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(中身アラフィフ、外見12歳)
弟が生まれたことで、私はアルフォート家の“嫡子”ではなくなった。
跡取りの座を失うということは、私の立場が根本から変わることを意味していた。政略の駒としての価値も、当然ながら変わる。
(なら、私は…リュシアンと婚約できるのかもしれない。彼とだったら毎日楽しく発明ができる。)
魔法省に勤める魔法使いの息子、リュシアン・ヴェルディエ。彼は家格も申し分なく、私は彼といる時間が居心地が良い。何より、彼は私の“知識”を尊重してくれる数少ない存在だった。
前世で五十歳まで独身だった私にとって、十一歳で婚約者ができる可能性があるなんて、正直驚きだった。
けれど、彼なら…悪くない。むしろ、少しだけ期待していた。
だが、その期待はあっさりと裏切られた。
学園入学から二年が過ぎたある日、父と母に呼ばれ、応接間へと通された。
そこには、見慣れない父と同年代と思われる男性と、整った顔立ちの少年が座っていた。
「セレナ、紹介しよう。こちらはグランディール侯爵家のご当主と、そのご子息エドワルド様だ」
(…ああ、これは“そういう話”か)
アラフィフの私には、すぐに察しがついた。貴族社会では、家と家の結びつきが何よりも重視される。特に、私のような“元跡取り娘”であれば、政略結婚は避けられない。
「アルフォート家の令嬢、セレナ嬢。お噂はかねがね…」
エドワルドは礼儀正しく頭を下げた。けれど、彼とその父親の目は私を見ていなかった。彼らの視線は、アルフォート家の権力や、発明によって得た名声に向けられていた。
「父に言われて、婚約の話を聞いたときは驚きました。でも、セレナ様が発明をされる方だと聞いて…少し、嬉しかったです。僕も魔法細工が好きで、いつか一緒に何か作れたらって…」
(うまいこと言うわね。まるで台本でもあるみたい)
彼の言葉は丁寧で、礼儀正しく、そして“好意的”だった。
だが、その好意は私自身に向けられたものではなく、私の肩書きと能力に向けられたものだと、前世の経験が告げていた。
グランディール侯爵は、父に向かってにこやかに言った。
「アルフォート家のご令嬢と我が家の息子が結ばれれば、両家にとって大きな利益となるでしょう。発明の才と魔法の技術が合わされば、未来は明るい」
(利益、ね。やっぱりそういうこと)
父は苦笑を浮かべながらも、断る様子はなかった。高位貴族であるグランディール侯爵家からの申し出に、反対などできるはずもない。母も静かに頷いていた。
私は父と母の顔を見た。満足げな表情。もう、決まっているのだ。私の返事など、形式的なものにすぎない。
「わかりました。お受けいたします」
(喜んでも本心じゃないからありがとうなんて言いたくないわ)
口にした瞬間、胸の奥が冷たくなった。十二歳の少女として、婚約を受け入れる言葉を口にしたその裏で、五十歳の私が心の奥で小さくため息をついた。
(どうせ、私の気持ちなんて関係ない。なら、せめて…この婚約を“利用”させてもらう)
人生とは、皮肉なものだ。選ばれることの意味を、私はもう知っている。
婚約が決まったあとも、心のどこかで引っかかっていた。
リュシアンは、なぜ学園に入学しないのか。彼の父――魔法省に勤める彼は、リュシアンの家で会うたび、優しい微笑みを向けてくれるが、何かを秘密を抱えているようだった。
私は父にリュシアン家族のことを何度か尋ねたが、明確な答えは得られなかった。
「魔法省は特殊でね。世襲制だから、彼は学園ではなく、魔法省で直接学ぶことになっている」
(…そういうことだったのか)
リュシアンは、私の“未来”になるはずだった。彼となら、知識を分かち合い、対等な関係を築けると思っていた。
けれど、彼は別の道を歩いている。
そして私は別の“婚約者”として、別の人生を歩むことになった。
エドワルドに何も期待はしていなかった。
彼の心が私に向いていないことも、私が“家の都合”で選ばれたことも、すべて理解していた。前世の記憶があるからこそ、感情を切り離すことは容易だった。
けれど、完全に無感情でいられるほど、私は冷静では居られなかった。
リュシアンに、私の婚約の話をするのは気が重かった。
彼がどう思うか、どう反応するか
――それを考えるだけで、胸がざわついた。彼は何も言わないかもしれない。けれど、私の中には確かに、彼と並んで歩む未来を望んだ気持ちがあった。
「セレナさん、最近元気がないね」
彼にそう言われたとき、私は笑って誤魔化した。
(リュシアン、あなたは私の希望だった。けれど、私はもう“選ばれた”の。だから、もう…)
その言葉を口にすることはできなかった。
私は、政略の駒として生きる。
けれど、心の奥底では、彼との未来を夢見た自分が、まだ静かに息をしていた。
前世では誰にも選ばれなかった私が、今は選ばれている。
――それが幸せなのか、不幸なのか、まだ答えは出せずにいた。
弟が生まれたことで、私はアルフォート家の“嫡子”ではなくなった。
跡取りの座を失うということは、私の立場が根本から変わることを意味していた。政略の駒としての価値も、当然ながら変わる。
(なら、私は…リュシアンと婚約できるのかもしれない。彼とだったら毎日楽しく発明ができる。)
魔法省に勤める魔法使いの息子、リュシアン・ヴェルディエ。彼は家格も申し分なく、私は彼といる時間が居心地が良い。何より、彼は私の“知識”を尊重してくれる数少ない存在だった。
前世で五十歳まで独身だった私にとって、十一歳で婚約者ができる可能性があるなんて、正直驚きだった。
けれど、彼なら…悪くない。むしろ、少しだけ期待していた。
だが、その期待はあっさりと裏切られた。
学園入学から二年が過ぎたある日、父と母に呼ばれ、応接間へと通された。
そこには、見慣れない父と同年代と思われる男性と、整った顔立ちの少年が座っていた。
「セレナ、紹介しよう。こちらはグランディール侯爵家のご当主と、そのご子息エドワルド様だ」
(…ああ、これは“そういう話”か)
アラフィフの私には、すぐに察しがついた。貴族社会では、家と家の結びつきが何よりも重視される。特に、私のような“元跡取り娘”であれば、政略結婚は避けられない。
「アルフォート家の令嬢、セレナ嬢。お噂はかねがね…」
エドワルドは礼儀正しく頭を下げた。けれど、彼とその父親の目は私を見ていなかった。彼らの視線は、アルフォート家の権力や、発明によって得た名声に向けられていた。
「父に言われて、婚約の話を聞いたときは驚きました。でも、セレナ様が発明をされる方だと聞いて…少し、嬉しかったです。僕も魔法細工が好きで、いつか一緒に何か作れたらって…」
(うまいこと言うわね。まるで台本でもあるみたい)
彼の言葉は丁寧で、礼儀正しく、そして“好意的”だった。
だが、その好意は私自身に向けられたものではなく、私の肩書きと能力に向けられたものだと、前世の経験が告げていた。
グランディール侯爵は、父に向かってにこやかに言った。
「アルフォート家のご令嬢と我が家の息子が結ばれれば、両家にとって大きな利益となるでしょう。発明の才と魔法の技術が合わされば、未来は明るい」
(利益、ね。やっぱりそういうこと)
父は苦笑を浮かべながらも、断る様子はなかった。高位貴族であるグランディール侯爵家からの申し出に、反対などできるはずもない。母も静かに頷いていた。
私は父と母の顔を見た。満足げな表情。もう、決まっているのだ。私の返事など、形式的なものにすぎない。
「わかりました。お受けいたします」
(喜んでも本心じゃないからありがとうなんて言いたくないわ)
口にした瞬間、胸の奥が冷たくなった。十二歳の少女として、婚約を受け入れる言葉を口にしたその裏で、五十歳の私が心の奥で小さくため息をついた。
(どうせ、私の気持ちなんて関係ない。なら、せめて…この婚約を“利用”させてもらう)
人生とは、皮肉なものだ。選ばれることの意味を、私はもう知っている。
婚約が決まったあとも、心のどこかで引っかかっていた。
リュシアンは、なぜ学園に入学しないのか。彼の父――魔法省に勤める彼は、リュシアンの家で会うたび、優しい微笑みを向けてくれるが、何かを秘密を抱えているようだった。
私は父にリュシアン家族のことを何度か尋ねたが、明確な答えは得られなかった。
「魔法省は特殊でね。世襲制だから、彼は学園ではなく、魔法省で直接学ぶことになっている」
(…そういうことだったのか)
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けれど、彼は別の道を歩いている。
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けれど、完全に無感情でいられるほど、私は冷静では居られなかった。
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けれど、心の奥底では、彼との未来を夢見た自分が、まだ静かに息をしていた。
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