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5 ※リオン目線
「さぁ、皆さん…これで、シャルロット様にはこれからのことは聞こえませんね」
「な、何をする気だ!!リオン!!」
「少し痛めつけるだけですので…ご安心を」
「お、おい!!やめろ!!」
旦那様達は怯えたように後ろへと逃げていく
逃がすわけないだろ?あれだけのことをシャルロット様にしておいて…
「…せいぜい、恐怖に震えてください」
「お父様!!助けて!!」
「やめなさい、リオン!!」
あの豚達もブルブルと震え、涙を流し、顔はぐしゃぐしゃだ。そんなものじゃ足りない…俺は…あなた達を絶対に許さないのだから…
傷が残れば俺は国に捕まってしまうだろうし、シャルロット様にも危害が及んでしまう。さぁ、どうするか…まぁ、証拠さえ残らなければ…
俺がシャルロット様に出会ったのは俺が十歳の頃だった。シャルロット様は八歳だった。シャルロット様はそのときから大人びており、美しかった。もう、あの時、俺は一目惚れしてしまったんだ。俺のような下民に優しく接してくださり、シャルロット様のお母様も優しかった。父親はほとんど家にいないが、二人は楽しそうに暮らしていた。俺たち使用人も平穏な日々を送っていた…あの日…最悪の事態が起こるまでは…
風の強い日だった、旦那様から珍しくお土産があった。いろいろな果実がのった、小さなケーキだった。そのプレゼントに奥様は喜び、シャルロット様と一緒に口にしたのだった。そのケーキはとても美味しく、二人とも楽しそうにお茶をしていた。俺も含めて使用人一同とても嬉しかった。しかし、その夜奥様、シャルロット様は体調を崩されてしまったのだ。いきなり二人とも高熱を出し、俺たちも焦り、看病をした。シャルロット様は三日ほどで良くなったが、奥様はもともと体が弱かったのもあり、なかなか回復しなかった。そして一週間後、シャルロット様に別れを告げ、この世から去ってしまった。シャルロット様は泣いて悲しみ、部屋に閉じこもっていた。そして…奥様が亡くなって三日後…旦那様は浮気相手の女を屋敷に連れ込み、結婚したのだった。シャルロット様は…驚き、悲しんだ。そしてあの意地悪な奴らにシャルロット様の服はほとんど取られ、残ったものは安い、平民が着るような服と、奥様の服、一着だけだった。そのためシャルロット様はどこにも行けず、ただただ屋敷の自分の部屋に閉じこもっていた。使用人達はあれだけ優しくしていただいたのにシャルロット様から離れ、あの女側についてしまった。何度も何度も何度も扉を叩くが一度たりともシャルロット様は出てこない…なんでこんなことに…悔しかった…
「シャルロット様!!シャルロット様!!」
何度ノックをしても出てこない…シャルロット様はもう三日ほど食事を取られていないのだ。…仕方がないよな…俺はシャルロット様の部屋の扉を蹴破った。部屋の中には床に倒れ込む、シャルロット様の姿があった。すぐさま体を起こす、息をしていることを確認し、安心した。
水をゆっくりと飲ませ、ベッドに寝かせる。シャルロット様は人形のように美しく、まるで誰かによって作られたのか、と思ってしまうほど整った顔立ちをしている。目の前にいると触れてしまいたくて…だが、俺はただの侍従でしかない…
しばらくするとシャルロット様は目を覚ました。目は虚ろで、光り輝いていた目は輝きを失ってしまっていた。
「シャルロット様!」
「…リオン…私…死にたいわ·····」
小さな小さな声で…そう言った
「ダメです!死んではなりません!!」
「どうして?もう…苦しいのよ…生きていくことが…」
ポロリと涙を流した
「俺は…あなたに…生きて欲しい…」
「…え?」
「あなたが死ぬと言うならば、俺も死にます…」
「えっ…そんなのダメよ…」
「死にます!これは譲れません…」
シャルロット様は驚いていた
「…分かったわ…死なない…でも、嫌いになったら…離れていいからね…」
シャルロット様は弱々しく微笑んだ
俺があなたを嫌いになることなど有り得ないのですが…
そう言ってからシャルロット様は逞しく生きた
もう、俺はいらないのではないなと思うほどに…
彼女は幸せにならなければならないのだ、あなた達なんかに絶対に邪魔させない…彼女は…俺が守るのだから…
俺が魔法を使えることに気づいたのはそれからすぐのことだった。正直、とても驚いた。シャルロット様だけにその事を伝えた。彼女も驚いたが、俺の魔法を綺麗だと褒めてくれた。魔法が使えるなんて不気味だが、シャルロット様がそう言ってくれるなら持ってよかったのかもしれない。俺はシャルロット様に隠れて、魔法を練習した。もしものときに彼女を守るために…
そして今日、使う日がきたのだ。まぁ、守るため、というよりは俺の自己満足なのかもしれない。しかし、牽制くらいにはなるだろう。
「あなた達は、毒をシャルロット様にも、奥様にも飲ませましたね…」
男は顔をしかめた。
「…そんなことは…していない…」
「まだしらを切るおつもりですか?」
「あ、あいつが、勝手に死んだんだろ!!」
この最低野郎が…絶対に許さない…
「…このゴミクズ共…地獄で泣き叫べ·····!!」
…この時のために作っておいた魔法だ…この世界で俺だけが持つただ1つの魔法…憎しみと愛が詰まった…異形な魔法だ…
手に力を込めた…あいつらへの…憎しみ…怒り…全てを放った
「「「ぎゃあああああああああああ!!!」」」
三体のゴミが醜く、吠えた
使用人たちは何が起こったのか分からないようであった。なぜなら、あいつらの体には傷一つないのだから。
「だ、旦那様?!奥様?!お嬢様?!」
「「「ぎゃああああああああああああああぁぁぁ!!!」」」
その声はまるで命の終わりのような声であった。
聞いているだけで、目の前に燃え盛る地獄の炎が見える気がした。
あいつらの悲鳴が止むことはないだろう…あいつらには死さえも与えはしない…永遠に苦しんでくれ…俺たち…いや、俺の怒りを抑えるために
「彼が正気に戻ることはございませんよ、皆様」
俺は使用人たちに語りかけた
「皆様·····この事は絶対に秘密ですよ·····私が魔法を使えることも·····彼らは突如頭がおかしくなった·····これが事実です。そう人々に伝えなさい。もしも一言でもこのことを話せば·····どうなるか分かりますね?」
使用人たちはガタガタと震え、泣き叫んだ
これがシャルロット様を見捨てたお前たちへの罰だ
この恐怖に一生、怯え続けること。
自分でも最低だと思うが·····こうでもしないと怒りで国を滅ぼしてしまいそうになるからな
俺は屋敷をあとにした
そしていつもの優しいリオンの表情に戻す
シャルロット様が見ているのは醜い部分を隠した自分·····こうでもしないと·····シャルロット様に嫌われてしまうかもしれないからな·····あの人はとても優しく弱い人だから·····
彼女が手に入ることはないだろう·····でも、少しでも長くそばにいたい·····取り繕ってでも彼女に少しでも好かれたい·····様々な思いが心でごちゃ混ぜになっている
俺は、愛しい彼女が待つ馬車へと向かった
あなただけは絶対に幸せにしてみせます、シャルロット
「な、何をする気だ!!リオン!!」
「少し痛めつけるだけですので…ご安心を」
「お、おい!!やめろ!!」
旦那様達は怯えたように後ろへと逃げていく
逃がすわけないだろ?あれだけのことをシャルロット様にしておいて…
「…せいぜい、恐怖に震えてください」
「お父様!!助けて!!」
「やめなさい、リオン!!」
あの豚達もブルブルと震え、涙を流し、顔はぐしゃぐしゃだ。そんなものじゃ足りない…俺は…あなた達を絶対に許さないのだから…
傷が残れば俺は国に捕まってしまうだろうし、シャルロット様にも危害が及んでしまう。さぁ、どうするか…まぁ、証拠さえ残らなければ…
俺がシャルロット様に出会ったのは俺が十歳の頃だった。シャルロット様は八歳だった。シャルロット様はそのときから大人びており、美しかった。もう、あの時、俺は一目惚れしてしまったんだ。俺のような下民に優しく接してくださり、シャルロット様のお母様も優しかった。父親はほとんど家にいないが、二人は楽しそうに暮らしていた。俺たち使用人も平穏な日々を送っていた…あの日…最悪の事態が起こるまでは…
風の強い日だった、旦那様から珍しくお土産があった。いろいろな果実がのった、小さなケーキだった。そのプレゼントに奥様は喜び、シャルロット様と一緒に口にしたのだった。そのケーキはとても美味しく、二人とも楽しそうにお茶をしていた。俺も含めて使用人一同とても嬉しかった。しかし、その夜奥様、シャルロット様は体調を崩されてしまったのだ。いきなり二人とも高熱を出し、俺たちも焦り、看病をした。シャルロット様は三日ほどで良くなったが、奥様はもともと体が弱かったのもあり、なかなか回復しなかった。そして一週間後、シャルロット様に別れを告げ、この世から去ってしまった。シャルロット様は泣いて悲しみ、部屋に閉じこもっていた。そして…奥様が亡くなって三日後…旦那様は浮気相手の女を屋敷に連れ込み、結婚したのだった。シャルロット様は…驚き、悲しんだ。そしてあの意地悪な奴らにシャルロット様の服はほとんど取られ、残ったものは安い、平民が着るような服と、奥様の服、一着だけだった。そのためシャルロット様はどこにも行けず、ただただ屋敷の自分の部屋に閉じこもっていた。使用人達はあれだけ優しくしていただいたのにシャルロット様から離れ、あの女側についてしまった。何度も何度も何度も扉を叩くが一度たりともシャルロット様は出てこない…なんでこんなことに…悔しかった…
「シャルロット様!!シャルロット様!!」
何度ノックをしても出てこない…シャルロット様はもう三日ほど食事を取られていないのだ。…仕方がないよな…俺はシャルロット様の部屋の扉を蹴破った。部屋の中には床に倒れ込む、シャルロット様の姿があった。すぐさま体を起こす、息をしていることを確認し、安心した。
水をゆっくりと飲ませ、ベッドに寝かせる。シャルロット様は人形のように美しく、まるで誰かによって作られたのか、と思ってしまうほど整った顔立ちをしている。目の前にいると触れてしまいたくて…だが、俺はただの侍従でしかない…
しばらくするとシャルロット様は目を覚ました。目は虚ろで、光り輝いていた目は輝きを失ってしまっていた。
「シャルロット様!」
「…リオン…私…死にたいわ·····」
小さな小さな声で…そう言った
「ダメです!死んではなりません!!」
「どうして?もう…苦しいのよ…生きていくことが…」
ポロリと涙を流した
「俺は…あなたに…生きて欲しい…」
「…え?」
「あなたが死ぬと言うならば、俺も死にます…」
「えっ…そんなのダメよ…」
「死にます!これは譲れません…」
シャルロット様は驚いていた
「…分かったわ…死なない…でも、嫌いになったら…離れていいからね…」
シャルロット様は弱々しく微笑んだ
俺があなたを嫌いになることなど有り得ないのですが…
そう言ってからシャルロット様は逞しく生きた
もう、俺はいらないのではないなと思うほどに…
彼女は幸せにならなければならないのだ、あなた達なんかに絶対に邪魔させない…彼女は…俺が守るのだから…
俺が魔法を使えることに気づいたのはそれからすぐのことだった。正直、とても驚いた。シャルロット様だけにその事を伝えた。彼女も驚いたが、俺の魔法を綺麗だと褒めてくれた。魔法が使えるなんて不気味だが、シャルロット様がそう言ってくれるなら持ってよかったのかもしれない。俺はシャルロット様に隠れて、魔法を練習した。もしものときに彼女を守るために…
そして今日、使う日がきたのだ。まぁ、守るため、というよりは俺の自己満足なのかもしれない。しかし、牽制くらいにはなるだろう。
「あなた達は、毒をシャルロット様にも、奥様にも飲ませましたね…」
男は顔をしかめた。
「…そんなことは…していない…」
「まだしらを切るおつもりですか?」
「あ、あいつが、勝手に死んだんだろ!!」
この最低野郎が…絶対に許さない…
「…このゴミクズ共…地獄で泣き叫べ·····!!」
…この時のために作っておいた魔法だ…この世界で俺だけが持つただ1つの魔法…憎しみと愛が詰まった…異形な魔法だ…
手に力を込めた…あいつらへの…憎しみ…怒り…全てを放った
「「「ぎゃあああああああああああ!!!」」」
三体のゴミが醜く、吠えた
使用人たちは何が起こったのか分からないようであった。なぜなら、あいつらの体には傷一つないのだから。
「だ、旦那様?!奥様?!お嬢様?!」
「「「ぎゃああああああああああああああぁぁぁ!!!」」」
その声はまるで命の終わりのような声であった。
聞いているだけで、目の前に燃え盛る地獄の炎が見える気がした。
あいつらの悲鳴が止むことはないだろう…あいつらには死さえも与えはしない…永遠に苦しんでくれ…俺たち…いや、俺の怒りを抑えるために
「彼が正気に戻ることはございませんよ、皆様」
俺は使用人たちに語りかけた
「皆様·····この事は絶対に秘密ですよ·····私が魔法を使えることも·····彼らは突如頭がおかしくなった·····これが事実です。そう人々に伝えなさい。もしも一言でもこのことを話せば·····どうなるか分かりますね?」
使用人たちはガタガタと震え、泣き叫んだ
これがシャルロット様を見捨てたお前たちへの罰だ
この恐怖に一生、怯え続けること。
自分でも最低だと思うが·····こうでもしないと怒りで国を滅ぼしてしまいそうになるからな
俺は屋敷をあとにした
そしていつもの優しいリオンの表情に戻す
シャルロット様が見ているのは醜い部分を隠した自分·····こうでもしないと·····シャルロット様に嫌われてしまうかもしれないからな·····あの人はとても優しく弱い人だから·····
彼女が手に入ることはないだろう·····でも、少しでも長くそばにいたい·····取り繕ってでも彼女に少しでも好かれたい·····様々な思いが心でごちゃ混ぜになっている
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