私·····またまた悪役令嬢ですか〜〜

システィーナ

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転生先は悪役令嬢

番外編 エルサとハンザードの日常

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ラルク様とルー兄様がいない間ハンザード様と二人で授業を行っていた。まぁこれが普通なんだけどね

「エルサ、今日は宝探しに行きましょう!」
「た、宝探しですか?!」
「はい、近くの洞窟に宝が隠されていると噂を聞きましてね!」
「信じたんですか、その噂を!」
「もちろんです、では行きましょう!!」
「ちょ、ちょっと待って·····」
私はゲルナート様に抱き抱えられて馬車に乗った。
無理やりじゃない?!
「楽しみですね、エルサ!!」
こうなったらもう聞く耳を持たないだろう·····
「えぇ、そうですわね·····」
宝探しとはどういうことだろう、この近くにそんな噂あったかな??

馬車に揺られること一時間、馬車は怪しげな森の中に入っていった。森の奥から生暖かい風が吹いていた。
「ゲ、ゲルナート様!!か、帰りましょう!!」
「なんで??」
「こ、怖いんです!!」
「大丈夫ですよ、私がいます!!」
「信じられないです!!」
奥に行くにつれて暗くなっていく·····
怖い、怖すぎる!!ホラー小説に出てきそうな感じだわ!

「エルサ、着きましたよ!」
「え·····あぁ·····」
怖がって馬車の奥の方で震えてたらいつの間にか着いていた。
「では行きましょう!」
ゲルナート様が悪魔にしか見えないよ·····

諦めてゲルナート様の袖を掴みながら洞窟の中へと足を踏み入れた。洞窟の中は意外と涼しかったが気持ち悪さと恐怖はなかなか消えない·····
「エルサ、気をつけてくださいねそこに蛇がいます」
「えっ·····えぇーー!!」
岩の上の土色の蛇が舌をチロチロと出して私を見ていた。怖くて固まっていると蛇は興味を失ったかのように洞窟の奥へと消えていった。
「大丈夫??エルサ??」
「ゲルナート様!!」
怖くてゲルナート様に抱きついた
「エルサは可愛いですね~」
「そんなのんきなことを言っている場合ではないですよ!!いったいあの蛇はなんなんですか?!」
「あぁ、あの蛇はドーリアドクヘビだよ、この地方だけに住んでいるんだ、名前の通り毒蛇でその毒は一滴で人を十人殺せるほどだよ、可愛いよね~あのキュルンとした目にチロチロと出すあの舌·····最高だよ出会えるなんて!私達ラッキーだね!!」
「そんなに怖い蛇だったんですか?!それに興奮しないでください!!」
ゲルナート様は本当に謎な人だ·····顔はいいのにね

火を指に灯したゲルナート様の腕をしっかりと掴み、足場の悪い道をゆっくりと進んでいく。さっきまでの涼しさが嘘のように周りは暑く、湿っている。ゲルナート様に水を貰いながら一歩二歩と足を動かす。
「そろそろ着くよ、エルサ!」
「本当ですか!!」
「うん、ほら見て!」
ゲルナート様が指差す方向は真っ暗で全然何があるか分からない。どういうこと·····

「着いたよ!!」
「えっ·····ここはいったい??」
やっぱりここは真っ暗で宝がありそうな雰囲気ではないけど·····
「まぁ見てて、ほら!!」
ゲルナート様はいきなり近くにあった石を勢いよく床に投げつけた。
すると石が当たったと思われる場所から徐々に青色の淡い光が波紋のように広がっていき、私たちの周りが光り輝いた。その光はとても美しく、声さえも出ない·····それに懐かしいような、そんな気持ちになった。
「綺麗ですね·····」
「でしょ!」
ゲルナート様は自慢げに頷いた。
「なぜ光っているのですか?」
「それはねこの石は女神石と言って、衝撃を加えると美しい光を放つんだ!この光は癒しの力を持っていて浴びると人の精神の痛みを和らげるんだ!寂しく思っている心にもきっと効くよ!」
「ゲルナート様、私のために連れてきてくださったのですか·····」
「喜んでくれた?」
「もちろんです、ありがとうございます!!」
ゲルナート様は意外と優しいんだな~
「じゃあエルサ、今から石を削っていくよ!研究に役に立つから!!」
「えっ·····削っちゃうんですか·····」
「少しぐらい大丈夫!さぁさぁ頑張るよ!!」
「·····それが目的なんじゃ·····」
「はいはい~よっしファイトーー!!」
石にへばりつくゲルナート様はやはりいつものゲルナート様なんだ·····かっこいいじゃんって思ったのに~頑張るかーー
女神石の光に癒されたからか、なぜか全てが許せてしまうエルサだった·····


  ~おまけ~
「やぁ~大量大量!!」
「結構取りましたね·····」
「お礼に今度女神石あげるね、アクセサリーにして」
「ありがとうございます」
「走って帰ろうか!!!」
「えっ·····危ないですよ!!!」
「よーい、ドーン!!」
「えっ·····えぇ!!」
「エルサ、遅い·····痛っ!!」
「大丈夫ですか!!」
「·····エルサ、蛇に噛まれちゃった!!」
「もしかしてドーリアドクヘビですか?!」
「うん、そうだよ!エルサ、よく覚えてたね!頭撫でてあげるよ!」
「そんなことより早くしないと死んじゃいますよ!!」
「あぁ·····なんか綺麗な川が広がってるな·····あれ、母さん??こんなとこで何してるの?死んだはずなのに~えっ、遊ぼう??うん、いいよ~」
「ゲルナート様!!!!」
三十分後、死ぬはずのドクヘビに噛まれたのになぜか復活したゲルナート様は母さんと鬼ごっこをして、転んだらなぜかここにいたそうだ·····とんでもないな、この人·····
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