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月が綺麗ですね
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先生はぴんと人差し指を立てる。
「では、エリートクラスではどうですか? ここならメダル入手者も十数人はいます。クラスの人数も二番目に多い八十名ほどですし、そこまで目立つこともないでしょう。ロートスさんが捨てられた神殿でパーティを組んだ子達も、何人かそこにいますよ?」
なるほど。それもありだな。
上級のエリートクラスなら、中の上から上の下くらいの連中が集まっているだろう。
「ロートスさんの実績なら、そのあたりが妥当だと思います。本当ならメダルを三つ獲得しているわけですから、スペリオルクラスでも問題はないのですが」
「それはやめましょう。確実に目立つ」
エレノアにも見つかってしまうしな。
「先生のアドバイスに従いますよ。エリートクラスでお願いします」
意見を取り入れてもらえたのが嬉しかったのだろう。先生の顔がぱっと明るくなる。
「よかった。じゃあ明日からはエリートクラスへの出席をお願いしますね。ふふ、楽しみです」
少女のように無邪気にほころんだ表情。おや、これはもしかして。
「先生ってエリートクラスの担当だったりします?」
俺の近くにいたいから、自分の担当するクラスに誘導したというんじゃないだろうな。
そう思ったのだが。
「いいえ。私はスペリオルクラスの担当ですよ。怪物級の新入生たちを教えられる数少ない教師の一人なんです。どうです? すごいでしょう?」
「すごい」
えっへん、と先生は大きく胸を張る。俺がすごいと言ったのは、おっぱいに対してでもある。
いやしかし。さすがに俺の考えすぎだったようだ。というより、自惚れが過ぎたか。
そういえば。
「先生。ウィッキーの奴はどうなりました?」
新たな話題に、先生の顔つきが幾分か真面目になった。
「あの子はひとまず私のところで受け入れることにしました。機関を去った今、あの子も裏切り者。私と同じ境遇ですから」
「でも先生の家ふっ飛んでましたよね?」
「はい……ですから今は街の宿を取っています。『ホテル・コーキュー』というところです。宿舎が新しくなるまでそこにいますから、気が向いたら遊びに来てください」
先生は鞄から懐中時計を取り出し時刻を確認すると、すっと立ち上がった。
「もう日付が変わります。名残惜しいですが、あまり遅くなってもウィッキーが心配しますね。話したいことは全部話せましたし、そろそろお暇しようと思います」
「ああ。もうそんな時間ですか」
俺も立ち上がり、先生を部屋の外までエスコートする。
「女性の一人歩きは心配ですね。宿まで送っていきましょうか?」
「ふふ、とっても魅力的な提案ですね。でも大丈夫。私に手出しできる男性なんてそうはいません。それに、明日からは本格的に学園生活が始まりますから、今夜はゆっくり休んで」
「……わかりました」
俺はエントランスで先生を見送る。
「あ、そうそう」
思い出したように、先生はぽんと手を叩く。
「私のおっぱいが触りたくなったら、いつでも言ってくださいね。よほどのことがない限り、拒んだりしませんから」
「……考えておきます」
そういう風に言われると逆に言い出しにくくなるんだよなぁ。
まったく、先生にはかなわないな。
やっぱり、男ってのは女には勝てない運命なのだ。
俺はそんな運命にも立ち向かうがな。
「では、おやすみなさい。よい夢を、ロートスさん」
「よい夢を、アデライト先生。お気をつけて」
俺達はしばし見つめ合う。
このままキスでもできそうな雰囲気だが、それは時期尚早か。これから幾らでも機会はありそうだしな。まぁ、俺達が恋愛関係に発展すればの話だけど。
教師と生徒の関係なのだから、その可能性は限りなく低いだろう。そうに違いない。
名残惜しそうに何度も振り返りながら去っていく先生。俺は彼女の姿が見えなくなるまで玄関を動かなかった。
さて、俺はそろそろ寝るとしよう。明日は早いのだ。
「では、エリートクラスではどうですか? ここならメダル入手者も十数人はいます。クラスの人数も二番目に多い八十名ほどですし、そこまで目立つこともないでしょう。ロートスさんが捨てられた神殿でパーティを組んだ子達も、何人かそこにいますよ?」
なるほど。それもありだな。
上級のエリートクラスなら、中の上から上の下くらいの連中が集まっているだろう。
「ロートスさんの実績なら、そのあたりが妥当だと思います。本当ならメダルを三つ獲得しているわけですから、スペリオルクラスでも問題はないのですが」
「それはやめましょう。確実に目立つ」
エレノアにも見つかってしまうしな。
「先生のアドバイスに従いますよ。エリートクラスでお願いします」
意見を取り入れてもらえたのが嬉しかったのだろう。先生の顔がぱっと明るくなる。
「よかった。じゃあ明日からはエリートクラスへの出席をお願いしますね。ふふ、楽しみです」
少女のように無邪気にほころんだ表情。おや、これはもしかして。
「先生ってエリートクラスの担当だったりします?」
俺の近くにいたいから、自分の担当するクラスに誘導したというんじゃないだろうな。
そう思ったのだが。
「いいえ。私はスペリオルクラスの担当ですよ。怪物級の新入生たちを教えられる数少ない教師の一人なんです。どうです? すごいでしょう?」
「すごい」
えっへん、と先生は大きく胸を張る。俺がすごいと言ったのは、おっぱいに対してでもある。
いやしかし。さすがに俺の考えすぎだったようだ。というより、自惚れが過ぎたか。
そういえば。
「先生。ウィッキーの奴はどうなりました?」
新たな話題に、先生の顔つきが幾分か真面目になった。
「あの子はひとまず私のところで受け入れることにしました。機関を去った今、あの子も裏切り者。私と同じ境遇ですから」
「でも先生の家ふっ飛んでましたよね?」
「はい……ですから今は街の宿を取っています。『ホテル・コーキュー』というところです。宿舎が新しくなるまでそこにいますから、気が向いたら遊びに来てください」
先生は鞄から懐中時計を取り出し時刻を確認すると、すっと立ち上がった。
「もう日付が変わります。名残惜しいですが、あまり遅くなってもウィッキーが心配しますね。話したいことは全部話せましたし、そろそろお暇しようと思います」
「ああ。もうそんな時間ですか」
俺も立ち上がり、先生を部屋の外までエスコートする。
「女性の一人歩きは心配ですね。宿まで送っていきましょうか?」
「ふふ、とっても魅力的な提案ですね。でも大丈夫。私に手出しできる男性なんてそうはいません。それに、明日からは本格的に学園生活が始まりますから、今夜はゆっくり休んで」
「……わかりました」
俺はエントランスで先生を見送る。
「あ、そうそう」
思い出したように、先生はぽんと手を叩く。
「私のおっぱいが触りたくなったら、いつでも言ってくださいね。よほどのことがない限り、拒んだりしませんから」
「……考えておきます」
そういう風に言われると逆に言い出しにくくなるんだよなぁ。
まったく、先生にはかなわないな。
やっぱり、男ってのは女には勝てない運命なのだ。
俺はそんな運命にも立ち向かうがな。
「では、おやすみなさい。よい夢を、ロートスさん」
「よい夢を、アデライト先生。お気をつけて」
俺達はしばし見つめ合う。
このままキスでもできそうな雰囲気だが、それは時期尚早か。これから幾らでも機会はありそうだしな。まぁ、俺達が恋愛関係に発展すればの話だけど。
教師と生徒の関係なのだから、その可能性は限りなく低いだろう。そうに違いない。
名残惜しそうに何度も振り返りながら去っていく先生。俺は彼女の姿が見えなくなるまで玄関を動かなかった。
さて、俺はそろそろ寝るとしよう。明日は早いのだ。
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