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転生先は悪役令嬢

幽霊怖い·····

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「あ·····あぁ·····!!」
怖すぎて声が出ない、どうしよう!!!
必死にラルク様の腕を掴む、そしたらラルク様は私に抱きついた。
「いい香りだね·····エルサの髪は·····」
「そんなこと言ってる場合じゃない!!」
ラルク様いきなり抱きつくなんて·····恥ずかしいよ
「エルサから離れろ、ラルク様·····」
「えっ、誰?!?」
「エルサ、僕だよ!」
「ルー兄様!!!なんでここに???」
「エルサ達を見つけてここまで来たんだ、ゲルナートはおいてきた」
「それは分かったけど、今あそこに幽霊が!!」
「幽霊??」
「髪の長い人と背の高い人が並んで浮いてたの!」
「見に行こうか」
「怖くないの??ルー兄様!!」
「大丈夫だよ、燃やすだけだから」
「燃やすって·····何を??」
「勿論エルサを驚かしたものをだよ、例え幽霊じゃなかったとしてもね」
「エルサが怖がってるだろう、やめなよキール」
「まさかラルク様、怖がっているの??」 
「有り得ないよ、私が怖がるなんて」
「じゃあ、いいよね??」
「ホラーの真実は知らない方が夏っぽいでしょ」
「何か知ってそうだね~ラルク様」
「兄さん、もう言っちゃおうぜ~絶対バレてるから」
「はぁ、カイト·····出てきちゃダメだよ」
幽霊が出てきた場所からカイト様が現れた、どういうこと??
「エルサ、驚かしてゴメンな~どうしても兄さんがして欲しいって言ってさ」
「カイト·····それ以上は言うな·····」
「了解·····夏といえばやっぱりホラーが欲しいってことで幽霊を出して驚かそうとしたんだ。あの呪いの洋館って話あったろ、あれ作り話」
「そうだったの、ラルク様!!」
だから怖がってなかったのね!!
「ゴメンね~エルサを楽しませたくて~」
「他にも理由がありそうだが·····後でさっきやったクジの件について聞きましょうか·····ラルク様」
「キール、顔が怖いよ~何故クジの話をするんだい??」
「聞かせて貰うよ真実を·····ラルク様」
やっぱり二人の笑顔は笑っているようで笑ってない、クジの件について何を話すのかしら??
「どうやって幽霊を出してたの、カイト様??」
「あぁ、光の魔法で映し出してたんだ」
「魔法ね·····」
「あぁ、まぁ魔法を使えないのは気にするな!そんなに困んないだろ??」
「まぁ、そうだけど·····使ってみたかったわ」
エルサは魔法を使えない·····魔法を使えないのはそんなに軽く受け流せることじゃないと思うんだけど。だってそれが理由で自殺しちゃったんだから!!私は別になんとも思わないけどね、使えなくても
「ゲルナート様見つけて帰りましょう、日が暮れちゃうわよ·····」 
「やぁ、みんなこんなところにいたのか!!幽霊見つけた??」
「あぁ、あれは作り話みたいですよ、ゲルナート様·····」
「そうだったの!!信じてたのに·····」
「すみません、ゲルナート」
「だったらあれはなんだったんだろう??」
「あれって??」
「二階の部屋に鍵がかかっててさ、無理やりこじ開けたんだよね~そしたらその部屋の中に女性のものらしき骸骨があったんだぁ~なんだったんだろうねぇ~」
えっ、骸骨??
「ラルク様、あの話は·····どうやって作ったんですか·····」
「本をもとにしたんだ、洋館の呪いって本、確か~なにかの事件をもとにしたって書いてあった」
「もしかして·····ここを·····もとに·····したんじゃないですか!!!」
「まさか~それはないよ~エルサ」
「さっきから聞きたかったんだけど俺、男の幽霊しか出したつもりないんだけど·····髪の長い幽霊ってどういうこと??」
「えっ!?!じゃあ、あれは·····ホンモノ!!!」
一気に体温が下がった肝試しでした·····

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