、自分が醜いのだからと言い聞かせて。
それでも一度聞いたことがある。
「…シルヴェスター様…。あの、私は…貴方様の、侯爵家のお役に立ちたく嫁いで参りました。私にできることがあれば、足らぬところがあればなんでも致します。何か…」
夕食の後、早々に執務室へと戻ろうとする彼を引き止め、なんとか勇気を振り絞って、彼の手を握った。手袋越しではあったけど、貴族の仮面を脱いだ状態で久しぶりに触れる彼の手は温かくて、それだけで涙が出そうになった。震える両手で彼の右手を繋ぎとめる。どうか行かないで、こんな寒い夜は傍にいてほしい、と言葉にはできない浅ましい願いがどうか届くように祈りを込めて。
でも。
そんな私の想いも虚しく、彼は私の手をほどき、静かに告げた。
「君に足りないところなんて無い。そのままで十分だ。」
残酷な言葉を紡ぐその薄い唇は、悲しいほど綺麗だった。
私を映す蒼色の瞳は宝石のようだし、プラチナブロンドの髪は夜でも眩しい。
――――まるで私なんかが手を伸ばしてはいけない宝物のように。
また、鉛。
「…左様でございますか。では、シルヴェスター様もあまりご無理はなさらないよう、ご自愛ください。私も…春からお義母様が執り行っていた孤児院の運営を任せていただけるようになったので、勉強に励みたいと思います…。」
「ああ、ありがとう。両親も君が一生懸命してくれるから安心して領地に戻れると言っていたよ。」
「…身に余る光栄です。」
俯き、自嘲するかのように薄く笑う私に彼は怪訝な表情を向ける。彼のこういう顔は知り合ってから初めてだった。
「メルヴィーナ、結婚してもうすぐ1年経つんだ。そろそろそんなに畏まった話し方でなくてもいい。私のことは、シルと。」
なんて可笑しなことを言う夫だろう。ええそうですとも。結婚してそろそろ1年です。その間あなたが私を抱いたことは?素肌に触れたことすらない。…いや、でも仕方がない。生理的に受け付けられないのはどうしようもない。それなのに呼び名だけ変えるなど、なんて滑稽な話だろう。
「…別にこのままでもよろしいではありませんか。私たちはそのような間柄でもありませんし。ね、シルヴェスター様。」
なんとか笑顔を貼り付けられた。と思う。声は震えていなかっただろうか。
足早に逃げ込んだ寝室はやっぱり広くて、春の冷気で冷え切っていた。
静かに一言呟いて、私の肩に薄いガウンを掛けた。
―――ああ…。
その時私は、体内の内臓が鉛になったかのように感じられた。…絶望、というのだろうか。彼が、柔らかい拒否の意思を示したのだ。
やっぱり醜いと思われたんだ。話を聞いて覚悟はしていても実際に触ると嫌悪感は隠せないんだろう。それもそうだ。彼は何人もの綺麗で可愛いご令嬢から言い寄られる身だった。
「…今日は、もう休もう。」
静かに。短く呟かれたその言葉は重い胸を更に突き刺した。もう、息の仕方さえ分からない。
私に背を向け横になる彼の隣で、脱がされたネグリジェを一人着直す女のなんと惨めなことか。でも、醜い自分にはお似合いだとも思った。もう、私の身体は呼吸をすることも忘れたのか、酸欠の頭はいやにぼうっとする。
「…申し訳ありません…。」
かすれる程小さな声だったが、彼には届いただろうか。それとも余りに惨めな女を見かねてもう寝てしまっただろうか。返ってくる言葉はなく、向けられた大きな背はとても遠く感じた。
なるべく、彼から距離をとって寝台の端の方で横たわる。目を閉じれば蘇る、背中を撫でられた感触。傷を辿る大きな手。なるべく私を傷つけないようにと労わってくれた優しい彼の拒絶…。朝陽が昇り始めても、眠りの世界に落ちることは叶わなかった。
そして部屋が仄明るくなった頃、彼は一人、静かに寝室を出て行った。
―――それが、私と彼が共に夜を過ごした最初で最後の日となった。
初夜が明けて、一人取り残された私は侍女の声掛けで身体を起こし、辛くもなんともない身体を拭かれ、身なりを整え食卓に向かった。そこは侯爵家の家族の食卓だったが、初夜が明けて初めての食事ということで妙な気をまわされ侯爵夫妻は不在であった。その気遣いが更に私の胸を刺す。先に席に着いていた彼は、なんともない顔で私を出迎える。
「溜まっていた執務があって先に起きて悪かった。」
「…ええ。お疲れ様です。」
とだけ返事し、泣いたことが分からないよう化粧を施された顔でなんとか笑顔を作った。昨日の式の招待客の話や今日の予定など、差しさわりのない会話をしながら朝食を終えた頃には、私は淑女としての凛とした姿勢を取り戻すことができるようになっていた。
もともと無口な夫は、特段変わった様子もなく短い相打ちを打つだけだった。
その日は午前中に侯爵邸の説明を受けたり、午後は義母である侯爵夫人とお茶をしたり、義父母を交えて四人で夕食をとったりと、充実した1日を過ごした。
入浴を終え寝室で本を読む私の元に、侍女が大変気まずそうな顔で報告にきた。時刻はもう22時。侍女のその顔で大体の察しはつく。が、また一つ、鉛が腹の奥に落ちた。
「…その…若旦那様は…自室でお休みになられると…。」
眉を寄せて悲痛そうな面持ちで告げてきた侍女の言葉に、体の中の鉛がずしりと重みを増す。が、それを飲み込むように眼を瞑り、その言葉の残酷さに耐えた。しかし仕方のないことだ。悪いのは傷物の私。こんな私でも、彼は結婚してくれたじゃないか。十分だ。
他の誰かになら「嫁いできた女の身にもなってください!」と文句の一つでも言えるものだが、今回はそうはいかない。私の傷が生理的に受け付けられないことを責められるわけがない。
「…分かったわ。こんな遅くまで付き合ってくれてありがとう。明日からは入浴が終わったらすぐに下がっていいわ。お疲れ様。ゆっくり休んでね。」
なるべく可哀そうに見えないようになんとか笑ってそう答えると、侍女は泣き出しそうな顔で小箱を差し出してきた。開けて見ると、中にはメッセージカードと、薄い絹衣でできた巾着の中にラベンダーのポプリが入れられたサシェが入っていた。途端に懐かしい香りが部屋に広がる。
「…こちらは…昨日のお式に参列されていたメルヴィーナ様のご友人、ラルフレート様からご結婚のお祝いにといただいたものです。たくさん贈り物があったので整理して落ち着いた頃にお渡ししようかと思って預かっておりましたが、ラルフレート様が「花嫁の気分が優れなさそうなときに」と仰っていたので…。」
その言葉を聞いて、変わらぬ付き合いをしてくれる友人ラルフの優しさと侍女の気遣いに涙が溢れそうになる。
「…ありがとう。おかげで今夜は眠れそうだわ。小さい頃私が眠れないと話したら、ラルフが領地のラベンダーをドライフラワーにして持ってきてくれたの。毎年それが楽しみでね。…ふふ。相変わらず優しいのね。」
”結婚おめでとう。”と一言だけ書かれたカードも彼らしかった。密通を疑われないようにあえて封筒には入れずカードに簡素にそう記したのだろう。でも、祝いの言葉は今はただ辛いだけだった。
侍女の前で泣くわけにはいかず、お礼を言って下がらせると、ポプリと共に寝台に潜り込んだ。…広い寝台。たくさんの枕。惨めにさせるそれらから、ラベンダーの香りだけが私を守ってくれているような気がした。
その日は、二日ぶりによく眠れた。広い寝台を一人で使えたためかもしれない。
◇
夏がきて、秋にはシルヴェスター様とご両親と侯爵家の領地に行った。王都より南にある領地でも結婚を祝われ、何日もかけて挨拶に回った。外での彼は本当によくできた夫だった。領地の重役たちに「よく気が利く妻で頼りになる」と紹介してくれたし、領主邸で不便がないか気遣ってくれた。
でも、領主邸でだって寝室は別だった。
冬。王族や公爵家の令息たちと共に狩猟へ行ったシルヴェスター様は美しい毛並みのキツネのショールを送ってくれた。後日そのショールを纏って夜会に出かけると、他のご婦人方からは「主人からシルヴェスター様がご夫人にプレゼントするのだと張り切って狩猟大会に参加していたと聞きましてよ!」と揶揄われた。愛想笑いをする私の腰を引き寄せた彼は「恥ずかしいです、ばらさないでくださいよ。」と涼やかな笑顔で対応する。ご婦人方は「まあ!さすが新婚ね!お熱いわ!」と言うが、私の喉には鉛が落ちる。
彼が私の体に触れるのはこういった公式の場でだけなのだ。
夫婦仲が良好だとアピールする必要があるのだろう。それもそうだ。この結婚は始めから中立派である我が家と縁を結び、政治的均衡を保つためのものなのだから。
季節が一周する頃には私ももう半ば諦めていた。仕方のないことだ、自分が醜いのだからと言い聞かせて。
それでも一度聞いたことがある。
「…シルヴェスター様…。あの、私は…貴方様の、侯爵家のお役に立ちたく嫁いで参りました。私にできることがあれば、足らぬところがあればなんでも致します。何か…」
夕食の後、早々に執務室へと戻ろうとする彼を引き止め、なんとか勇気を振り絞って、彼の手を握った。手袋越しではあったけど、貴族の仮面を脱いだ状態で久しぶりに触れる彼の手は温かくて、それだけで涙が出そうになった。震える両手で彼の右手を繋ぎとめる。どうか行かないで、こんな寒い夜は傍にいてほしい、と言葉にはできない浅ましい願いがどうか届くように祈りを込めて。
でも。
そんな私の想いも虚しく、彼は私の手をほどき、静かに告げた。
「君に足りないところなんて無い。そのままで十分だ。」
残酷な言葉を紡ぐその薄い唇は、悲しいほど綺麗だった。
私を映す蒼色の瞳は宝石のようだし、プラチナブロンドの髪は夜でも眩しい。
――――まるで私なんかが手を伸ばしてはいけない宝物のように。
また、鉛。
「…左様でございますか。では、シルヴェスター様もあまりご無理はなさらないよう、ご自愛ください。私も…春からお義母様が執り行っていた孤児院の運営を任せていただけるようになったので、勉強に励みたいと思います…。」
「ああ、ありがとう。両親も君が一生懸命してくれるから安心して領地に戻れると言っていたよ。」
「…身に余る光栄です。」
俯き、自嘲するかのように薄く笑う私に彼は怪訝な表情を向ける。彼のこういう顔は知り合ってから初めてだった。
「メルヴィーナ、結婚してもうすぐ1年経つんだ。そろそろそんなに畏まった話し方でなくてもいい。私のことは、シルと。」
なんて可笑しなことを言う夫だろう。ええそうですとも。結婚してそろそろ1年です。その間あなたが私を抱いたことは?素肌に触れたことすらない。…いや、でも仕方がない。生理的に受け付けられないのはどうしようもない。それなのに呼び名だけ変えるなど、なんて滑稽な話だろう。
「…別にこのままでもよろしいではありませんか。私たちはそのような間柄でもありませんし。ね、シルヴェスター様。」
なんとか笑顔を貼り付けられた。と思う。声は震えていなかっただろうか。
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