【完結】悪女と罵られたので退場させていただきます!

つくも茄子

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~アーリャナシル帝国編~

23.夜の訪問者2

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 それは、夜の訪問から十日ほど経った頃のこと。
 殿下は以前よりも音ついた様子で、昼下がりに私の部屋に来られました。
 距離はまだありますが、あの夜を境に、殿下の目には確かな変化が見られます。
 少しずつ、人への接し方を学んでいるようです。正確には女性への接し方といったところでしょうか?
 どうやら私は他の女性に比べるとマシ?の部類のようで、リハビリ対象には丁度いいと判断されているようでした。
 なので、私も油断していたといいますか。
 まさか、あのような会話に発展するとは思いもよらず。

「…………殿下、今何とおっしゃいましたの?」

 シャークがお茶を煎れ終わり下がった後、皇太子殿下から聞かされた話は信じられないものだった。

「……よく聞こえなかったようですわ。……もう一度言って貰っても宜しいでしょうか?」

 聞き間違いであってほしい……。そんな私の期待は脆くも崩れました。

「後宮を縮小しようと思ている」

 あぁぁぁぁぁ!!!聞き間違いでは無かった!!!……しかも何をさらっと爆弾発言をしているのかしら?そしてどうして私に話を持ち掛けるの!?
 殿下は解っているのかしら?
 夜に妃の部屋を訪れている意味を。
 これは私だけの問題ではなく。後宮全体に激震を走らせた事を!

「皇太子殿下が正妃の元に通った」
「皇太子妃殿下は寵愛を得ているようだ」
「正妃を迎えられ良い方向になった。後宮も活気づく」
「いずれは他の妃達の元にも通われるだろう」

 そういう噂が飛び交っているというのに!
 なのに、後宮の縮小!
 誰もが予想しなかった展開でしょうに……。
 ああぁぁ、どうして私が頭を抱えなければならないの!? 
 もう、このお方は何を考えているのか全然分からないっ!

「……縮小する、でございますか?」

「後宮をこれ以上拡大しても無意味だろう?それに後宮の維持費の問題もある」

 その「無駄」であり「無意味」を拡大してでも、殿下に子供を儲けていただきたいという意図は考えないのでしょうか?

「協力してくれ」

 そして何故、私を協力者に仕立て上げようとするのですか!?
 いえ、正妃である私に協力を仰ぐのは間違いではありませんが……。
 間違いではないのですが……。
 このタイミングで言いますか!?
 今の状況下でそれが可能だとでも!?

 ……殿下の思考回路は複雑すぎます。
 けれど、こうして相談してくださるようになっただけでも進歩といえば進歩……なのかもしれません。
 ええ、おそらく。
 たぶん。
 ……きっと。
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