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或る詩人と
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私は街の衛兵だ。
衛兵と言ってもそう堅苦しいものでは無い。
私の仕事はただ、巨大な入口の横に立ち、生まれてから今日まで思い出を再生するだけの仕事だ。
或る日、大きな荷物を背負った者とピンクポシェットの2人組が私の前を通ろうとしたのだ。
只者では無い。あの2人は私の仕事を忘れさせてしまう程の猛者だ。
なぜ忘れたのかと言うと、あの2人は話しかけたからだ、この私に。なんと愚かな。異国の言葉で何を言っているのかはわからなかったが、確かにあの二人は私に何かを話しかけたのだ。
その日から私は思い出の再生などどうでも良くなり、あの2人が何を話しかけていたのかばかり気にするようになったのだ。
だが、あの2人が話しかけてくれたのはもう随分前の話で、その事を考えているということは、
やはり今でも私は思い出を再生しているということなのだろうか?
いや、それは既存の思い出の再生ではなく、
新たな妄想の創造なのか?
今日、私は衛兵の仕事を辞職してしまった。妄想の想像は私に生き方を教えてくれるのだ。随分前に出会ったあの2人は私の人生に転機をくれたのだ。私は異国の言葉もわからないのにその2人に接触をしたくなった。この妄想の羅列があの2人に届き、理解されるかは分からないが、それでも私は想像を続けよう。
今日は、私が詩人になった日だ。
衛兵と言ってもそう堅苦しいものでは無い。
私の仕事はただ、巨大な入口の横に立ち、生まれてから今日まで思い出を再生するだけの仕事だ。
或る日、大きな荷物を背負った者とピンクポシェットの2人組が私の前を通ろうとしたのだ。
只者では無い。あの2人は私の仕事を忘れさせてしまう程の猛者だ。
なぜ忘れたのかと言うと、あの2人は話しかけたからだ、この私に。なんと愚かな。異国の言葉で何を言っているのかはわからなかったが、確かにあの二人は私に何かを話しかけたのだ。
その日から私は思い出の再生などどうでも良くなり、あの2人が何を話しかけていたのかばかり気にするようになったのだ。
だが、あの2人が話しかけてくれたのはもう随分前の話で、その事を考えているということは、
やはり今でも私は思い出を再生しているということなのだろうか?
いや、それは既存の思い出の再生ではなく、
新たな妄想の創造なのか?
今日、私は衛兵の仕事を辞職してしまった。妄想の想像は私に生き方を教えてくれるのだ。随分前に出会ったあの2人は私の人生に転機をくれたのだ。私は異国の言葉もわからないのにその2人に接触をしたくなった。この妄想の羅列があの2人に届き、理解されるかは分からないが、それでも私は想像を続けよう。
今日は、私が詩人になった日だ。
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