愛人をつくればと夫に言われたので。

まめまめ

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本編

11-1 馬鹿な男だと〜シルヴェスターside

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 "一目惚れだった"なんて言ったら、君はまさかと疑い呆れるだろうか。

 でも、笑ったり怒ったり一秒ごとに感情が変わる君の顔を見ていたら、世界にまるで君と私しかいないように感じて。若かった私は、美しい君のためにこの世があるのだとさえ錯覚した。
 
 そんなことを考えていたなんて知ったら、「案外ロマンチストだったんですね」と少しは見直してくれるだろうか。
 それとも「それならなぜあんな酷いことを」と責めてくれるだろうか。
 
 実際には言えるわけがないのだけれど。



 メルヴィーナ・シェラードという女性のことは正直どうとも思っていなかった。
 というか、どの人間に対しても。

 どこの家か、どの派閥か、どこと付き合いがあるのか、そういったことだけで人を判断する、嫌な19歳だったと思う。
 自分は、この国や家が脈々と続くための単なる部品だと思っていたし、それを自分自身受け入れていた。両親は真っ当な教育をしたと思う。「感情を出してはいけない」「常に家の顔として振る舞え」「次期侯爵として―――」当たり前だろう、この家に生まれたのだから。

 氷の宝石だなんて仰々しい二つ名で呼ばれるのも、自分でも頷けた。人間味がなかったのだと思う。


 だから季節が移ろい木々の葉が黄や朱になり始めても「そろそろ領地に戻る支度をし始めるか」としか思っていなかった。

 いつも通り王宮で父の傍ら仕事を学び、帰りの馬車の中からぼんやりと黄色くなったイチョウ並木を眺めていたときだった。

 とんでもなく大きな口を開けて淑女らしからぬ破顔を携えた女性が目に飛び込んできたのは。

 腕いっぱいに抱えたイチョウの落ち葉を放り投げて遊んでいる。成人しているであろう、女性が。

 自分でも信じられないが、なぜかあの時は落ちゆく山吹色がスローモーションで見え、進む馬車も速度を落とした気がした。
 それくらい、君の笑顔に射止められた瞬間は永遠に感じられたんだ。

 何が起きたのか分からなかった。
 久しく心を動かすのを止めていたせいか、病気なのかと疑った。心臓が絞られる感覚。息が浅くなり苦しい胸。何も考えられなくなる思考。

 今までただの季節の便りだったイチョウの黄色が、急に鮮やかに美しく見える。


(…彼女は…)

 
 先程まで笑っていた顔が、急に眉毛を下げて困ったように戸惑う。かと思えば、唇を尖らせて怒り出す。

 釘付けだった。



 彼女の両脇に、両親と思われる身なりのいい夫妻がいると気が付いたのは数秒経ってからだった。


「…父上、あの家族は。」
「ああ、シェラード伯爵夫妻とそのご令嬢だ。善良伯として高名でね、お前にも今度紹介する。何かと力になってくれる方だ。」


 そこからは話が早かった。
 家柄的にも問題があるわけでなく、あちらもまだ婚約者がいなかったらしい。何やら傷跡があるとのことだったが、そんなことはどうでも良かった。

 実際に会ってみると、愛想笑いしかしない気位の高い女性だった。一瞬、「本当にあの大笑いしていた女性と同一人物か?」と疑うくらいだったが、すぐにその疑念は晴れた。
 薔薇と称えれば少し困ったように顎を引き、ダンスを踊れば照れているのか目尻が赤くなる。本人は隠しているつもりなのだろうが、感情が顔に出やすいタイプなのだろう。

 いつか彼女が自分の前で笑ってくれるような関係になりたい。

 つつがなく終えるはずの人生に、密かな目標ができた瞬間だった。


 彼女はとても真面目だ。

 嫁いでくるというだけで大変なはずなのに、きちんと勉強もしてくれて、私の気難しい両親とも良い関係を築いてくれる。「こんな素直な子、お前にはもったいないんじゃないか。」と父が言う程だった。




―――本当に何も問題ないはずだった。


 一番コントロールできないのは人の感情だ。
 特に自分の感情なんてものは制御できると自負していたのに、そんなものただの驕りだったと気づかされる。


「あの傷跡、僕のための傷なんです。」

 式が終わり、披露宴の最中さなか、近づいてきた男が静かに呟いた。

 紫の瞳は、挑発するでも、牽制するでもなく、ただただ恍惚と潤んでいた。少し離れたところにいる、白いドレスに覆われた彼女の背を眺めながら。
 その眼は、隠されているそこを、確かに見ていた。

 突然のことでどういうことなのかわからず答えあぐねている自分を、紫の瞳は横目で一瞥し、「結婚、おめでとうございます。」と一言告げてメルヴィーナの元に歩いて行った。自然に、当然のように隣に立つ。

(あの男のための、傷―――…?)

 告げられたことが何度も何度も頭の中で繰り返され、目の前の光景がまるで別世界のように流れていく。
 あの男とメルヴィーナが親し気に話しているが、会話の内容が入ってこない。

 
 混乱する頭を突き刺したのは、夢にまで見た、あの笑顔だった。

 
 あの男に、顔いっぱいに口を開けて笑顔を向けている。「笑いすぎだよ」と男の手で大きな口を隠されて、慌てて白い手袋をはめた小さな両手で口元を隠す花嫁。
 自分には見せない砕けた表情を、あの男には向ける。
 別の招待客から話しかけられれば、またすぐに肖像画のような愛想笑いを貼り付ける。

 つまり、あの男が特別なのだ。


(ああ、そういうことか…。)


 世界から音が無くなったのかと感じた。

 自分は、彼女たちの物語を終わらせてしまったのかもしれない。
 想い合う二人を引き裂いてしまったのかもしれない。

 そこからどうやって式が進んだのか、どうやって帰宅したのかは正直覚えていない。


 初夜で泣かせてしまったときは、本当に消えてしまいたかった。
 惨めだという感情を初めて自覚した。

 傷跡に触れれば触れるほど、あの男の言葉が、声が思い出されてしまう。

 幼い頃から訓練されてきた、”自分の状況を俯瞰で見る”ということ。
 今の自分は、生まれ持った身分をかさに、他に想う男がいる女性を娶った裸の王様ではないか。
 
 考えれば考えるほど、なんと滑稽な。婚約者がいないというのも、あの男を待っていただけだったのではないか。

 それならそうと自分が手籠めにしてしまえばいいだけのこと、と強欲になりきれない自分もまた情けない。ぐるぐると、とりとめのない自己嫌悪に蝕まれながら、その日は彼女の隣で一夜を明かした。

 ―――消えてしまいたかった。


 だから逃げた。
 彼女は真面目だ。結婚したのだから妻の責を全うしようと体を捧げようとはしてくれる。それでも、他の男の代わりになることなど、誰が出来よう。


 ◇


「あら、シル。どうしたの?目の下にクマなんて作っちゃって。」

 この知人は、よく自分の変化に気が付いてくる。昔からそうだ。他の人間には気づかれない変化や機微にいち早く気が付いてくるのはいつも彼女だった。

「何で気が付いたのって顔ね。分かるわよ。長い付き合いだもの。まさか、新婚で夜眠る暇もないとか?」
「…リージア。止めてくれ。」
「あっ、これはあんまり良くない話題だったわね。ごめんなさい。じゃあ、分かった。あの黒髪で紫の眼の彼に悩まされているとか。」

 リージアは探るような目で貫いてくる。なぜこの女はいつも的確なところを突いてくるのか。早くに結婚して子どもを産んでいるからか人生経験が物を言うのか。

「ああ、当たり?そう睨まないでよ。やあね、怖い。分かるわよ、披露宴で貴方変だったもの。あんなに奥様と親密な男、しかも素敵よね、彼。客観的に見ても。あんなのが居たら、困るわよね。」
「…君には関係ないだろう。」
「そんな冷たいこと言わないでよ。私の方が先輩よ。貴方を助けてあげられるわ。貴方のことだもの、どうしたらいいか分からないの、誰にも言えないんじゃないの?」


 苦々しい思いで見下ろすと、彼女の口元がにっこりと弧を描いた。自分に対してここまでずけずけと言ってくるのは彼女くらいだろう。


「ねえシル、考えてみて。あの彼、聞けば伯爵家の次男だそうじゃない。どんなに素敵でも、どんなに想われていても地位も財産も相続できない身よ。だからあの二人、結ばれなかったんじゃないの?」
「・・・・・。」
「ね?分かるでしょ?彼になくて貴方だけが持っているもの。夫になれた貴方だけが奥様に与えられるもの。」
「それを与えれば、この行き場のない思いから解放されると?」
「ああ、可哀そう、シル。苦しいわよね。今まで手に入らないものはなかったのにね。ねえ、自信をもって。貴方は持って生まれたものがあるから、奥様と結婚できたのよ。」
「そんなもの…。」
「そんなものですって?あの彼には、一生手にできないものよ。貴方だけが、奥様を幸せにできるの。」


 真っすぐ見つめられて告げられた都合のいい言葉に、不安定な心はすぐ傾いた。

 あの男の代わりにはなれない。なりたくなどない。

 それなら、自分にしか与えられないものを。自分しかメルヴィーナを幸せにできないと言い聞かせて。


 喜んでもらえたらと物も贈った。社交の場では次期侯爵夫人として彼女の顔をたてられるように振舞った。
 食事も彼女の好きなものを用意したし、両親が領地に戻れるよう、全ての仕事を父から引き継いだ。

 夫としてできることは全てした。

 見当違いな前向きさほど、空回りするものは無いと気づいたのは最近になってからだ。

 とにかく当時は、自分にしかできないものを与えていたつもりだった。

 そうでもしないと耐えられなかったのだ。
 ラベンダーの香りを纏う妻と顔を合わせるのが。
 披露宴で近づいてきたあの男を彷彿とさせる香り。

 それを感じるたびに、目を瞑ってしまう。目の前の妻から目を逸らしてしまう。

 彼女の夫はあの男ではなく、自分なのだから…そういう思いが、焦らせた。


「メルヴィーナ、結婚してもうすぐ1年経つんだ。そろそろそんなに畏まった話し方でなくてもいい。私のことは、シルと。」


 羨ましかったんだ。
 ラルフ、と気安く呼ばれ、飾らない笑顔を見せられるあの男が。

 だから、形だけでも、表面上だけでも親し気になりたかった。
 浅慮だった。胸を煩わせるなんて慣れないことをしたから。そんな私を君が受け入れられなかったのも当然だったと、今なら思える。

 
「別にこのままでもよろしいではありませんか。私たちはそのような間柄でもありませんし。」
 
 本当にその通りだ。私たちはそんな関係にはなれなかった。

 近づきたい、近づけない。そのもどかしさが歩み寄る一歩をためらわせていく。

 
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