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(中身アラフィフ、外見15歳)
断罪の場には、王様、レオン、そしてミレーヌに関係する王の側近や関係者が勢揃いしていた。
表向きは「ミレーヌの功績を称える褒賞式」。
ええ、表向きはね。 裏向きは、“魔力中毒者の集団リハビリ”の会。
私も、“発明者としての功績”を褒めるという名目で、この場に呼ばれた。
(私の発明は“魔力干渉を暴く装置”ですけどね。 褒賞をもらうより、“真実の一撃”を与えたい)
リュシアンが用意してくれた“解毒魔法薬”は、見た目は無色透明。味もほぼゼロ。
(まるで“聖女の言葉”みたいね。見た目は綺麗、でも中身は毒)
ただし――副作用あり。
「薬が効き始めると、魔力の中毒が解ける過程で吐き気を催します」
「中毒度が高ければ高いほど、吐き気は長引きます」
(つまり、“聖女にどれだけ夢中だったか”が、吐き気の長さでバレるってこと。王様、レオン、覚悟して)
私は、あえて誰にも副作用のことは伝えなかった。
もちろん、王妃にもイザベラにも。
(王様やレオンが臣下の前でマーライオン化したら、証拠としてわかりやすい。 そして、断罪がスムーズに進むでしょ?)
王妃とイザベラの二人のことは信用してる。
でも、副作用を伝えたら、王族の面子と体裁ってやつが邪魔する可能性はある。
(前世でもいたわ、“上司の顔を立てるために真実を隠す”っていう謎ルール。あれ、誰得?)
副作用を伝えないのは、ミレーヌに踊らされ、周囲を疲弊させた彼らに対する、私のささやかな復讐。
・王様:聖女スマイルに骨抜き
・レオン:手相見せただけで婚約者完スルー
・側近たち:剣の修行や勉強よりカフェ巡り
(ええ、みんな“聖女の魔力”で夢の中にいただろうけど、そろそろ“現実”に戻ってもらうわ)
薬は、褒賞式の場に出された水にこっそり混入された。
本来なら毒見役が見抜くはずだったけれど、そこは王妃が華麗に処理。
(さすが王妃様。前世の上司なら「気づきませんでした」で終わってたわ)
さらにイザベラが、王室の空調管理者を巧みに誘導。
室温を上げて乾燥させ、喉の渇きを加速させる。
(この連携プレイ、もはや“王宮版スパイ大作戦”。おばちゃん、拍手)
◇◇◇
褒賞式では、ミレーヌの「未来が輝いてます♡」トークに、王様、レオン、臣下たちがうっとり。
(誰が一番鼻の下伸ばしたかの選手権でもしてる?っていうくらいデロデロ)
ミレーヌを褒める言葉を連発すればするほど、空気の乾燥で喉が渇き、水を一人、二人と、どんどん飲み始めた。
(みんな国の偉い方々だけど、“聖女ホイホイ”に引っかかりすぎ。ミレーヌにとっては“ちょろい”の一言だったわね)
最初に顔をしかめたのはレオン。
まだ子供で、体が小さいぶん、薬の効果が早く出たのかもしれない。
苦悶の表情で、王子として立派に耐えていたけれど、とうとう広間から駆け足で退出。
(レオン、頑張ったけど……胃袋は正直)
次に、側近の一人が口を押さえて椅子から転げ落ちる。
そして王様――お顔がハムスターのようにパンパンになってきてる。
(ふふふ、王様。その頑張り、前世の部長の“会議中に居眠りを誤魔化す顔”にそっくり)
でもプライドで耐えてる、 臣下たちも次々に苦悶の表情。
そして、ついに一人が吐き始めた。
「うっ……うぇっ……」
「な、なんだこれは……」
「気持ち悪い……!」
「こっち向くなよ……私……も……」
「誰……か……」
(前世でもあったわ、“もらいゲロ”の連鎖。あれ、ほんとに地獄。しかも今回は王宮バージョン)
ハムスターのように頑張っていた王様も、とうとう限界突破。 嘔吐。
その吐き出しぶりは――マーライオンもびっくりなほど豪快。
しかも、綺麗な半円を描いていた。
(王宮の床、大丈夫? 清掃係に、ボーナス出してあげてほしい)
見ているだけでも、臭いだけでも、この場にいるだけで、私ももらいゲロにつられそうになる。
(でも、私は“記録者”。 耐えろ!前世で“満員電車のもらいゲロ”を耐えた経験がある。 ここで負けるわけにはいかない)
◇◇◇
そんな中、王妃はただ一人、冷静だった。
部屋中にマーライオンと嗚咽が響く中、静かに立ち上がり、スッと一言。
「先ほどの皆のものの話とは真逆の報告が、わたくしには届いております」
「ミレーヌの悪事を記録した証拠を見せましょう。王様、皆のもの、これが“聖女”の正体です」
(王妃様、バリトンボイス。声のトーンが低いほど怖いって、前世の鬼上司で学んだわ)
映像、音声、魔力波形――フルセットで再生。
ミレーヌが囁くたびに魔力が揺れ、相手の表情が変わる。
侍女が涙を流し、臣下が跪き、王様が「国の宝」と呼ぶまでの流れが、まるっと記録されていた。
正気に戻った臣下たちが、ざわつき始める。
「これは……精神干渉だ……」
「神殿の報告と違う……」
「聖女の力じゃない、魔力による操作だ……!」
王妃は静かに、しかし鋭く言い放った。
「この国に必要なのは、幻想ではなく、真実を見抜く目です」
(王妃様、かっこよすぎて鳥肌。前世でこの人が上司だったら、私、惚れていた)
そして始まる、ミレーヌの“言い訳ショー”。
いや、言い訳というより、マウントの嵐。
その口調は、もはや“聖女”じゃなくて“マウントの女王”。
「私が皆に好かれるのは当然よ。 だって、私には“聖女の力”があるもの!」
「王様もレオンも、 私の手を握った瞬間に、私の価値を理解したのよ」
「王妃も、イザベラも、自分が愛されてないからって嫉妬で捏造? 嫌な女ね」
「あなたたちみたいに、頭でっかちで愛されない女と私は違うの!!!」
「記録? そんなのに頼るなんて哀れ。 暇人のやることよ!」
「私がいなくなったら王宮はどうなるの? 王妃とイザベラだけよ? 寂しいでしょう?」
「セレナ、貴女が犯人? エドワルドの気持ちが私に向いてるからって最低ね!」
「醜い女は、心も醜いのね。 だから夫にも婚約者にも見向きもされないのよ!!!」
(はい出ました、“愛されてない女”認定。 前世でもいたわ、こういうタイプ。 男の前では“うふふ♡”、 女の前では“お前の人生終わってる”って刺してくるやつ)
笑顔を浮かべながら、侮辱を織り交ぜるその姿は、 もはや“聖女”ではなく、ただの傲慢な女。
(しかも自分は“正直なだけ”って言い張るのよね。 いや、それ“性格が悪い”って言うの)
そして、ミレーヌの罪は暴かれた。
泣き崩れ、暴言を叫び続ける彼女に
――誰も手を差し伸べなかった。
(“聖女ポイント”は返却不可。 期限切れだし、そもそも偽造品だったし)
(今さら泣きつかれても遅いのよ。 “聖女スマイル”で積み上げたマウントの塔、崩れるときは一瞬)
むしろ、服も顔も吐瀉物まみれの男どもに囲まれて、ミレーヌも手を握られたくないだろう。
いや、まだ絶賛マーライオン中の方もいて、もらいゲロ連発中だから、誰もミレーヌの側に行く余裕なんてないか……!
(この状況、もはや“王宮版ホラー映画”。タイトルは『ゲロの宴』)
私自身、この異様な臭いを発生させている広間から早く出たい。
でも、すべてが終わらない限り、我慢というか、耐えている。
(前世でもあったわ、忘年会の二次会で“もらいゲロ”の連鎖。あれに比べたら、王宮の床が豪華なだけマシ)
最終的に、王命により―― ミレーヌは生涯、人里離れた寂れた神殿に幽閉。
“聖女”ではなく、“危険な魔力保持者”=“魔女”として、烙印を押された。
(肩書き変更おめでとう。でも“魔女”っていうより、“マウント中毒者”の方がしっくりくる)
彼女にたぶらかされた神官たちは、薬で正気に戻った後、 「騙されてました~」と泣き言を言っていたけど
―― 王宮に虚偽報告していた罪は重い。
僻地の神殿に左遷され、二度と王都には戻れない。
(前世でもいたわ、“上司に媚びて嘘報告”してた人。 命令されてしかたなく…。 でも結局、異動先で“誰にも信用されない人”になってた)
ミレーヌを養子にした子爵家一族も、爵位返上&収容所送りとなった。
貢物を換金して豪遊していたため、「騙されていた」は通用せず。
(“聖女のため”って言いながら、マダムの年齢で使うブランドバッグ買ってた時点でアウト。 前世なら“経費不正使用”で即クビ)
私とエドワルドの婚約は、彼の有責で正式に王命として破棄された。
証拠、虚偽申請、私への侮辱――すべて記録済み。
(記録って最高よね。 前世では“証拠がないから我慢して”って言われたけど、今世では“証拠があるから黙ってて”って言わせられる)
王妃様の口添えもあり、彼も侯爵も反論できず。
わが家は賠償金ゼロ、むしろ彼の家から思いがけない金額の賠償金をゲット。
(うっはー。 婚約破棄なのに“臨時ボーナス”もらった気分。 前世のショボい賞与より嬉しい)
断罪の場には、王様、レオン、そしてミレーヌに関係する王の側近や関係者が勢揃いしていた。
表向きは「ミレーヌの功績を称える褒賞式」。
ええ、表向きはね。 裏向きは、“魔力中毒者の集団リハビリ”の会。
私も、“発明者としての功績”を褒めるという名目で、この場に呼ばれた。
(私の発明は“魔力干渉を暴く装置”ですけどね。 褒賞をもらうより、“真実の一撃”を与えたい)
リュシアンが用意してくれた“解毒魔法薬”は、見た目は無色透明。味もほぼゼロ。
(まるで“聖女の言葉”みたいね。見た目は綺麗、でも中身は毒)
ただし――副作用あり。
「薬が効き始めると、魔力の中毒が解ける過程で吐き気を催します」
「中毒度が高ければ高いほど、吐き気は長引きます」
(つまり、“聖女にどれだけ夢中だったか”が、吐き気の長さでバレるってこと。王様、レオン、覚悟して)
私は、あえて誰にも副作用のことは伝えなかった。
もちろん、王妃にもイザベラにも。
(王様やレオンが臣下の前でマーライオン化したら、証拠としてわかりやすい。 そして、断罪がスムーズに進むでしょ?)
王妃とイザベラの二人のことは信用してる。
でも、副作用を伝えたら、王族の面子と体裁ってやつが邪魔する可能性はある。
(前世でもいたわ、“上司の顔を立てるために真実を隠す”っていう謎ルール。あれ、誰得?)
副作用を伝えないのは、ミレーヌに踊らされ、周囲を疲弊させた彼らに対する、私のささやかな復讐。
・王様:聖女スマイルに骨抜き
・レオン:手相見せただけで婚約者完スルー
・側近たち:剣の修行や勉強よりカフェ巡り
(ええ、みんな“聖女の魔力”で夢の中にいただろうけど、そろそろ“現実”に戻ってもらうわ)
薬は、褒賞式の場に出された水にこっそり混入された。
本来なら毒見役が見抜くはずだったけれど、そこは王妃が華麗に処理。
(さすが王妃様。前世の上司なら「気づきませんでした」で終わってたわ)
さらにイザベラが、王室の空調管理者を巧みに誘導。
室温を上げて乾燥させ、喉の渇きを加速させる。
(この連携プレイ、もはや“王宮版スパイ大作戦”。おばちゃん、拍手)
◇◇◇
褒賞式では、ミレーヌの「未来が輝いてます♡」トークに、王様、レオン、臣下たちがうっとり。
(誰が一番鼻の下伸ばしたかの選手権でもしてる?っていうくらいデロデロ)
ミレーヌを褒める言葉を連発すればするほど、空気の乾燥で喉が渇き、水を一人、二人と、どんどん飲み始めた。
(みんな国の偉い方々だけど、“聖女ホイホイ”に引っかかりすぎ。ミレーヌにとっては“ちょろい”の一言だったわね)
最初に顔をしかめたのはレオン。
まだ子供で、体が小さいぶん、薬の効果が早く出たのかもしれない。
苦悶の表情で、王子として立派に耐えていたけれど、とうとう広間から駆け足で退出。
(レオン、頑張ったけど……胃袋は正直)
次に、側近の一人が口を押さえて椅子から転げ落ちる。
そして王様――お顔がハムスターのようにパンパンになってきてる。
(ふふふ、王様。その頑張り、前世の部長の“会議中に居眠りを誤魔化す顔”にそっくり)
でもプライドで耐えてる、 臣下たちも次々に苦悶の表情。
そして、ついに一人が吐き始めた。
「うっ……うぇっ……」
「な、なんだこれは……」
「気持ち悪い……!」
「こっち向くなよ……私……も……」
「誰……か……」
(前世でもあったわ、“もらいゲロ”の連鎖。あれ、ほんとに地獄。しかも今回は王宮バージョン)
ハムスターのように頑張っていた王様も、とうとう限界突破。 嘔吐。
その吐き出しぶりは――マーライオンもびっくりなほど豪快。
しかも、綺麗な半円を描いていた。
(王宮の床、大丈夫? 清掃係に、ボーナス出してあげてほしい)
見ているだけでも、臭いだけでも、この場にいるだけで、私ももらいゲロにつられそうになる。
(でも、私は“記録者”。 耐えろ!前世で“満員電車のもらいゲロ”を耐えた経験がある。 ここで負けるわけにはいかない)
◇◇◇
そんな中、王妃はただ一人、冷静だった。
部屋中にマーライオンと嗚咽が響く中、静かに立ち上がり、スッと一言。
「先ほどの皆のものの話とは真逆の報告が、わたくしには届いております」
「ミレーヌの悪事を記録した証拠を見せましょう。王様、皆のもの、これが“聖女”の正体です」
(王妃様、バリトンボイス。声のトーンが低いほど怖いって、前世の鬼上司で学んだわ)
映像、音声、魔力波形――フルセットで再生。
ミレーヌが囁くたびに魔力が揺れ、相手の表情が変わる。
侍女が涙を流し、臣下が跪き、王様が「国の宝」と呼ぶまでの流れが、まるっと記録されていた。
正気に戻った臣下たちが、ざわつき始める。
「これは……精神干渉だ……」
「神殿の報告と違う……」
「聖女の力じゃない、魔力による操作だ……!」
王妃は静かに、しかし鋭く言い放った。
「この国に必要なのは、幻想ではなく、真実を見抜く目です」
(王妃様、かっこよすぎて鳥肌。前世でこの人が上司だったら、私、惚れていた)
そして始まる、ミレーヌの“言い訳ショー”。
いや、言い訳というより、マウントの嵐。
その口調は、もはや“聖女”じゃなくて“マウントの女王”。
「私が皆に好かれるのは当然よ。 だって、私には“聖女の力”があるもの!」
「王様もレオンも、 私の手を握った瞬間に、私の価値を理解したのよ」
「王妃も、イザベラも、自分が愛されてないからって嫉妬で捏造? 嫌な女ね」
「あなたたちみたいに、頭でっかちで愛されない女と私は違うの!!!」
「記録? そんなのに頼るなんて哀れ。 暇人のやることよ!」
「私がいなくなったら王宮はどうなるの? 王妃とイザベラだけよ? 寂しいでしょう?」
「セレナ、貴女が犯人? エドワルドの気持ちが私に向いてるからって最低ね!」
「醜い女は、心も醜いのね。 だから夫にも婚約者にも見向きもされないのよ!!!」
(はい出ました、“愛されてない女”認定。 前世でもいたわ、こういうタイプ。 男の前では“うふふ♡”、 女の前では“お前の人生終わってる”って刺してくるやつ)
笑顔を浮かべながら、侮辱を織り交ぜるその姿は、 もはや“聖女”ではなく、ただの傲慢な女。
(しかも自分は“正直なだけ”って言い張るのよね。 いや、それ“性格が悪い”って言うの)
そして、ミレーヌの罪は暴かれた。
泣き崩れ、暴言を叫び続ける彼女に
――誰も手を差し伸べなかった。
(“聖女ポイント”は返却不可。 期限切れだし、そもそも偽造品だったし)
(今さら泣きつかれても遅いのよ。 “聖女スマイル”で積み上げたマウントの塔、崩れるときは一瞬)
むしろ、服も顔も吐瀉物まみれの男どもに囲まれて、ミレーヌも手を握られたくないだろう。
いや、まだ絶賛マーライオン中の方もいて、もらいゲロ連発中だから、誰もミレーヌの側に行く余裕なんてないか……!
(この状況、もはや“王宮版ホラー映画”。タイトルは『ゲロの宴』)
私自身、この異様な臭いを発生させている広間から早く出たい。
でも、すべてが終わらない限り、我慢というか、耐えている。
(前世でもあったわ、忘年会の二次会で“もらいゲロ”の連鎖。あれに比べたら、王宮の床が豪華なだけマシ)
最終的に、王命により―― ミレーヌは生涯、人里離れた寂れた神殿に幽閉。
“聖女”ではなく、“危険な魔力保持者”=“魔女”として、烙印を押された。
(肩書き変更おめでとう。でも“魔女”っていうより、“マウント中毒者”の方がしっくりくる)
彼女にたぶらかされた神官たちは、薬で正気に戻った後、 「騙されてました~」と泣き言を言っていたけど
―― 王宮に虚偽報告していた罪は重い。
僻地の神殿に左遷され、二度と王都には戻れない。
(前世でもいたわ、“上司に媚びて嘘報告”してた人。 命令されてしかたなく…。 でも結局、異動先で“誰にも信用されない人”になってた)
ミレーヌを養子にした子爵家一族も、爵位返上&収容所送りとなった。
貢物を換金して豪遊していたため、「騙されていた」は通用せず。
(“聖女のため”って言いながら、マダムの年齢で使うブランドバッグ買ってた時点でアウト。 前世なら“経費不正使用”で即クビ)
私とエドワルドの婚約は、彼の有責で正式に王命として破棄された。
証拠、虚偽申請、私への侮辱――すべて記録済み。
(記録って最高よね。 前世では“証拠がないから我慢して”って言われたけど、今世では“証拠があるから黙ってて”って言わせられる)
王妃様の口添えもあり、彼も侯爵も反論できず。
わが家は賠償金ゼロ、むしろ彼の家から思いがけない金額の賠償金をゲット。
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アステル王国の伯爵令嬢にして王宮園芸師のエリアーナは、「植物の声を聴く」特別な力で、聖女レティシアの「浄化」の儀式を影から支える重要な役割を担っていた。しかし、その力と才能を妬んだ偽りの聖女レティシアと、彼女に盲信する愚かな王太子殿下によって、エリアーナは「聖女を不快にさせた罪」という理不尽極まりない罪状と「毒草師」の汚名を着せられ、生きては戻れぬ死の地──瘴気の森へと追放されてしまう。
聖域の発見と運命の出会い
絶望の淵で、エリアーナは自らの「植物の力を引き出す」力が、瘴気を無効化する「聖なる盾」となることに気づく。森の中で清浄な小川を見つけ、そこで自らの力と知識を惜しみなく使い、泥だらけの作業着のまま、生きるための小さな「聖域」を作り上げていく。そして、運命はエリアーナに最愛の家族を与える。瘴気の澱みで力尽きていた伝説の聖獣カーバンクルを、彼女の浄化の力と薬草師の知識で救出。エリアーナは、そのモフモフな聖獣にコハクと名付け、最強の相棒を得る。
魔王の渇望、そして求婚へ
最高のざまぁと、深い愛と、モフモフな癒やしが詰まった、大逆転ロマンスファンタジー、堂々開幕!
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