【完結】悪女と罵られたので退場させていただきます!

つくも茄子

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~アーリャナシル帝国編~

25.ヴァレリー公爵(父)side

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 帝国に移住してから数年。
 破格の待遇で、帝国は私達家族を受け入れた。手土産の効果もあるだろうが。それにしても、ここまでの待遇を用意してくれるとは正直思いもしなかった。
 今の待遇に不満はない。
 貴族の中では最高位の「公爵」だ。
 他の帝国貴族は、私と妻が皇帝の縁戚だからこその待遇だと、陰で口さがなく言いふらす貴族達も多い。それは事実だったので否定する気は全くなかった。ただし、彼らが考えているのとはが……。
 まあ、それはどうでも良いのだ。。皇帝陛下もそう言っていたからな。

 問題は娘だ。
 皇族の者達が挙って「娘を妻に!」と言い出した。中には露骨に「を貰ってやる」と言い放つ高位貴族まで出始めた!
 公爵家は帝国に貢献している。
 娘の優秀さに目を付けたのだ。
 奴らはヴァレリー公爵家と娘を利用したいだけだ!
 そんな輩に娘はやらん!!
 だいたい娘は跡取りだぞ?
 嫁に出すのではなく婿だ!!バカたれめ!!!

 仕方なく……。本当に仕方なく、他国の者を婚約者にと選んだ。家柄、血筋、容姿、頭脳、財力。それらを考慮しての婚約者候補達。
 まぁ、完璧な男などこの世にはいない。少々の事は目をつぶったというのに……。
 それなのに!
 それなのに!!
 どいつもこいつも斜め上の事ばっかりやりよってから!
 娘や娘の周りに被害ばかり撒き散らしてくれたわ!!
 全員自滅していったがな。
 その自滅の背景に娘が色々と手を貸している事も、当然知っている。知った上で放っておいたのだ。
 しかし、まさかあれ程の成果を出すとは流石に思わなかった。
 そのせいかだろう。娘の価値は更に飛躍したのは言うまでもない。


 公爵領に置いていればそのうちに……と考えたのが悪かった。都にいなければそのうち厄介な求婚者達も諦めるだろうと高を括っていたのだ。甘かった……。そう後悔はしているが、後の祭だ。
 強引に娘をモノにしようと行動を起こす馬鹿が現れた。事前情報で領地に入って直ぐに制圧できたが、こんな幸運はそう続くものではない。頭を抱えながら陛下に相談した。

『ああ、やはりそうなったか。仕方がない。ブランシュは私が娶ろう。早急に後宮に居を構えなくては』

 そう宣った皇帝を殴った私は悪くないだろう。
 どこの世界にと言うヤツいる!? いや、ここにいるわ、目の前に!!

『そう怒るな。安全のために私の後宮に避難させるだけだ。手など出さん』

 当たり前だろう!
 だが、実の祖父の後宮にやるのは反対だ!倫理的にも無理!!

『表向き祖父と孫ではない。問題ないぞ?』

 大有りだ!!

 私の強固な反対によって皇帝の後宮ではなく皇太子の後宮となった。
 少々頼りないが、皇帝の元より遥かにマシだった。

 ブランシュにした説明は嘘と真実を折り込み混ぜ込んだ。
 あの子の様子から納得はしていないのかもしれない。だが、何かあるとは感じてくれたようで追及はされなかった。
 流石に、「実は皇帝陛下の孫なんだ」とは言えなかったのだ。
 そしてこれから先も言うつもりはない。
 私はこの秘密を墓場まで持っていくつもりだ。妻もそれが良いと言ってくれている。

『ブランシュの安全を考えれば真実を伝えない方が良いでしょう。それでなくとも皇位継承についての複雑な帝国ですから……』

 同じく皇室の血を引く妻は帝国の内部にも詳しい。
 そして、女子だからと見逃してくれるとは思えない。それだけ皇位を欲しがっている皇子は多いのだ。皇女であっても密かに皇位を欲する者もいるからな。
 ブランシュをライバル認定されては困る。
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