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49.ソニアside
「な、なに……これ…………?」
後宮の改築だと聞いて部屋の移動を促された。
新しい部屋に移動して欲しい、って。
改築が終わるまでだって。
そう言われてきた部屋に、思わずポカーンと口を開け、入室と同時に立ちつくしてしまった。元の部屋とは全く違う狭くて簡素な部屋。広すぎるくらいの空間、豪華な内装に煌びやかな調度品の数々。その部屋から一転して、狭くてみすぼらしい小さな部屋に移された。なんで!?
実家の部屋より少し広い程度。後宮に来る前ならそれでも良かった。この部屋でも十分贅沢だって思えた。でも、今は違うでしょう!?私にこんなみすぼらしい部屋で寝起きしろっていうの!?ふざけないで!!
慌てて担当に問い合わせれば部屋移動は既に決定していることだと伝えられ唖然とした。
私を置いて勝手に決められていたの。
他の使用人たちもその事を知っていたらしくて、知らないのは私だけだった。
その後、私が元の部屋に戻る事は二度となかった。
どうして……? そればかりが頭を占める。
なんでよ。何故私ばっかりこんな目に遭うの? こんな扱いはおかしい!! 私は王太子の妻よ!側妃なのに!誰よりも愛されるべき人間じゃないの!?
この部屋に越してきてから一度もレーモンは来ない。
新しいドレスも宝石もない。
我慢の限界だった。
「気の毒よね」
「なにが?」
「側妃様の事よ。あんなに愛されてたっていうのに、寵愛がなくなればこんなところに閉じ込められるんだもの」
「あのね、それはソニア側妃様だけの話しでしょ?」
「まあね、他に妃っていないもん。でもさぁ、やっぱり平民の妃の末路は悲惨だってことかな?」
「そりゃあね、後ろ盾がないもの仕方ないわよ。これが貴族の御令嬢ならまた別だったでしょうけどね」
下働きのメイドがこそこそと話す声が聞こえる。
気に入らない。
「やっぱりさぁ、子供がいなかったのが痛かったよね」
「それはあるね。ソニア側妃様に女の子でも良いから子供が居たらまた待遇は違っただろうさ」
子供、子供、子供……!
煩い!煩い!煩い!
できないものは仕方ないじゃない!
なんで今更そんな事を言うのよ!!
もう嫌よ!
こんな生活!!
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